JAS-39とは、サーブJAS-39グリペン戦闘機に関するイラストに付与されるタグである。
スウェーデンのSAAB社(サーブ社)が設計・製造した小型マルチロール機である。
高速道路から離陸できるのが特徴。
ちなみにグリペンとは、伝説の怪物グリフォンのスウェーデン語読みである。
スウェーデン専用戦闘機
先輩に当たるビゲンやドラケンもそうだが、このJAS-39は『同じ時間ならより多く出撃できる』ように設計されている。
これはスウェーデンが「地続き」な上に国土が狭く、侵略を受けた場合は即本土決戦となるからである。
(日本の「専守防衛」にも共通する課題である)
そのときに飛行場のような施設では、目標になり易いのである。
そういった事情が『分散配備』というアイデアを生んだ。
有事の際は高速道路にも分散し、ゲリラ的な活動で敵を足止めするのである。
そのためには大きく重い、大型戦闘機では不便なのだ。
戦闘機を小型に設計し、基地以外でも運用できる使い勝手を重視したのである。
そのために航続距離や搭載量は少なくなるが、そこは同じ時間でも出撃回数を多くこなせる事で、攻撃力を稼ぐようにしている。整備も簡単なように設計され、短期の徴募兵でも整備できる。(なお、パイロットは職業軍人である)
高速道路の短い直線区間でも離着陸できるよう、離着陸距離は短くなるように設計されている。
離着陸距離は700mと、ビゲンに比べると長くなっている。しかし、機体重量が軽いので道路を補強しておく必要がなくなり、使える場所は逆に増えている。また、高速道路に分散配備される場合はトンネルを格納庫代わりにするという。
住宅地のトンネルに偽装できるよう、滑車で移動できる偽装家屋なども用意されているといわれている。
今回はハンガリー・チェコ・タイ・南アフリカ・イギリス・ブラジルでの採用を勝ち取っている。
多くは主力戦闘機として採用されているが、イギリスではテストパイロット学校での練習機として、それも使用する機体はスウェーデンのもので機体の購入はしていないというかなり変わった形の運用がなされている。
領土問題で紛争を抱えており、たびたび禁輸措置を受ける南アフリカでも採用となった。
(こちらは『どこも売ってくれなかった』というのが正確だが)
また、スイスも導入を決定した……ものの、導入資金を調達するための国債発行が国民投票で否決されてしまい、先行きが怪しくなってしまっている。
小型でランニングコストや価格が安く、整備性にも優れているのが「売り」である。アメリカやロシアがこうした「売り」を持つ新型機を開発していないのも追い風となっている。
良好なSTOL性能も大きな魅力といえるだろう。
各型
JAS39A
最初の単座型。
JAS39B
同複座型。機銃を取り外している。
JAS39C
単座型。GPS端末を装備するなど、A型の電子装置を近代化している。
2002年2月にスウェーデンは中立政策放棄を行っており、テロ対策やヨーロッパでの戦争に対して積極的な役割を果たす、という新ドクトリンを打ち出している。
これに伴い、国外運用・NATO軍との連携を考慮し、プローブアンドドローグ方式の空中給油装置を追加装備している。
JAS39D
複座型。B型にC型相当の改良を施したもの。
グリペンDemo
後述するJAS39E/Fの先行試験機。
複座型をベースに開発され、2008年4月23日にロールアウト、同5月27日に初飛行した。
既存のグリペンC/D型からは
エンジンをRM12(F404改)⇒F414G(F/A-18E/Fと同系)に換装し、
レーダーもPS-05/A⇒フランスのタレス社と共同開発された新型のASEAレーダー(フェーズドアレイレーダー)に換装。
さらに主脚を再設計し、
格納位置を胴体部分から主翼付け根に移動させる事で、機体設計を流用したまま40%の燃料搭載量の大幅な増加を図っている。これに従い、胴体下のハードポイントも1個⇒2個に増加した。
JAS39E/F
C/D型にさらなる近代化を施したもの。開発中はグリペンNG(Next Generation)の名で呼ばれていた。
今後の輸出モデルに関しては
・エンジンをF414G(F/A-18E/Fと同系)への換装、
・AN/APG-80等のAESAレーダー(フェーズドアレイレーダー)の搭載、
・コンピュータやアビオニクスの改良、衛星通信能力・改良型データリンク、改良型電子戦機器
などの導入が検討されている。
JAS39E グリペンNG(2017年6月15日初飛行)
また、JAS39DをUCAV(無人攻撃機)化する計画が現在スウェーデン空軍で行なわれている。
(*Wikiより)
その他
一部での通称が「エロゲ戦闘機」
これはPCアダルトゲーム『群青の空を越えて』で主役機をつとめたからである。
これにより、軍事オタク以外のオタクの間で知名度が上がったせいもあり、当時軍事オタク界隈を賑わせていた航空自衛隊の次期主力戦闘機F-Xの話題が出ると、そちらから流入した人から必ずといって良いほど名前が挙がっていた。
特にSTOL性や一般舗装道路からの発着などの取り回しのよさを引き合いに出す人が多く
(件のゲーム中でも描写されている)次に多彩な武装が可能といった部分から、マルチロール機としても優れたポテンシャルを持っているからという理由で主張している。
ただし、スウェーデンの国防事情に特化した性能を持っている為、航続距離に関しては国土の領空をカバー出来る程度にしか求められていない(さらに飛んでいった先の近場にも大抵着陸場所があるので往復分の距離を考慮しなくてもどうにかなる)事からそれ程長くなく、『周囲を広大な海で囲まれている群島の国』という事情により国土以上に広大なシーレーン(や領海)をカバーする必要から長大な航続距離が要求される日本の迎撃戦闘機(飛んでいった先が海の上である事が多い為、どうしても着陸出来る設備がある陸地に戻るまでの距離を考慮せざるを得ない)には不向きであり、軍事オタク側からまず間違いなく論外扱いされる戦闘機である。
そもそも、最終的にF-35がその座を勝ち取った第4次F-X計画においては、候補に名前が挙がってすらいない。
そういう訳なので、F-Xの話題でグリペンの名を出すと一方的に『エロゲ乙』や『それなんてエロゲ?』と返されることもしばしば。スレッドが荒れる原因にもなりかねないので、グリペンを話題に出すときは『エロゲとは関係なく』といった前置きが必要になることがあった。
断りを入れておけば、軍事オタク側は別にグリペンを嫌っているわけではない。むしろ好きだという人のほうが多く、当初ゲームが出たときは好意的な意見もあったのだが、上記のような日本独自の運用を理解せずにF-X関連のコミュニティやスレッドに入ってきてはとにかくグリペン押しをする連中が増えたことによる拒否反応がでたのである。
現在ではほぼ落ち着いているものの、現在でもたまにネタとしてエロゲ戦闘機と呼ばれたりするなど一定の影響は残っている。
また発端となったゲーム中でのグリペンの運用も、日本が関東と関西で分断して内戦中という設定であり銃を向ける相手が国内にいるため、航続距離等の心配がなく運用形態としては適切なものとなっているほか、F-15やF-4など日本に従来から存在する戦闘機も登場する。
*日本の高速道路はカーブが多く、離着陸には不向きである(というよりはむしろ敵対国側に利用させない意図も含めて航空機の離着陸に使えないように中央分離帯を設置するなどの対策を施している。また、日本には地方空港が大量に存在するため、そもそも道路を予備滑走路にする必要がない)。そもそも搭載量が少なく、国産の対艦ミサイルが搭載できない。(少なくとも大改造が必要)これは日本の戦闘機としては致命的である。
また、アニメが2019年1月放送開始予定のライトノベル「ガーリー・エアフォース」においても主役機として登場・・・なのだが・・・
ヒロインであるグリペンが戦闘機であるグリペン(こちらに登場するグリペンはJAS-39Dだが)のパイロットである(正確にはJAS-39Dの自動操縦装置扱いで、いわば人型兵器であるが。これはグリペンに限ったことではない)→グリペン(ガーリー・エアフォース)
なお、こちらは正体不明の未確認飛行物体を迎撃する物語である。