秋山渉
あきやまわたる
「貧乏でも努力した奴が勝ってこそ ドラマじゃねーのか」
CV:松本保典
埼玉県秩父地方に拠点を置く走り屋。秋山和美の兄。同じく走り屋の秋山延彦は従兄弟。渉は延彦のチームには所属していないが、バトルの観戦に行ったり、後に連合チームとして加わったりしている。またラリーストの坂本(頭文字D)を延彦に紹介するなど交際の範囲は意外と広く、一匹狼だが孤独というわけではない。
藤原拓海・乾信司と並び、作中3人いるハチロク(AE86)遣いの一人(厳密には藤原文太や坂本も過去ハチロク遣いであったが、作中のバトルでは用いていない)。また他には武内樹しかいない、レビン遣いの一人でもある。樹はハチロク遣いとしての以外の部分も含めて、渉に憧れている。
なお渉がハチロクを遣うのは「古い車というハンデキャップを逆手にとって相手を追い詰める事が快感だから」というが、高橋啓介にわざわざバトル前に改良したエンジンを見せつけるなど、ハチロク自体への愛情の深さもひとしおであった。
初登場時のエンジンはターボチューンで最大280psものパワーを絞り出し、上りでも啓介のFDと張り合える実力があるが、代償として大きいターボラグのある、所謂「ドッカンターボ」でもある。そのためドライビングは、コーナー出口でマシンの挙動が乱れてもアクセルを戻さずカウンターだけで押さえ込むような変則的なスタイルとなっているが、これが渉の好みに合っている。ただし後にスーパーチャージャー(機械式過給)へと換装し、ドライバビリティの弱点を克服している。
末次トオルよろしく金が無いのが泣き所で、ドッカンターボはコスパの良いパワーアップを求めた結果である。スーパーチャージャーへの換装もメンテナンス代を惜しんで走り込みを続けた結果、エンジンをブローさせてしまったのがきっかけであった。金欠を補うためのメカの勉強も人一倍で、拓海の新エンジンの凄さを一目見て理解したが、自分のたゆまぬ努力とは対照的に拓海が苦労もせずグループA規定のエンジンを入手しているのに、拓海がそのエンジンの凄さを理解していないと知ったときは、同じハチロク遣いとして激しい嫉妬を燃やしたこともあった。
ドライビングの腕も、プロジェクトDのダブルエースと長時間に渡り互角の勝負を演じるほどではあるが、拓海とのバトルではガソリン残量が少なくなった事によって一瞬集中力が切れた時に抜き去られたり、啓介とのバトルでも大雨と長期戦で集中力が切れ始め、ワイパーに手を伸ばした瞬間グレーチング(水路の鉄製の網)に足元を掬われたりと、ドラテクとは別の要素で負けてしまっている。
全体的にやや上から目線で岩瀬恭子を「しょせん女に本当のドッグファイトは無理」、坂本を「バカ」(褒め言葉)、啓介を「おぼっちゃん育ち」、拓海を「天然ボケパワー炸裂でこそお前」などと評しているが、根はフレンドリーで親切な所も多い。和美に縋り付く元カレの世話を焼いたり、樹が和美にフられた時は謝罪と励ましに赴くなど兄らしい面倒見の良さもある。
ニセプロジェクトDを懲らしめる際には啓介たちに協力し、渉たちの情報網で迅速な特定を実現した。