インドは世界一の映画大国とされ、特に映画の製作本数および観客数は世界でもっとも多いという統計が存在する。
一方、多民族・多文化・多言語という特徴が存在するため、特に娯楽映画においては言葉がわからなくとも万人が大差なく楽しめるような工夫がなされており、それがインドの映画のイメージとなっている点が存在している。
概要
インドの特色により、万人が大差なく楽しめるよう、アクション・ラブストーリー・コメディ・音楽・ダンスなど、娯楽のあらゆる要素を混ぜ込んでいることが多く、これらは《マサラムービー》( 混ぜもの映画 )と呼ばれている。また、3時間程度と尺が長いわりにストーリーがわかりやすい、という特徴もある。
また州により言語が異なるため、同じ原作で言語や役者の異なる映画が作成されたりする状況も見られる。
ただし、このような仕立ての娯楽映画がインドではメジャーというだけで、ドキュメンタリーや文芸作品など、別種の映画も作られている。
日本での状況
日本では、巨匠とされるサタジット・レイ (1921-1992,広告や映画の仕事を経て自ら映画を撮り始め、ベンガル文学を映画化した最初の作品『大地のうた』で好評を得る、また小説や広告関連でも有名である) による文芸映画の評価が高かった。
ところが1995年に『ムトゥ 踊るマハラジャ』がヒットしてから、そのフォーマットが《インド映画》であるという印象が強くなった。また、インターネット動画サイトでは、本来の鑑賞の他にMAD素材としても人気がある。
特に知られているのが劇中で場面が突然切り替わり、原色の豪華な衣装、多数のバックダンサーによるミュージカルシーンが挿入されるというものである。
インド映画=マサラムービーという認識は相変わらず強いが、近年では、文系要素が(濃淡はあれ)含まれる作品も広く話題となるようになってきた。『マダム・イン・ニューヨーク』『めぐり逢わせのお弁当』などが代表である。
ボリウッド
ボンベイ( 現・ムンバイ )+ハリウッドで、ボリウッド。インド最大の経済都市であるムンバイで製作されるヒンディー語映画の俗称である。
ただしインドの場合、ヒンディー語以外の地域においては他の言語圏、例えば南部のタミル語やカンナダ語、南東部のテルグ語地域などにも映画産業は存在するため、インド映画=ボリウッドというわけではない。例えば日本でヒットした『ムトゥ 踊るマハラジャ』はタミル語映画である。
男性俳優
主にボリウッドで活躍
主に南部で活躍
女性俳優
主にボリウッドで活躍
主に南部で活躍
作品
ボリウッド
- きっと、うまくいく
- 恋する輪廻オーム・シャンティ・オーム
- タイガー伝説のスパイ
- 命ある限り
- 闇の帝王DON ベルリン強奪作戦
- チェイス
- ミルカ
- バルフィ!人生に唄えば
- スルターン
- パッドマン 5億人の女性を救った男
- バジュランギおじさんと、小さな迷子
- パドマーワト
南部(テルグ語・タミル語・マラヤラム語など)
文芸作品・海外合同製作など
その他
関連タグ
白倉伸一郎……インド映画の大ファンであり、作品の音楽にもインド映画の要素を反映するほど。