機体説明
型式番号RGC-80。地球連邦軍の中距離支援用モビルスーツ。
その名のとおり、連邦軍の主力機であるジムを砲撃戦用に改装した機体。ジムの系譜にある機体ではあるが、開発系譜上はガンキャノンの量産型にあたる。
元々、ガンキャノンの量産化プランはガンダムの量産化と別に進行しており、本来はガンキャノンの設計に若干の手直しを加える程度で量産する予定だったのだが、早期の前線配備を考慮し、先行していたジムの生産ラインを流用する形で設計を変更。部品の60%を流用することで、本機が開発された(なお予定されていたガンキャノンの量産も戦争末期に実現している)。
ジャブロー工廠にて48機が生産され、全機が実戦参加しているという。その中には戦後まで残存した機体もあり、コクピット部分をリニア・シート方式へと換装するなどの近代化改修を受け、グリプス戦役で使用されていた。
武装
頭部60mmバルカン砲
こめかみに装備された近接防御火器。主に牽制等に用いられる。
肩部240mmロケット砲
右肩の切り欠き部分に取り付けられた本機の主兵装。ガンキャノンに採用されていたものの改良品で、主に発砲時の初速が強化されている。
バルザック式380mmロケットバズーカ
ハイパーバズーカと同口径のロケット式バズーカ。前述のロケット砲と共に本機の任務である中距離支援の要とも言える兵装。本機以外にもオーストラリア方面に配備されたジム・スナイパーⅡや第20機械化混成部隊に配備されたガンキャノン重装型タイプDが使用している。
ビームスプレーガン
ジムの主兵装である拳銃型ビーム兵器。本機は格闘兵装を持たないため、敵機に近接された場合は本兵装と前述のバルカンが基調な迎撃手段となる。
関連イラスト
バリエーション
試作型ジム・キャノン/プロトタイプジム・キャノン
「MSV」にて設定された地球連邦軍の試作型支援用モビルスーツ。型式番号RGC-80-1。
連邦軍がガンキャノンの量産型を開発するに当たってジムにガンキャノンの頭部やバックパック、2門の肩部キャノン砲を移植して製造した試作機。
この試作の結果、重量バランスや安定性などの問題点が洗い出され、ジム・キャノンの開発に繋がった。
元々設定は名前のみ、画稿もSDガンダムでデフォルメされた物しか存在していなかったが、MSV-RにおいてSDガンダムのそれを基準としたリアル頭身画稿と詳細な機体設定が与えられており、「プロトタイプジム・キャノン」という名称となっている。
ジム・キャノン 空間突撃仕様
「MSV-R」に登場する、地球連邦軍の中距離支援用量産型MS。
一年戦争時に開発されたジム・キャノンを宇宙戦闘用に調整した機体。
地上での肩部ロケット砲発射時に重量として必要だった脚部の分割式増加装甲を外し、ジム・コマンドと同一のバーニアスラスターをランドセルおよび脚部に装備することで、戦闘時の姿勢制御能力と宇宙での機動性が向上した。オプション兵装だったバルザック式380mmロケットバズーカが当機の兵装として正式採用されている。
星一号作戦に参加するエースパイロット用としてレビル艦隊に5機前後が実戦配備された。また、ア・バオア・クー戦においてレビル艦の護衛任務にあたったサラミス級アイガーに所属する142MS小隊には、青を基調に塗装された本機が配備されたといわれる。
ジム・キャノン(ホワイトディンゴ仕様)
「機動戦士ガンダム外伝コロニーの落ちた地で」に登場したジム・キャノン。
オーストラリア方面軍ホワイトディンゴ隊に配備された機体で、カラーリングが同隊のパーソナルカラーに変更されている他、ビームサーベルを装備し接近戦にもある程度対応できるよう改修が施されている。
ジム・キャノンⅡ
ジム・キャノンの後継機。型式番号RGC-83。
詳細はジム・キャノンⅡを参照。
ガンプラ
1/144スケールの旧キットがMSV仕様とZ仕様で発売されている。
前者は白系、後者は赤系の成型色となっており、説明書にはカラーバリエーションとして北米戦線仕様やアフリカ戦線仕様の塗装パターンも公開されており、何れにおいてもデカールが付属。Z仕様にはティターンズマークも付属している。
1/100スケールのMGがプレミアムバンダイ限定でMSV版と北米戦線版が発売されている。