囲碁とは
「囲碁」とは、2人で行うボードゲームの一種。交互に盤上に石を置いていき、自分の石で囲んだ陣地の広さ(石が何目置ける広さ)を争う。単に碁(ご)とも呼ばれる。
古来から伝わる盤上遊技の双璧として、しばしば将棋と並んで語られる。
囲碁用語が一般用語になったのも多数(布石、定石、駄目等)。
黒石を持っている者から打ち始める。置石(黒石を2~9子あらかじめ置く)の場合は上手(うわて)の白が先に打つのが一般的。
対等の勝負(お互いに先番でも可能なことから互先とよばれる)をする場合にはニギリ(年上が石を複数握り、年下が奇数か偶数か当てられたら年下が黒番)で黒番・白番を決める。また、先に打つ黒の方が有利なためコミと呼ばれるハンディが付く場合がある。コミとは架空の点数のようなもので、後から打つ白番の陣地の広さに多めに足される。コミを「6目半」に設定すると
先に打つ黒は7目以上多くの地がないと負けになる。「半」とは0.5目のことでこれにより引き分けがなくなる。
日本の盤上遊戯では実は難しい部類の遊戯と言われている。
コンピュータと囲碁
囲碁は世の中に存在するあらゆるボードゲームの中でも実現可能な全局面数が圧倒的に多く、力押しでの先読みは困難なため、かつて(1990年代)は「21世紀中盤まではプロに勝てるコンピュータソフトは現れないだろう」とすら言われていた。囲碁は将棋と違って同じ石でも、石の繋がり・地の大きさで石の強さが変わってくるため、評価関数をつくるのが難しい。置かれた石の周辺に発生する影響力を関数として扱う手法や、石の生死を細かに判断する手法が試されたが、2000年代初頭まではプロ棋士はおろかアマチュア上級者の腕前にも到底及ばなかった。
現在でも囲碁製品を販売している任天堂でも三代目社長であった山内溥(アマ六段)を負かす事が暗黙の了解で、少なくとも山内氏が健在の頃は「コンピュータとの対戦」ができる囲碁は出せなかったという。
が、コンピュータの並列化・高速化が進んだ2000年代に入ると、演算能力に任せて大量の手を読み、そのうち有望な手をさらに深く読む手法(モンテカルロ法)が使えるようになり、アマ上級のレベルに到達。2000年代後半にはハンデをもらえばプロ棋士に勝てる例も出てきた。それでも、モンテカルロ碁には大局観が無いので局面が複雑になる中盤には手を見逃しやすくなるという特有の弱点があり、コンピュータ碁対策を研究した強豪棋士には歯が立たなかった。
この局面を打開したのが2015年の「アルファ碁」の出現である。アルファ碁は過去の膨大な棋譜を読ませて何百万回も自己対戦を繰り返し、機械学習させるという手法で、世界最強の棋士と目されるイ・セドルに3連勝し、世界に衝撃をもたらし、世界的AIブームを呼び起こすきっかけともなった。