概要
人や自転車( 場合によっては馬や牛、オートバイ等でも牽引可能 )が引っ張って進む。
構造
構造としてはフレーム等が金属製であり、箱形の荷台を持ち、左右輪が独立していて長い車軸がないことが特徴。
この構造のため、車輪中心より低い位置に荷台床を配置でき、重心が低くなって安定すると共に、旋回性が良く機動性に優れている。
また振動面で不利であった鉄巻き木製車輪を空気入りのゴムタイヤに変更したり、製造や保守整備に時間のかかる木製の車輪を金属でできたスポークに変更するといった近代技術を自転車やサイドカーから流用している。
その後の状況
それまで用いられていた大八車の「重い」「重心が高い」「2つの車輪が独立して回転できない」等の欠点を、自転車やサイドカーの技術を応用する事により解決し、従来の大八車の騒音や振動を大幅に減らした。
オート三輪や軽トラックが普及するまでは農作業や配送用としておなじみの存在であり、現代でもその手軽さや自動車以上に小回りが利く高い機動性から( 昔に比べると限定的ではあるが )しばしば使われ続けている。
人力以外に特に動力を必須とせず、免許も不要で操作も維持もし易い簡便さから、現在でも大都市では宅配用として自転車牽引のこの車両をよく見かけるほか、学校での各種作業に用いられたり、災害対策用の備えに用いられる。
自衛隊では弾薬や食糧などの補給物資から酔い潰れた同僚までなんでも運べる燃料不要の有力な短距離輸送手段として活躍している。中には迫撃砲運搬専用車なんてものも。
消防でも火災現場で迅速にホースを張り巡らせるためのホースカーが正式な装備品として運用されている。
外国においては自動車等が普及していない、あるいは高価、または整備が困難な発展途上国での物資運搬に使われるなど、この車両の出番は減少こそすれど絶滅することはまず無さそうである。
なお「リヤカー( リアカー )」は和製英語である( ちなみに英語では「Cart」で通じる )。
類似した荷車
大八車。全木製で、車軸の上に平らな荷台が載っている。走らすと振動が激しく、ガラガラと大きな音がする。
この荷車はリヤカーではない( 全木製かつ左右の車軸がつながった構造であるため )