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終末の貞子さんの編集履歴

2019-07-28 00:49:36 バージョン

終末の貞子さん

しゅうまつのさだこさん

終末世界にあの日本人が現れたら……。「公式公認」のスピンオフ作品。

生き残っている人間を全員呪いたい――


概要

漫画・夏見こま。監修・鈴木光司

2019年1月よりTwitterに投稿され話題となり、月刊コミックジーンにて連載。MFコミックスジーンシリーズとして単行本が書籍化されている。


貞子が幼女と旅する、終末ヒューマンストーリー。彼女達が楽しく過ごした"いっしゅうかん"の"きろく"を描く。


ストーリー

文明が滅んでしまった世界――


廃墟街の少女アイが妹と遺物のびでおを再生していると、そこから貞子ことサダちゃんが現れた!

1週間で消えてしまうというサダちゃん。"他の人はいないの?"と聞く彼女に、 アイは他の人を探してみようと提案する。 しかしアイは知らなかった…。


サダちゃんが 『まだ人が生き残っているのなら、全員呪いたい』と思っているということに…。


登場人物

サダちゃん

終末世界にある遺物のびでおから現れた人間(と思われている)。スピーカーが壊れているため声が出せない(わけではない?)。タブレット文字を念写して会話する。

骨ばっている長い手足(素足でどの指先も黒く変色している)に何かで薄汚れたワンピースを着ている。猫背で長い黒髪で顔が隠れている。ぎょっと近寄りがたい外見だが、コミュニケーション力が高く積極的に人と関わろうとする柔軟性からか出会う人達から怖がられる様子はない(終末のご時世からボサボサな身なりも仕方ないと思われているのだろうか?)。

力を込めて電化製品を動かしたり瞬間移動自分の髪を自在に動かせるなどができ、周囲の人から魔法や魔法使いと言われている(まほう?)。


アイちゃん

廃墟街の少女。ボリュームのある髪を後ろでまとめてリボンで結び、頭にゴーグルを付けている。グローブスカーフを身につけ、探索しやすそうな服を着ている。

機械の修理など手先が器用である模様。親の代わりに妹の面倒をみるしっかり者のお姉ちゃん。

ひらがなは読めるが漢字やまだ分からない言葉がある。


ひーちゃん

アイちゃんの幼い。ワンピースを着てセミロングの髪をポニーテイルにしている。

好奇心旺盛で遊び盛りな女の子。


ヤマネさん

オネェ口調の美容師たれ目で左目に泣きぼくろがある。

髪フェチ


おばあさん

一軒家に一人で暮らすおばあちゃん。

近くの街に娘が暮らしている。


井戸のお姉さん

サダちゃんを見て「呪い(仲間)」というが…。


関連サイト(外部リンク)


関連タグ

終末 貞子 リング(鈴木光司)


「呪い(仲間)」の例

亡霊 怨霊 禍神 日本三大怨霊


いっしゅうかんのこと

※〖〗はサダちゃんがタブレットに文字を表示する画面とする。


1日目

古い井戸が映る画面。その中から髪の長い人間が這い出てくるとー


オォオオ"オ"オ"オ"とブラウン管テレビの画面から出てくる貞子。そして目の前にいた幼い姉妹を“あの眼”で見つめるが…



すごーい!



そこは剝き出しの根がはる木々が生い茂る都市の廃墟街。その終末の景色にある吹き抜けの一室で、幼い姉妹と貞子が向かい合わせに座る3人の姿があった。



「びでお」はじめて見た!

それどころか動いてる人間久しぶりに見た

わっ触れる 3Dってこういうこと?

昔の技術力ってやっぱ凄まじいなあー!

直ってよかった!



貞子へ矢継ぎ早にはやし立て、キラキラした表情で彼女を見る幼い姉妹。



あなた名前は?



まさか話しかけられるとは思っていなかったのか、しどろもどろになる貞子だが…



あ!スピーカーまだ直してないんだった だから声が出ないのかー!



そういうわけでは……ないのかもしれないが、貞子は足元にあったタブレットを拾って力を込める。すると画面に文字を表示させ会話を試みた。姉が文字を読めたお陰で話しが通じ、お互いの自己紹介を済ませた。姉・アイちゃんと妹・ひーちゃんに〖他の人はいないの?〗と聞く貞子ことサダちゃん



アイちゃん「え?他のひと? いないよ~ 二人だけだよ」



その後はサダちゃんのびでおが〖いしゅうかん〗しか見れないことや近くの様子を話したり、なんやかんやで姉妹と一日中遊んだりして過ごすことになったサダちゃん。

夜になると大きいベットで川の字に寝る三人。ひーちゃんを寝かしつけたアイちゃんは「ねぇサダちゃん 明日から人間探してみよっか」とまだ起きていた彼女に提案をする。

それに頭を振って賛成するサダちゃんだったが……。



2日目

「びでお」を見た姉妹と他の人間を探すことになったサダちゃん。

荒れ果てた道路を進む道中、風で飛んできたタオルがアイちゃんの顔面に張り付いた。



やだ~~飛んでちゃった!



オネエ口調の男が出てきて右手にハサミを持っている。それに気づいたサダちゃんは姉妹の前に出て、髪の毛を伸ばし男の首を絞めあげるが…



き…キューティクルが…死んでる!!



まさかのリアクション。



アナタお店にいらっしゃい アタシがその髪蘇らせてあげる



彼は美容師のヤマネさん。人の美しさを引き出す魔法使いよ♡とヤマネさんのお店へ招かれた一行。まずは姉妹の髪をかわいく仕立てあげた。そのきらびやかな空気から"そー"と抜け出そうとするサダちゃんだったがヤマネさんに捕まってしまった…。



ヤマネさん「さて 前髪切っていい?」

サダちゃん〖だめ〗



毛先を整えるまでという事でヘアカットが始まったが、途中停電になりドライヤーを使えなくなってしまった。仕事が中断し落ち込むヤマネさん。そこに"ふんっ"と力を込めてドライヤーから温風を出すサダちゃん。これにやる気を取り戻したヤマネさんは瞬く間にツヤツヤな黒髪ロングなサダちゃんへ変身させた。


その後はティータイム。姉妹はサダちゃんが「びでお」から出てきた事やこれからの旅について語らう乙女たちのやすらぎな時間が過ぎた。


そして別れの時。近くの街の地図をヤマネさんからもらう一行。お互いの出会いにお礼をかけ合うが…。




3日目

だぁれも出会うことのなかった一行。

因みにこの旅は荷物とひーちゃんを載せたリヤカーをアイちゃんが引いて歩く旅路。その後ろをサダちゃんがついて歩く構図になっている。




4日目

誰もいないね


ヤマネさんに教えてもらった街は廃屋になっていて、瓦礫が散乱する部屋を探索するアイちゃんたち一行。


ひーちゃん「かおのかみ!」

アイちゃん「お母さんと子どもの写真かな? ここに住んでいた人かもね」


ひーちゃんが若い女性と少女が並んで映る写真が納められた写真立てを見つけた。



ひーちゃん「サダちゃんおくつは?」

アイちゃん「確かに素足は危ない…!」

サダちゃん〖いらないよー〗


ここでサダちゃんが素足なのに気づく。その部屋にあった靴を借りていく事にして外に出ると、どこからかいい匂いが風に運ばれてきた。匂いを辿ると一軒家が見えてきた。窓から中を覗くとおばあさんが鍋を手に料理を作っている。家の中の彼女が気づき、アイちゃんたちはご馳走を頂いた。


夜になりアイちゃんとひーちゃんが寝静まって、サダちゃんはおばあさんがまだ起きていることに気づく。サダちゃんはおばあさんの話を聞くと、彼女が若い頃は女優だった事や今まで娘のことを思って暮らしていたことを語ってくれた。


何話してるのぉ


アイちゃんが起き出してサダちゃんは先ほどの事を伝える。


サダちゃん〖おばあさんおしばいするひと〗

アイちゃん「おしばい?何それ?」

サダちゃん〖ものがたりのひとになりきる〗


そんな夢のような人がいる事に感激するアイちゃん。その様子に何か懐かしむような顔をみせるおばあさん。そこでおばあさんは「ヘンゼルとグレーテル」をやろうとアイちゃんを誘った。


サダちゃん〖そとでやろう〗


外に出るとサダちゃんがプロジェクターに力を込めておかしな家を映し出した!


アイちゃん「うわぁ!綺麗……!」

おばあさん「お菓子の家だねぇ」

サダちゃん〖プロジェクションマッピング〗


ひーちゃんも起き出して4人で「ヘンゼルとグレーテル」のおしばいをして、楽しい一夜を過ごした…。



5日目

こんなにいいの(嬉)


翌日。旅支度をするアイちゃんたちに袋いっぱいの食べ物を持たせるおばあさん。それはヘンゼルとグレーテルが魔女の家から持って帰る宝石のように、アイちゃんたちにとってのお宝だった。



おばあさん「昔 物々交換した蜂蜜もね今じゃ綺麗な石よりお宝だよ」

アイちゃん「ありがとう はちみつ?」

おばあさん「はちが集めた花の蜜だよ」

アイちゃん「すごーい!」



おばあさん「ああそうだ あなたに渡さないと」

サダちゃん "?"


そう言ながら家の中へ手招きするおばあさん。そしてサダちゃんは一人でおばあさんについていった。



サダちゃん〖いらない〗(汗)

おばあさん「見てる方が痛々しいよー」


おしばいでも履いていけて丈夫そうな靴をもらったサダちゃん。それはおばあさんが昨夜の舞台に付き合ってくれて「ありがとう」の言葉と気持ちを添えられた物だった。


そしてアイちゃんたちは出発する。それを家の窓辺のイスに座って窓越しに見送るおばあさん。楽しい思い出ももらった一軒家を背に次の場所へ向けて一行は歩きだした…。



6日目

誰もいないねぇ



リヤカーの修理をするアイちゃんたち。修理をしながら、サダちゃんといれるのがあと1日であることや彼女のお家である井戸が近くにある事を話していると…



ひーちゃん「アイちゃん サダちゃんあった!」

アイちゃん「本当だ サダちゃんが出てきたものに似てるねぇ!」



いつの間にか忽然といなくなっていたひーちゃん。声をあげる彼女を探すと、蓋をされた古い井戸のそばにいる所を見つけた。



サダちゃん〖わたしの じゃない〗

アイちゃん「じゃあ別の人が住んでるのかも?」



蓋を開けて中を覗いてみると中は真っ暗。その時バランスを崩したひーちゃんが中に落ちてしまった!……がぽーんとくるっと一回転して戻ってきた!?



びっくりしたー!

急に蓋が開くものだから びっくりして投げ返しちゃいました…




ひょこっと井戸の中から顔を出してきたのは若い女性。この井戸は彼女のおうち……ではなくただの水を汲む穴……。




井戸姉さん「こんなところにいる人間は身を投げたか 投げられたかですよ」




と言って井戸の中から出てきたお姉さんの姿は着物を着て上半身に縄が巻かれていた。体は濡れていて、彼女の周りに火の玉が浮き足元が着物も透けていた……。


井戸姉さん「どちらにせよ死んでる



え…?



アイちゃん「透けてる…」

ひーちゃん「きれい…」

井戸姉さん「えっ」(驚)


Q 死ぬと透けるの?(アイちゃん)

A ど…どうでしょうか…(井戸姉さん)


井戸のお姉さんは、ちらっとサダちゃんを見ると「あなたは透けてない」と奇妙なことを言った。アイちゃんは真顔でサダちゃんは死んだ人間ではなく「びでお」から出てきた人間であると説明しようとする。




びでお…そういう「呪い(仲間)」を聞いたことがあります…


…「呪い(私たち)」は思いの強さと生きてる人の想像からできているので あらゆる形で存在しているんですよ




だがアイちゃんたちには自分の話が通じなかったことようで、気を取り直して「皿屋敷の怪談」を知ってるか話をふるが…



アイちゃん "?"

ひーちゃん "?"

サダちゃん〖大先輩〗



井戸のお姉さんは大事なお皿を割ってしまい、どうしようもなくって井戸に身を投げたという。それからは一枚足りないお皿を手に恨めしい方々を呪って……およよっと涙を流しながらに語り……



アイちゃん「お皿あるよ」

井戸姉さん「え?」



アイちゃんとひーちゃんは荷物を積んだリヤカーまで戻り、ウサギと人参の絵がついたお皿を一枚持ってきた。



アイちゃん「はい! 私たちの貸してあげる 代わりになるかなぁ?」

井戸姉さん「あら嬉しや」



その可愛らしいお皿を両手(右手の中指が半分切れている)で受け取る井戸のお姉さん。両眼を細め長年ため込んだものが零れ落ちるように涙が流れる。


突然"ひょうぅぅ"っと風が吹き、目をつむってしまうアイちゃんたち。




世界に最後の優しいおふたりに ひとつお節介を

その女性と一緒にいるとね


死にますよ




それはアイちゃんに言い聞かせるように顔を近づけて語られた。突然のことで目を見開くアイちゃん。だが目の前には井戸のお姉さんの姿は消えていた…


夜。ほら穴の中で川の字に眠るアイちゃんたち。だが考え事で寝付けない様子のアイちゃん。



アイちゃん「サダちゃん 本当に明日お別れなのかな」



ひーちゃんの寝顔を見つめながら話しかけるアイちゃん。自分との別れを惜しむ思いが語られる背中を見つめるサダちゃん。そして明日はサダちゃんのおうちに行こうと、楽しみにしている言葉を最後に一夜が過ぎた…。


7日目

サダちゃんの 井戸に着いた!


アイちゃんは期待に満ちたような目で、ポツンと蓋がされたサダちゃんのお家を見つめる。近づくと何か書いてある板が立てかけてあった。





「…この井戸までたどり着いたがー

…戸を埋めよう…

…封じようと…

…呪いは終わら…

…人間が一人残らず…

…終える時、…が…

…呪いも消えるだろう…

………………」



文字がかすれて読みづらい文章。さらに漢字が読めないアイちゃんが眉を寄せて、何が書いてあるのか分からずにいるとサダちゃんが〖いど うめちゃったって〗とかんたんに説明した。それに納得したアイちゃんは気を取り直して元気にー



アイちゃん「よし!ここを旅のゴールとするっ」



そう言って空が暗くなるまで遊んだ3人。


そして最後の夜。木々に囲まれた平地で野宿をするアイちゃんたち。近くでは闇夜を照らす焚き火がパチパチと揺らめいていた。



ひーちゃん「アイちゃん サダちゃん おやすみ…」

アイちゃん「おやすみ ひーちゃん」



すぐねちゃったひーちゃんにサダちゃんは、毛布を"ふよふよ"と浮かして、ふわ…っと優しく被せてあげた。妹の寝顔を愛おしそうに見つめるアイちゃん。そしてサダちゃんの方に向かって「すこし歩かない?」と一緒に出かける2人。


サダちゃんは右手を振ると焚き火が消える。その間もひーちゃんは消えいりそうな寝息をたてていた…。




































夜風が吹く中、草地を歩くアイちゃんとサダちゃん。少女は妹とふたりだけになった日の事やこれまでの事を話しながらサダちゃんの前を歩く。そして後ろを振り返ってこの1週間を一緒に楽しく過ごした彼女と向かい合う。




私 サダちゃんがこわい子でも大丈夫だよ



アイちゃんはなんとなく知っていた。今朝の井戸にあった文章からサダちゃんのつらかったことが伝わっていた。「びでお」もハッピーエンドじゃないかもってわかっていながらも、この1週間とっても楽しかった事を伝えた。



 私のしたいことサダちゃんが叶えてくれたから

      サダちゃんのやりたいこと 私が叶えるよ



それはアイちゃんの大事なものに向ける愛に満ちたような想いが対面する人間に向けられていた。



〖この いっしゅうかんのこと〗

  〖きろくする〗

    〖そのなかでずっといっしょ〗



アイちゃん「そんなことできるの?」

サダちゃん〖がんばる〗



自分の気持ちに応えてくれた事に涙を流して、やっぱりサダちゃんはすごいと、この世界にいるひとりの少女は答えた。



サダちゃん だいす き



そうして夜の闇が幕を降ろすように広がっていった…。

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