概要
尾張(愛知県)や美濃(岐阜県)で木曽川にまつわる話として伝わっている怪異である。媒体によって「やろか水」「遣ろか水」と表記されることもある。
愛知県犬山市には貞享四年(1687年)の8月26日、降り続く雨によって木曽川は増水していた。その時、対岸の美濃鵜飼(みのうかい)の伊木山下の淵から「遣ろうか、遣ろうか」という声がした。見回りに出ていた者が「よこさばよこせ!」と叫ぶと、川の水は急に増水して浸水し、大洪水となった。
その他明治六年(1873年)の洪水の時にも「遣ろうか、遣ろうか」という声が聞こえたという。
木曽川流域は常に洪水の危険と隣り合わせのため、洪水に対する不安、もしくは後世に伝えるために創られた話とされる。
創作作品におけるヤロカ水
水木しげる作品
- 妖怪画
水木しげるの妖怪画では、濁流に人々が飲み込まれる様子が描かれている。その波には魔物の顔のようなものが描写されており、まるで「波が意思を持っている」かのように見える。
やのまんブックス発行の「鬼太郎と行く妖怪道五十三次」では「金谷」にて描かれている。鬼太郎ですら「避難するしかない」と判断している。元は自然現象だから仕方ないね…。
まんが日本昔ばなし
「やろか水」というタイトルでこの怪異についてのお話が創られている…のだが、まんが日本昔ばなしの中でも指折りの救いの無い話となっている。
かくりよの門
水の体の先に能面のような白い顔がついき、禍々しい爪を持った不気味デザインをしている。
その顔が恐ろしい表情に変化することも…。
陰陽師~平安妖絵巻~
赤い目と大きな口と不揃いの歯を持ったモンスターチックなデザインをしている。
何故か唐傘を持っている。
ようこそ了法寺へ
こちらでは一転してアイドル妖怪として女の子の姿となっている。
妖怪パジュズ
ここではマスコットキャラクターのような可愛らしい姿になっている。