概要
「祭囃し編」の主人公。入江診療所に勤務する看護婦。
容姿
ヘアースタイルは金髪のストレートロングヘアー。
診療所ではナース服を(自分の趣味で)着用している。
人物・性格
普段は知的で物腰柔らかいが、時に他人を見下したような態度をとり、ヒステリックな面ものぞかせる。
筋金入りのオカルトマニア。雛見沢の暗黒史を資料としてスクラップ帳に保存している。雛見沢の謎に対してさまざまな説を立て、村の子供に聞かせていたようだ。自分の趣味的欲求が満たされるのなら、金に糸目をつけない。
野鳥観察、ぬいぐるみ集めなど至って普通の趣味も持つ。
富竹ジロウと仲がいいことが知られており、富竹と一緒にいる時は、二人してカメラを持ち歩き、村の中をあちこち歩き回って撮影しているという。
医師免許を持っている。
過去
三四の過去は悲惨であり、幼少時に両親が事故(原作と漫画版では鉄道事故ということになっているが、アニメ版ではバスの運転手が突然の発作を起こしたことによる交通事故に変更されている)に遭い死亡。
その後、施設職員らによる監視や虐待が横行する劣悪な環境の施設に送られてしまう。
隙を見て施設を脱走した際、父の恩師・高野一二三の連絡先を思い出し助けを求めた美代子は、一度は職員に見つかり連れ戻されたものの、助けを聞き施設を探しあてた一二三に引き取られ、同居することになる。
そして、自らを救ってくれた彼を、今度は自分が救えるように、その先を行くという意味合いを込めて自分の名前を「三四」と改名する。(この時点ではまだ「高野三四」だったが、後に名字も「鷹野」に改名する。その理由は、高野姓を名乗ることで一二三の身内だと分かると「私情で研究を行っている」という印象を持たれ、研究費のスポンサーを得られなくなる可能性があったため。)
一二三の遺産である研究を受け継いだ鷹野は勉学に勤しみ日本最高の大学を首席で卒業、「東京」と小泉という、政界に重きをなすスポンサーを得て、山狗(やまいぬ)という強力な工作部隊を擁する入江機関の最高権力者となった。
「三佐」の階級と山狗の地域に浸透した諜報網、そして必要とあれば県警から日本政府に至るまでを動かすことができる絶大な権力を手中に収めた。この「三佐」という階級はかつて、祖父である一二三に与えられていた階級(少佐)に相当するものであった。
正式な軍人ではないため、軍事訓練は受けていない。拳銃は扱えるが、小隊指揮に関しては全くの素人。
その後、鷹野は後ろ盾であった小泉の死により研究が三年後に打ち切られるという事態に直面し一度は打ちひしがれるものの、野村と名乗る女性によって終末作戦による雛見沢滅亡という事実で祖父の論文を世界に刻むという道を示され、終末作戦の実行へ邁進することとなる。
しかし実際は、一二三の無念を晴らすための研究が雛見沢の破滅的結末に及ぶ恐怖という弱味を野村に付け込まれただけに過ぎなかった。終末作戦による責任追及によって「東京」から旧小泉派などの勢力を一掃するべく利用されていただけであり、作戦が実行されれば野村の属する派閥によって口封じのため、暗殺されるのは間違いなかったはずである(実際、下記のように目明し編BAD ENDで作戦は実行されていないものの暗殺されている)。
ネタバレ
雛見沢大災害の実行者。梨花の母親を残酷に殺害した後、自殺を装い処理するなど、目的のためならば手段を選ばない。(皆殺し編では、自分達の障害となる梨花と仲間である圭一をはじめとした子供達を自らの手で殺害している。)
命の恩人で祖父と慕った研究者・高野一二三(たかのひふみ)の研究課題、「雛見沢症候群」と「寄生虫」を受け継ぎ、後世まで研究が語り継がれる「神」になることで永遠の存在になろうとする狂気に取り付かれている。
症候群の研究を成功させたいという願いと同時に、それに苦しむ人々も救いたいと願っていた一二三の研究は、歪んだ形で三四に引き継がれていたのである。彼と彼女の不幸な運命によって…
羽入によると、強い意志を持つ者は運命を自らの願いによって変える力があるらしく、自分を救ってくれた一二三のため、研究を否定され救われることなく鬼籍に入ってしまった彼の無念を晴らそうとする鷹野の執念は凄まじく『皆殺し編までで舞台に上がった全員の力を合わせても彼女には及ばない』という程の物。
雛見沢大災害を完全成功させた「皆殺し編」エンドでの正気の沙汰とは思えない言動や、祭囃し編で末期症状を起こしている。
鷹野自身、このような心労や野村に唆された事からこの時既に「雛見沢症候群」を発症しており、悪化させその結果が「オヤシロさま=神となって祟りを下す」という妄執に取り憑かれて本来の目的を暴走させていったとも取れる。
富竹同様に5年目の被害者として焼死体が発見されるが、それは「山狗」によって用意された別人の死体。アクシデントにより遺体の死亡推定時刻が綿流し祭の前の時刻になっている。
医学知識を持つ鷹野はその死体を使うことで生じる矛盾を知っていたが、死人が堂々と綿流しに参加しているのも面白いと、あえてその死体を使うよう「山狗」に指示。そのため、死んでいたはずの鷹野が祭に参加していたという矛盾が生じ、部活メンバーなどが戸惑うこととなる。
彼女の収集していたスクラップ帳は後の世界にも残り、オヤシロ様の祟りの唯一の手がかりとして保管、祭囃し編では皮肉にもその事を覚えていない部活メンバーや、彼等に協力した大石蔵人から逆に「梨花が48時間前に既に死亡している」というブラフをかけられている。
正確に言えば鷹野は連続怪死事件の犯人ではない。
ほとんどの場合、事件は鷹野の意志とは無関係に生じており、彼女はたまたま起こった事件を入江機関における雛見沢症候群の研究にうまく利用していただけに過ぎない。原作者の竜騎士07の要約を借りれば、この物語における惨劇を生み出す最大の敵は個人の意志ではなく、雛見沢村に住む人々の思い違いや疑心暗鬼を生む村の閉鎖的環境である。
鷹野はシンボルとしての目に見える本遍の黒幕であり、彼女との戦いはエンターテインメントに過ぎず、本当の戦いは思い違いと疑心暗鬼という環境自体を打破することであるとまで言い放っている。とはいえ、偶然から二年続いた怪死事件について園崎家が自らが黒幕であると示唆したことや、古手・園崎の両家の対立を利用し、鷹野が初めて意図的な殺人事件として三年目の事件を起こしたことは確かであり、再び生じた翌年の怪死事件を経て、鷹野が最終的に終末作戦を発動させ、雛見沢村を壊滅させる存在であることは間違いない。
デイブレイクのエンディングでは一同の目の前で世界滅亡プランの話をするが、この後の富竹の行動で、終末作戦は何もせず回避できてしまう。
「祭囃し編」においては、終末作戦実行に失敗し、味方に殺害されかけた末に皮肉にも彼女自身が雛見沢症候群の末期症状を起こしていたが、鷹野の前に富竹が現れ、彼女を保護する。
そして梨花が「本当に僕たちが望む世界には敗者などいらない」と、鷹野に復讐する代わりにその罪すらも許す宣言を行うことで、ついに惨劇と殺し合いから解き放たれた世界としての「祭囃し編」が完成することになる。