概要
古くは武器や狩猟の道具として、現代でも武道や儀式、スポーツとして馴染みが深い道具。
各種TRPGやTVゲームでも、弓は遠隔攻撃武器として欠かせない存在である。
ゲームやイラスト全般の作品で、正確かつ強力な射撃には技術と腕力を要するため男性の武器として描かれる他に、近接武器よりもスマートなイメージを持つためか女性の武器として描かれることが多い。
モンスターハンターシリーズに登場する武器カテゴリの一種でもある。
また、弦楽器で弦に振動を与えるための道具の事も指す。
分類
射法による分類
- ピンチ式(ピンチ型射法):最も原始的な方式。アフリカやアマゾンなどの部族が使う弓がこれにあたる。矢を弓の右側につがえ、親指と人差し指でつまんで引く。指で挟んでつまむ形であるため、弓の力が強いとすっぽ抜けてしまうのでそれほど高威力・長射程にすることはできない。よって多くの地域では次の2つのどちらかに発展している。
- 地中海式(メディタレニアン型射法):西洋で発展した方式。アーチェリーで使う洋弓がこれにあたる。矢を弓の左側につがえ、人差し指から薬指までの3本の指を弦に引っ掛けて顎の下まで引く。弓は握らず、腕をつっかえ棒のようにして押し返すだけ。アーチェリーで矢を放ったあと弓が水平軸周りに回転するのはこのためである(弓は紐で手にくくり付けている)。
- 蒙古式(モンゴリアン型射法):東洋で発展した方式。弓道で使う和弓はこちらにあたる。矢を弓の右側につがえ、親指を弦に引っ掛けて頭の後ろまで引く。弓は握る。左向きに弓を捻るように力を加えるので、矢を放った際には垂直軸周りに回転する。
このように洋弓と和弓では形式がかなり異なっており、どちらかができれば両方できるというものではない。両者の特徴が混同されていると見る人が見ればツッコミどころになってしまうため、創作で弓を描写したい方は以上の点に留意するとよいかもしれない。
なお、以上に記した左右の表記は全て左手に弓を持ち右手で弦を引くことを前提としている。左手で弦を引く場合は上記全て左右逆にならなければならない。
材料・構造による分類
- 丸木弓:一本の棒で作られた弓。
- 複合弓(コンポジットボウ):複数の材料を張り合わせたもの。小型化と威力を両立させている。
- 機械弓(洋弓銃):クロスボウ、ボウガン、弩(いしゆみ)と呼ばれるタイプ。ウィリアム・テルで有名。大型のものは、攻城兵器として用いられる。
大きさによる分類
現代の分類
創作作品において
銃の登場よりもはるかに古くから存在していた飛び道具であることから、近代以前風の世界観をもつ歴史物やファンタジー系の作品にはかなり高い頻度で登場する。
銃が存在する世界観下においては敢えて弓を採用する理由付けが難しいが、一応以下のようなメリットが考えられる。
- 音が小さい。弦音が鳴るので全くの無音ではないが、銃声の爆発音に比べれば遥かに静か。
- 障害物越しに山なりに矢を飛ばす曲射ができる(ただし現実的には曲射で命中させるのはかなり困難)。
- 矢が壊れなければ使い回しができる。
- 火縄銃やマスケット銃のような古典的な銃のみに限定すれば、それらよりも高い連射性がある。
- 毒矢や火矢のような応用がきく。
反対にデメリットとしては、
- 習熟するのに銃よりも多くの鍛錬を要する。また弓を引くのにかなり力が要るので、連続して何度も射るには銃よりも体力が必要になる。
- 近代的な銃に比べると絶望的に連射性が低く、更に隙が大きい。よって互いに撃ち合う状況では絶望的なハンデを負う。
- 大きいので、隠し持つことが難しい。
などが挙げられる。
これらのメリット・デメリットをうまく調整できる設定さえあれば、近代的な世界観で弓使いを登場させることも不可能ではないだろう。実際、隠密行動を任務とする一部の特殊部隊は現代でもコンパウンドボウやクロスボウなど弓系の武器を使っていると言われている。
関連イラスト
関連タグ
ジャック・チャーチル:鉄砲の弾が飛び交う近代戦なのに長弓でキルスコアを挙げてしまったすごい人。
その他人物・作品については→弓矢項へ。
外部リンク
弓 (武器) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%93_%28%E6%AD%A6%E5%99%A8%29