概要
Windows xp(ウィンドウズ エックスピー)とはMicrosoftが2001年に発表したWindowsシリーズのOS。Windows2000/WindowsMeの後継。
「xp」は商標名で、正式なバージョンはWindows NT Ver5.1。
先代のOSであるWindows2000は安定性が高いが、マルチメディア機能や9x系との互換性が不十分であるということで、一般ユーザーへの提供は先送りされていた。もう一つの先代OSであるWindowsMeは9x系専用ソフトとの互換性が高いが、設計に問題があり極めて不安定であった。
これら両者の問題を解決すべく、Windows2000をベースにMeの機能を取り込む形で拡張されたのがWindowsXPである。このOSの登場によりWindows9x系と、WindowsNT系との統合がなされ、マイクロソフトは長年の懸案であった 9x系の終息をなすことができた。
本バージョンの登場時期は、ブロードバンドインターネットの普及期に当たる。そのため、インターネットを通じてコンピュータウイルスなどの悪意のあるソフトウェアや、不正アクセスもかつてない規模で蔓延し、その多くがWindows固有の脆弱性を標的にしていた。当時のWindowsにはセキュリティ対策ソフトの導入は必須と言われ、って言うか今も必須だよ。
(一応、7以降のWindowsにはWindowsDefenderが標準でついてくるが)
セキュリティ面の懸案からMacintoshにユーザーを奪われた、という言説もあるが、当時Appleが「それまでのMacOS」からやはり後継として送り出した「Mac OS X」は所謂「UNIXの系譜」であるため悪意あるユーザーからのクラッキングには大して強くない上、CPUをPowerPCからx86に変更したため結局その脆弱性をWindowsと共有してしまった。この為Microsoftが揺れるほどのシェア逸走は起こしていない。
(と言うか、実はAppleの筆頭株主がMicrosoft創業者のビル・ゲイツである。これは日本の独占禁止法に当たるアンチトラスト法逃れの為とされている)
Windows xpの停滞の原因はぶっちゃけハードウェアにある。32bitの命令セットのCPUベースでは4GBを超える量のメモリを認識できず、またストレージの容量も1論理ドライブあたり4TBが頭打ちとなり、これらの理由で新OSを必要としなかったのである。
この為MicrosoftはIntelに対してブチ切れる。ハードウェアの停滞をもたらしていたものがIntelの執拗な「x86脱却」だったためである。しかしIntelの新世代64bit命令セットアーキテクチャはどれも致命的な問題を抱えていた。そこへAMDがx86の拡張版であるx86-64(x64、AMD64)を発表し、安定した性能を見せたためMicrosoftはIntelに対し、自社製品のx86-64以外でのアーキテクチャでの開発の中止を通告、Intelの寡占を覆せるほどではないとは言え、Microsoftの後ろ盾を得たAMDは躍進した。
2006年にようやく登場した後継のWindowsVistaも、高機能なGPUを要求し当時のローエンドのパソコンでは満足に動かなかったため、2世代後のWindows7が普及するまで、XPが実に10年近くもの間Windows系OSの事実上の主力として君臨。Home Editionおよび Media Center Editionのサポートは2014年4月9日まで継続された。一般消費者のPC向けOSのサポートが12年も続くのは極めて異例のことであった。ただし2000の後継(NTの1バージョン)としてみた場合には多少長い程度でしかない。
Microsoftの公式サポート終了後も、スタンドアローン(ネットに接続しない)で使用されていることがある。但し、例えネット接続していなくとも、USBメモリ経由などであっという間に感染するので注意(これはウィルス防護の仕組みが後発のOSよりも根本的に劣るのが大きな理由)。用途によっては、Linuxをインストールすることでマシン自体を再利用することもできる(必要なデータは事前に別のマシンへ必ず移しておくこと)。
XPは「経験、体験」を意味する eXPerience に由来する。開発時のコードネームは Whistler(ウィスラー)と呼ばれていた。
Pixivでは「OSたん」、「OS娘」、「擬人化」タグなどと一緒に付けられることが多い。
種類
主に以下の3種類が日本国内では広く使われた。
Home Edition
一般家庭での使用を前提とした物で基本的な機能を使用可能。イメージカラーはグリーン。
Professional
上級ユーザーあるいはビジネスでの利用を想定したHome Editionの上位に位置するタイプ。ファイルシステムの暗号化など高度なセキュリティ機能を備えている他、リモートデスクトップのホスト機能などを備える。イメージカラーはブルー。
Embedded
組み込み用途向けエディション。専用の構築ツールを利用することで必要なOSの機能をカスタマイズでき、搭載製品の構成や用途に応じたOSパッケージの作成が可能。なお通常のパソコンにインストールすることも出来ないわけではないが、非常に手間がかかる上、入手も難しいので個人用パソコンで使うことはまず無い。但しOSのファイルサイズは非常に小さい。
Home、Professionalのサポートは既に終了しているが、こちらEmbeddedはサポートが継続されているのでアーケードゲームの基板、POSシステム、ワンマン運転用運賃表示モニターなどで今も広く使われている。
余談
実は64bit版(Windows XP Professional x64 Edition)もあったが、OEMとDSP版だけで一般向けには販売されず、当時のパソコンの性能では32bit版でもこと足りたことと、互換性にも問題があったため、あまり広くは使われなかった。
XPは2014年4月9日にサポートが終了したが、今でも利用者が多いためか、深刻な脆弱性が見つかると例外的に更新プログラムが提供される。
今のところ例外的に提供されたのは、2014年4月26日・2017年5月15日・2019年5月14日の3回。
擬人化
関連タグ
Microsoft/マイクロソフト Windows XP OS
Windows2000→WindowsXP→WindowsVista