フレームグライド
ふれーむぐらいど
概要
フロムソフトウェアの十八番であるファンタジーとロボットを組み合わせた、いわゆるファンタジー版アーマード・コアと言える趣の作品。
アーマード・コアで好評を得たシステムを基にしており、対戦をメインにしている。
プレイヤーは『騎兵』と呼ばれるロボット(巨大な甲冑)を操作して、帝国に反乱を起こしたゾルド辺境伯率いる、九つの騎士団と1対1で戦っていく。
ACシリーズとの違いは
- 実体剣や素手の格闘による近接戦
- 剣による必殺技や特殊な魔法攻撃
- 魔法による幻想的な攻撃エフェクト
- スクワイアと呼ばれるサポートメカの召喚・使役
- 主装騎兵、軽装騎兵、重装騎兵のフレーム選択
- 火、水、風、地の属性や細かな機体性能を設定する『リベレートシステム』」
- レーダー類は頭、ジェネレーター類は胴体パーツに統合するなどの簡略化
- パーツの部位破壊
等があり、幅広い機体カスタマイズと戦略が可能となっている。
翌年に発売されたAC2と比較すると
- 剣を弾くシールド防御
- AC2で採用されなかったチャージ式エネルギーキャノンを採用(グングニルチャージ)
等の共通点もある。
ゲーム内容については上述したように、1対1の対戦がメインとなっており、ACシリーズのようなミッション形式の戦闘は一切無い。
ストーリーは冒頭と最後以外一切語られないと言う、かなり淡白な作りになっている。一方、攻略本ではゲームで語られなかった詳細な裏設定が掲載されている等、プレイヤーの考察を刺激する仕組みがとられている。
ストーリー
帝国歴700年
皇帝レギリオの死から端を発した、ゾルド辺境伯の反乱は大陸全土を戦火に包んでいた。
帝国を統治する六つの選帝候は団結してこの暴挙に立ち向かうが、ゾルト公率いる九つの騎士団の前にことごとく敗れ去り、帝国の滅亡は時間の問題であった。
人々の希望は、最後の選帝侯であるミランジェ大司教の存在であった。
既に年老い、病床にあった大司教はこの未曾有の危機を前に、一人の青年を呼び寄せ、告げた。
「そなたに騎士の称号を与えよう。導きに従い、その剣を振るうが良い。遥か古より伝えられし、甲冑の巨人と共に」
登場人物
※以降の情報はソフトバンクパブリッシング出版・『フレームグライド 公式ガイドブック』に記載された情報を抜粋・要約したものです。
人物の記載順は、ゲーム中の交戦順に準じています。
ゴルドバ
第2装甲騎士団に所属する、初老の男性。
58歳の年齢から、全盛期と比べ衰えてはいるが、団員達の精神的な支えとして、未だに壮健である。
ゲームでは先鋒を勤める事もあり、そこまで強い訳ではないが、キャラクタークリエイト直後で一切の武装変更出来ない状態の為、武装による優位性が確保出来ないのが厄介となっている。
クロネイア
第3機甲騎士団に所属する男装麗人。
ある戦場で辺境伯に救われて以来、彼に従うようになる。
『疾風』と形容される通り、機敏な戦闘機動を見せる。
特にゴルドバから間髪置かずに連戦すると、その速度差に驚かされるだろう。
オトラント
第1武甲騎士団に所属する卑劣漢。
奪った騎兵で略奪行為を繰り返していた盗賊崩れで、牢獄に収監されていたが、2年後に恩赦を受けて現在に至る。
近付くと防壁展開砲・エルダールインを発動=無敵バリアを張る以外、特筆すべき点はないが、ここからスクワイアの使用コスト無視が目立つようになる。
ルドラル
第1装甲騎士団に所属する男性。
攻撃は最大の防御を地でいく、豪放磊落な性格の持ち主だが、マナーに疎く酒乱の気がある問題児。
重装騎兵では機動性に優れ、積極的に接近戦を挑むが、近接武器以外はほぼ役に立たない為、スクワイアの不意打ちに気を付ければ問題はないはずだ。
ルシリアス
第2機甲騎士団に所属する美男。
薔薇に偏愛・妄執しており、それを汚す者には残虐に振る舞う。
強制ダウン攻撃を行うスクワイア、トップクラスのモーション速度の近接武器でこちらを迫り、一撃に特化した砲・グングニルチャージを狙う怖い相手。
バラエルク
第4機甲騎士団に所属する青年。
「役者」と例えられる程に、相手を自分のペースに巻き込むのを得意とする。
引き連れるスクワイアの強さに加え、急速上昇からの背面取りに徹した動きが極めて厄介(だが、背部を壁に接せれば良い)。
ユードルフォ
第2武甲騎士団に所属する青年。
経験不足からなる詰めの甘さを見せるが、若さからの勢いで相手を圧倒する。
OPムーヴィーに登場する、総合バランスに優れた主装騎兵を駆るが、実力はゴルドバとほぼ同等(人によっては最弱)とされ、スクワイアのオマケとも揶揄される。
その実力と立ち位置から、再戦マップで乱獲される。
バレンタイン
第1武甲騎士団に所属する、辺境伯の実子。
『帝国随一の剣の使い手』と、称賛される実力者。
搭乗する騎兵自体は弱いが、威力・モーション速度ともに優れる近接武器・レーヴァティン、ネット対戦御用達の銃・ロイヤルスピア、困ったらこれの万能砲・エレメンタルソングと、ガチor厨武器で構成される。
スクワイアも上位個体を3体も連れている。
ラシーヌ
第3装甲騎士団に所属する男性。
如何なる状況下でも冷静に振る舞い、敵を屠ってきた経緯から『常勝無敗』と絶賛され、その強さは帝国内外に広く知れ渡っている。
実力は申し分ないが、OPムーヴィーに登場する(伊達要素の強い)重装騎兵を駆る為、頭部パーツの特殊能力以外は脅威ではない。
スクワイアは最大所持数の5体も連れているが、最初の個体以外は、産廃で構成されている為、数に押されなければ然程脅威ではない。
シドラネル
古代に製造された兵器で、騎兵を圧倒する巨躯と火力を併せ持つ。
騎兵以上の戦闘能力を誇るが、『搭乗者を有機パーツとして取り込む大きな欠陥』を持っていた為に、廃棄されていた筈のモノを辺境伯が発見、自軍戦力として隠し持っていたが……。
対戦ツールとして
ACシリーズで培ったノウハウにより、基本的な作りには大きな問題はない。
だが、パーツ間のバランスは悪目立ちが多く、ガチ勢になるとミラーマッチに陥り易いのが事実だった。
外装パーツ
主装・軽装・重装と、完全にカテゴライズ・交換制を廃している事で、ACにあった重量過多の問題がないものの、肝心のパーツが(頭部・胴体・椀部・脚部×5)×3と、パーツ総数が圧倒的に少ない。
しかも、各部位毎に1つずつ、特殊能力を持ったパーツが存在するが、重装騎兵の頭部パーツ『ロンディーグナイフ』以外は産廃の為、更に選択肢が減っている。
武装パーツ
剣・銃・砲・盾の4つがあるが、盾以外のバランスが極めて悪い。
剣の問題点
『騎兵カテゴリーによる、乱舞斬りの有利不利』と『剣魔法の格差』が挙げられる。
前者の場合、例として『ルーンメイス』は「重装騎兵専用」と言わんばかりのモーション格差があり、逆に『グルヴェイグ』は「軽装騎兵だけ産廃」めいたモーションとなっている。
後者は『レーヴァティン』は「風属性しか使用価値がない」、上述した『ルーンメイス』は「属性差がほぼない(但し、使い勝手は可もなく不可もなく)」ものとなっている。
特に酷いのは『アンスウェラー』で、乱舞斬りは背後からでないと全段ヒットは見込めず、剣魔法はほぼ死んでいると言う、圧倒的な残念ぶりである。
銃の問題点
まず『半分近くが産廃になっている』事。
ACシリーズで言うバズーカに相当する『ソウルストライク』は「単発発射・低弾速・消費ENが多い」の三重苦を背負っており、「機能停止したスクワイア壊しになら使える」と酷評された。
バーストライフルorマシンガンに近い性能の『スキアヴォーナ』『ファルコンアロー』『ナイトクラッシャー』と3種類あるのだが、最後に記したナイトクラッシャーだけは「剣と大差ない射程距離の為、銃の体裁を成していない」と言う致命的な欠陥を抱えている。
ショットガンに相当する『デストラクトステア』『フリッサー』『ロンクロイム』とあるが、『デストラクトステア』のほぼ一択であるのが実情であった。
フリッサーはソウルストライクの弾丸を複数発射するもので、単体で見れば決して弱い訳ではないが、前述の『デストラクトステア』と比べると、威力以外が大きく劣ってしまい、準・産廃と言う扱いになり易い。
残るロンクロイムは更に酷く、設定では「爆弾の性能を重視」したと言うが、実際は「威力と設置数のバランスが悪い上に、銃単体では低燃費なだけで見るべき点がない」と言う始末である。
最後にネット対戦でまず見る、ほぼ最強の銃『ロイヤルスピア』の性能だが、大カテゴリーで分けるのならばショットガンに相当する。
しかし、その弾丸は「拡散した瞬間で固定された状態」であり、威力的にはソウルストライクに匹敵する上に、弾速も水準以上となっている。
人によっては「単発発射だから攻め手に欠ける」と評されるが、上記のスキアヴォーナ等の銃は一旦発砲すると、撃ち終わるまで防御出来ない為、自機へのダメージの蓄積が意外に激しく、場合によって事故になるケースもある。
しかし、単発発射銃はすぐに防御出来る為、早々事故にならない強みとなっている。
火力・弾速がそろって優秀、すぐに防御出来る上に、属性間の格差も余り目立たない等、誉める点が多いのもあって、ネット対戦では氾濫しているのだった。
もう1つは『誘導機雷』以外の爆弾の必要性で、誘導機雷は分かり易く記せば「低速のミサイル」である。
しかし、残るカテゴリーの『地雷』と『浮遊機雷』は射出地点に設置するトラップなのだが、どちらも派手に目立つ為にトラップとして機能し難い。
砲の問題点
『使い勝手の極端な格差』が本当に酷い。
『グングニルチャージ』は遠距離から高火力砲撃、『エクソダスゲート』は敵を拘束するトラップ設置と、互いに使い方は違うものの、共通して「攻撃発生が遅過ぎる」為、普通に使うとまず命中しない。
『ホーリーレイ』と『ソロモンズローブ』は「ノーロックの近接仕様」で、これも命中出来る状態を作るor見極める必要があって単体での使い勝手が悪い(しかし、これらは逆に確実に命中出来るようになれば、恐ろしい武装になる事を意味する)。
オトラントの項目で触れた『エルダールイン』は「バリア展開」だけであり、緊急回避にしか使えない上に、総合火力を減らしてしまう。
その上、エネルギー消費も悪く、使用後の行動は近接戦闘しかないのだが、分かって通り相手はこちらから逃げる為、結局は自分も相手も時間を無駄にするだけである。
結局、安定性から考えると『エレメンタルソング』『ドラゴニックメテオ』『フレイムバード』の3つから選ぶ事が多い。
属性
『最終的に火と風の2択になる』。
水はFPが増加するも、攻撃面は低燃費以外に魅力に欠け、土は防御力が増える*ものの、剣魔法の使い勝手が総じて悪く、銃も爆弾に比重を置くも、誘導機雷が使用出来ない為にそれを活かせていない。
逆に火は火力全体の底上げが、風は機動力+銃全体の射程延長があって、先に挙げた属性よりも遥かに使い勝手良い。
スクワイア
ACシリーズで言うMTに該当する無人兵器で、頭部パーツと基礎フレーム、一部リベレートストーン等に設定された、『リベレートフォース(以降はLFと表記)』のコスト内なら最大5体まで召喚・使役を可能とする。
但し、当然ながらコスト・属性の格差がそろって激しいのが難点。
また、幾ら性能が高くても、攻撃の種類や立ち回り(=味方への誤射率の高い攻撃や、PCの前に行きたがる行動指針)によっては、コスト通りの強さを感じられないスクワイアも一部だが存在する。