概要
『世の中は女性の地位が上であり、男性は下だ』とする思考、及びその考えに基づいた制度のこと。
元々、多くの文明国においては『男が上、女が下』という男尊女卑の思考があった。
それら思考は差別的な考えと言われ、法によって禁じられたが、男尊女卑社会を前提に男女平等を目指して男性が女性を下に置くことを禁じる方向で法整備が進むことが多く、逆に女性の優遇が過剰に行われることで「女尊男卑化」することも危惧されている。
日本でも一部でこのような意見を述べる男性達が増えている他、欧米ではかつて男尊女卑を意味していた『マニキュリズム』という言葉が、男性への風当たりが強くなるや否や、男性差別を禁止する思想を意味する言葉に変えられた経緯がある。
いわゆる『萌え系』のコンテンツでは、ストーリー展開の都合上、女性が優遇され男性が貶められる描写が多発する事もあるが、ヒロインの魅力を引き出すのが最優先なために男性の活躍が削られるという構造上の問題に過ぎない。
また、主人公がハーレム状態になる作品では男性≒主人公がコミュニティ内の圧倒的少数派であるために女性陣に押し負け、女性優位の環境になりがちである。
当の女性読者には、「男主人公視点の、女性のお色気要素が盛り込まれたハーレム作品だから男性優位では?」「男主人公が女性が惚れない情けないキャラだから男性優位では?」「男性に健気なイメージ、女性に我侭なイメージが付くから男性優位では?」「女性が主人公じゃないから男性優位では?」「人間関係が殺伐としてて女性が見てて面白くないのにどこが女性優位なのか」「女体を性的消費の対象にするのは女卑だろ」という意見を付けられることもある(女性の待遇はハーレム作品が女性優位、女性の精神面は逆ハーレム作品が女性優位という矛盾が起きやすい。女性受けするイケメンが多い作品で、イケメンと仲のいい女性キャラが嫉妬され、嫌がらせされる展開や、複数の女性のごく一部しかお姫様扱いされない展開も矛盾の一種と言える)。
これらの複雑な構造を多面的な視点から見て、性差別に斬り込んだ内容を独自に書き綴る作品も存在する。
また現実において女性=非力というイメージがあるためか、漫画等では(主に不良や力自慢の)男性を簡単に打ち負かす女性が登場することがよくある。これも行き過ぎれば女尊男卑になってしまう可能性が考えられる。
女性を下に置くのと同様、男性を下等な存在と見なすのも法的国家では差別であろう。
ただ、男性優位という考えは、その言葉において尊敬すべき対象を男性に限定しているものの、
同じく昔の考えである「か弱い女性を守る」という前提で成り立っていたりする。
しかし、男性を尊敬するという事は男性と比べて女性に対する尊敬具合が少ないと言う考えに移り変わっていくのに対して、女性は弱い立場であると言う考えは時代を超えてもなお根強く残っており、男性よりも優位に立たせようとする。女性と言う弱い者を虐げている様に目に見えてしまう、もしくはその様に仕組まれている為、批判を受けることが多く、女尊男卑は女性差別よりも難しい問題を孕んでいると言える。
女尊男卑を扱った作品の一例
ドラゴンクエストⅢ(SFC版以降)(防具の守備力、特殊効果、耐性的な意味。ただし、オリジナル版で女勇者が男の子として育てられていること、クラスの容姿差があることを男尊女卑とする声もある)
※作品によって女尊男卑の基準が違い、一般的な女尊男卑から外れている場合も多い。
関連タグ
男尊女卑※対義語
女尊男卑の弊害