概要
日本の小説家・小松左京が1973年に刊行したSF小説。
小松氏は「日本人が国を失い流浪の民となったらどうなるか?」というテーマを掲げており、日本が沈没するというのはあくまで舞台設定に過ぎず、当初は地球物理学への興味を理由に小説を書き始めたわけではなかったが、書いていくうちに興味が湧いてきたという。
当時最先端科学であった「プレートテクトニクス」が駆使され、社会的に大きな反響を呼ぶこととなった。
2006年年のリメイクに際し、小松氏は谷甲州との共著という形で沈没後の日本人達を描いた後日談物語『日本沈没 第二部』を執筆。ちなみに第二部の構想自体は第一部を書き上げた当初から存在しており、単行本の最後には「第一部完」と書かれていた。
漫画化は'73年の映画化の際にはさいとう・たかをが、'06年の映画化の際には一色登希彦が行っている。
あらすじ
地球物理学者の田所博士は日本列島の地殻に異変が起こってると感じ、助手の小野寺とともに調査を進め、「近い将来日本列島が大規模な地殻変動で全て海底に沈没する」と結論付けた。当初は信じなかった政府も日本人の脱出計画を進めるが、異変が予想を上回る早さで進み、各地で地震や火山噴火が連発し、人々は必死に生き残ろうとする。
映画
1973年版では特撮技術の粋が集められ、有名なパニック映画の一つに数えられた。
2006年のリメイク版は豊富なCGと従来の特撮技術でリアルな描写で作られたが、結末では途中で国土の沈没が食い止められている。
パロディ
現在まで影響は残っており、様々な作品に「日本沈没」をもじった点が多い。筒井康隆は原作者公認の『日本以外全部沈没』を書いており、2006年に映画化された。
余談ではあるが日本が没落する様をを表現する言葉として使われることもある。