概要
カード型の記録メディアの総称で、フラッシュメモリを内蔵したものがスマートフォンやデジタルカメラ等に使用される。
現在では「メモリーカード=SDメモリーカード」と言われるほどSDカードの標準化が進んでいるが、あくまで「メモリーカード」自体はフラッシュメモリを積んだカード型の記録媒体全体を指しているため、必ずしもSDカードの事を指しているとは限らない。
ついでに言うと、ほぼ廃れた規格ではあるが過去にはSRAMカード(記録の保持に電池が必要)やROMカード(記録の書き換えが不可能、PCエンジンのHuCARDなど)のようなメディアも存在したので、「メモリーカード=フラッシュメモリーを媒体に利用したカード」というわけでもない。
主なメモリーカード
SDメモリーカード
言わずと知れたメモリーカードの代表格。
詳細は当該項目を参照のこと。
メモリースティック
ソニーが開発したメモリーカード。PSPやソニー製のデジカメ等で使用出来る。
詳細は当該項目を参照のこと。
コンパクトフラッシュ/CFカード/CFast
Sandiskが開発したメモリーカード。
比較的旧式のメディアだが、数あるメモリーカードの中でも大容量・高速な転送速度を実現しており、プロのカメラマンを中心に現在でも一定の需要がある。
「コンパクトフラッシュ」自体はSandiskの登録商標なので、他社は「CFカード」と呼ぶことが多い。
詳細は当該項目を参照のこと。
ゲーム機用メモリーカード
PlayStationやゲームキューブ等かつてのゲーム機で使われたメモリーカード。ゲームの進行状況を保存するために必要。
現在セーブデータは内蔵メディア(ハードディスクドライブかフラッシュメモリ)に保存するのが主流になっており、これらの規格は廃れている。
PlayStation Vitaでは仕様の統一化とセキュリティの強化のために専用のメモリーカードを採用している。セーブデータのみならずゲームデータや写真、音楽、動画も入り、さながらスマートフォンの外部ストレージのように使うことができる。
xDピクチャーカード
富士フイルムとオリンパスが共同開発したデジカメ用のメモリーカード。
当時デジカメ市場を牽引していた両社のメモリーカードであり、両社のデジカメに積極的に採用されていたのだが、皮肉にもこの時両社の支持が落ち始めており、それに伴ってxDピクチャーカードも人知れず姿を消していった。
スマートメディア
デジカメ等に採用されていたメモリーカード。
単純な構造でローコストで製造できる。
詳細は当該項目を参照のこと。
XQDメモリーカード
データ転送インターフェースに高速なPCI Expressを採用しており、4KのHDR映像など大容量の画像や動画を撮影する高性能なデジカメ等に採用されている。
UFSカード
SamsungがUFSの技術をもとに開発した「着脱可能なUFS」。
MicroSDに似た外見だが、互換性はない全くの別物である。
Samsungが開発に関わっているUFSメモリの技術を応用したメモリーカードで、独自のIFコントローラーとSamsung自社製のV-NANDを搭載し、読み出し速度500MB/s・40000IOPsとMicroSDを大幅に上回る転送速度を実現しているのが最大の特徴である。(MicroSDは現在もっとも普及しているUHS-1で104MB/s・4000IOPs、現行最速のUHS-2でも312MB/s程度。)
互換性を維持するため転送速度が上がる度に消費電力が増えていたSDカードと違い、UFSカードは転送方式を根本から変えているため、より少ない電圧・電力で動かすことができるようになっている。(UFSカードは0.2~0.4V・1.62W。SDカードは1.8~3.3V・2.88W)《参照:公式サイトのPDF資料》
この為転送速度向上の恩恵を受けつつバッテリー寿命の向上が期待できるメモリーカードになっている。
UFS自体はeMMCの後継として現在のスマートフォン等に広く採用されている高速なフラッシュメモリの規格である。このためモバイル機器を中心に容易に対応が可能だとされている。
ナノメモリーカード
Huaweiが開発したMicroSDに代わる小型メモリーカード。
スマートフォンのNanoSIMと同じ大きさで、MicroSDより小さいサイズになっているが容量、転送速度共にMicroSDと据え置きの性能を実現している。
使用時はスマートフォンのnanoSIMスロットに装着する。
対応端末は現地点ではHuaweiの「Mate20」シリーズのみとなっている。