概要
ファイアーエムブレムシリーズはそれまで無機質だった戦略シミュレーションゲームのユニットに名前や顔・性格などを用意して個性を持たせたことで知られるが、その「個性を持たせる」という部分が「キャラに対する愛」を生み、それがどんどん追求されていった。その結果が「ときめきエムブレム」である。
初代の時点で主人公と相思相愛であるヒロインの生死でエンディングの会話が異なっており、4作目聖戦の系譜ではプレイヤーがユニットの結婚相手を決定できるシステムが搭載され、ユニット同士が作中で結婚するようになった。
以後の作品は後日談程度だったのだが、13作目ファイアーエムブレム覚醒から再び作中で結婚するようになり、しまいにはプロポーズやキス顔のシーンまで入るようになった。マイユニットの攻略対象は自分の子供を除いたほぼすべての異性となる。種族や年齢差などおかまいなしに結婚できる。次作ファイアーエムブレムifに至っては主人公の部屋に仲間を呼んで顔を撫で回したり、寝ている配偶者をツンツンして起こしてあげたり、湯上がりの配偶者をフーフーして冷ましてあげるなどのような行為も可能になった。
このように、その辺の恋愛シミュレーションゲームに匹敵する、場合によっては上回るような内容になったため「ときめきエムブレム」と例えられる。
リメイクである15作目ファイアーエムブレムEchoesにはこのような要素はなかったが、16作目ファイアーエムブレム風花雪月では別方向に進化を始めた。覚醒とifは演出面での恋愛SLG化だったが、本作ではゲームシステム面での恋愛SLG化が起こった。乙女ゲーム・うたの☆プリンスさまっ♪のイラストレーターがキャラクターデザインに起用された他、会話の選択肢によって相手の反応が変わったり、プレゼントをあげたりお茶会に誘ったりするなどより恋愛シミュレーションらしくなり、しかも「平日は勉学に、休日は交流に励む学園もの」になったことで、一層名前の元ネタに近付いてしまった。一方でシステムが3以降のペルソナシリーズに似ているため、一部では「ペルソナエムブレム」と呼んでいる人もいる。