車名について注意:
本車種の公式の読み方は、シーアール・ズィーである。名前が似ているライバル車種のスバル・BRZはビー・アール・ゼットなので注意。
概要
2010年から発売されているホンダのハイブリッドカー。ショートテールな3ドアハッチバッククーペのデザインと社名は、かつての名車CR-Xを彷彿とさせる。
一応後部座席も搭載しており4人乗りであるが、デザイン重視の設計のため後席は大人の乗用には耐えない狭さである。ただしラゲッジスペースは広く、後席をたたむとちょっとしたワゴン並みの広さがある。
燃費が良く環境に優しいことを前提にしているハイブリッドカーであっても、運転する楽しさを感じられるスポーツ性能を重視した内容である。
外見はとてもスポーツカーらしいのだが、決して「痛快な走りが楽しめる、速いクルマ」ではない。「エコで運転が楽しい、お洒落グルマ」と思って乗るのが正解(開発者いわく「ライバルはミニクーパー」とのこと)。
高い環境性能と走りの楽しさを両立させた新世代スポーツモデルとして、第31回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど業界では高い評価を得たが、そのコンセプトが市場に理解されたとは言い難く、国内外ともに販売は低迷した。
初期モデルはエンジン出力やトルクがとても貧弱であったが、2012年のマイナーチェンジでエンジン出力が若干向上するとともにモーター出力が大幅に増強され加速感が改良された。
2016年6月に生産終了を発表、2017年1月に販売終了。
メカニズム
エンジンは2代目インサイト用のLDA型を改良したLEA型1.5L i-VTECエンジン、ハイブリッドシステムは2代目インサイト・2代目シビックハイブリッド・初代フィットハイブリッドと同世代のIMAシステムを装備。
IMAはエンジンとモーターが並行して動くパラレル型であり、通常の自動車と同じトランスミッションが必要となるが、本車種ではその点を逆手に取ってCVTのほかに6速MTも設定されている。
”運転する楽しさ”をテーマに制作されているため随所にホンダらしい遊び心が感じられるこだわりの車であり、CVTモデルにはパドルシフトを採用。MTモデルは、この手の車種には珍しく坂道発進補助装置が標準装備となっている。
ハイブリッドカーらしく運転モードの切り替えが可能であり、目的に応じてSPORTモード、NORMALモード、ECONモードを選択できる。
SPORTモードではモーターのアシストを最大限に発揮して排気量以上の加速が得られるが、お約束としてバッテリーが尽きるとアシストが切れ、性能が大幅にダウンしてしまう。
そのため各アフターパーツメーカーのプロモーション動画でもわざと短時間しか収録しない場合が多く、本格的なスポーツ走行に適した車とは言い難かった。