概要
比較的歴史そのものに忠実である創作品の歴史小説や漫画やアニメ、果ては中世風ファンタジー作品において、過剰なまでに歴史の史実に忠実であることを求める人たちであるが、実際の所はそれらの齟齬やミスをあげつらってマウントを取りたがる人達。
古くからの歴史小説(三国志演義など)や大河ドラマレベルの作品ですら、史実と異なる物やオリジナルの登場人物が出てくることがあり、基本的にエンターテインメントであるこれらに対し、過剰なまでに攻撃して叩き潰さんとする、マウントして優越感に入り浸るのは野暮な行為である。
問題点
「史実厨」が生まれてしまう背景として、一つあげられるのが「知名度」「カタログスペック」と「実際の功績」の差である。
このケースでは同世代の日米最新鋭戦艦だった大和型戦艦とアイオワ級戦艦の比較が著名だろう。
前者の方が砲の大きさ・装甲面で優位に立っていたが、史実では温存されてしまったが故、ほとんど活躍しないままに航空機の波状攻撃によって姉妹共に生涯を終えている一方、後者は装甲や砲では前者に劣っていた一方で速度や電子兵装に優れ、史実では全てが第二次世界大戦を生き残り、戦後も朝鮮戦争やベトナム戦争で活躍している。
この場合、『戦艦』としての純粋なカタログスペック面で優れていたのは前者だったが、用兵や戦局等の様々な要因が絡んだ結果、後者が『兵器』としては活躍したというのが『史実』である。が、これが話をややこしくしてしまう。
架空戦記やゲームにおいてアイオワ級を強く、大和型を一方的に弱く設定(例えば、火力や装甲の値が大和型よりアイオワ級の方が高い、アイオワ級が一方的に大和型を撃沈する等…)すれば「大和型の方が装甲は分厚いのに、カタログスペックに合っていない」と批判される事となる。
しかし、逆にしていれば「兵器として優れ実際に戦果を残したアイオワ級がただ新しい『だけ』のより弱い」となり、どちらの面からも『史実』と異なる地獄のような形相が生まれてしまうのである。
この場合、どちらも史実の一面に固執した「史実厨」と扱われる事となってしまうだろう。
そもそも、大和型とアイオワ級は正面からぶつかっていないので真相は誰にもわからない。
では「こまけぇこたぁいいんだよ!」とそのような層は無視して考えて良いかと言われると、決してそうとは言えない側面があるのも事実である。
史実厨を『望まぬ客』『荒らし』とスルーを決め込んで、ファンタジー世界舐めんな地球を体現し大航海時代の著名な海賊が大和型を叩きのめすような事があれば「そもそも論として戦艦がいらなかった」「何故日本はこんなのに負ける船を作ってしまったんだ」という話になってしまうことだろう。
何事も加減が大事という事である。
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