スペック
- 形式番号:YGMA-14
- 頭頂高:28.3m
- 運行自重:176.8t
- 最大発進重量:299.7t
- 重量比:0.801(ドライ)、1.698(CMP+A/B)
- 動力:JTF-7M型 超小型核融合炉×2
- 出力:50万ポンド(ドライ)、78ポンド(CMP)、アフターバーナー時28万ポイントプラス
- 最大速度:1475ノーチカルマイル(2732Km)
- CMP時間: MAX時47秒、回復時間CMP≦5、5秒~CMP=47~19秒
- 武装
- 100連装デュアルミサイルポッド(右肩アーマー裏)
- 2連装デュアルミサイルポッド(左腕籠手)
- 75mm自動砲KDA44型(胸部に16基内装。発射速度1200発/分・携行弾数3200発。)
- SIM-96型MLCミサイル「対艦ミサイル」(股間)
- 機関砲(右手首)
- 白兵戦用ハイブリッドブロードサーベル※
- 装甲:シモールB型パッシブ装甲(厚さMAX375mm)
- 探知装置:イメージセンサーASV2M型、重力場感知システム GLV4型
- 開発者:ギガノス軍秘密工場
- 所属:統一帝国ギガノス軍
- 搭乗者:グン・ジェム、ハイデルネッケン、ドルチェノフ
※本来はギルガザムネの標準武装ではなかったが、グン・ジェムが搭乗する際に専用サイズの実体剣を要望し、その後正式採用された模様。初回時は両刃の長剣で、秘密工場でのグン・ジェムの最終決戦では青竜刀状。ドルチェノフ機は青竜刀ではなく長剣を装備。その切れ味はドラグナーカスタムをも両断する。
概要
ギガノス軍が中国の秘密工場で完成させた巨大メタルアーマー(MA)。
それまでのMAとは全く異なるイメージの機体。外見は三日月状の角が付いた鎧武者を思わせるもの(モチーフは伊達政宗の甲冑。)で、グン・ジェムの意向で装備された実体剣のイメージから近接戦が主体と思われがちだが、実際は単機で部隊どころか基地すらも殲滅が可能な程の火器を満載している中~遠距離戦が主体の「動く弾薬庫」のような機体。特に巡航ミサイルは10㎞四方を丸焼きにすると、世界観を間違えているとしか思えない代物である。核かどうかは不明。
カラーリングは1号機(グン・ジェム)が金色、2号機(ハイデルネッケン)並びに量産機が緑、ドルチェノフ専用機が黒となっている。
機体そのものも28mとMAとしては巨大な体躯で、他のMAと比べるとまるで子供と大人程も違う。フォルグユニット(飛行ユニット)も申し訳程度に背部にへばりついているように見えるが、機体各所に備えられたスラスターと思考コントロールシステムにより、見かけによらず素早い動きをする。至近距離であれば敵MAの後ろに一瞬で回り込む芸当も可能。グン・ジェムが使用した際には光子バズーカ(要するに光速)2門による攻撃を闘牛士のように躱す程の俊敏さを見せた。
思考コントロールシステムは機体と人間を直接リンクさせるシステムで、操縦者の思考をダイレクトに機体に伝え、機体の操作はメタルアーマー自身に行わせるという、ある意味「人機融合」とも言えるものである。
正にギガノス軍最強にして究極のMAである……完成さえしていれば。
ギルガザムネは急遽投入された為に脳波システムが未完成であり、操縦者の脳波に強い負担を掛けてしまい、最悪の場合精神崩壊に至ってしまう。つまりは機体性能に技術が追い付いていないのである。実際、テストパイロットは僅か5分で発狂して心肺停止に陥り、グン・ジェムは1度目は同士討ち、2度目は脳の使い過ぎで焦点を合わせられず戦死の原因となった。そしてこのシステム自体が無ければ機体の巨大さと自重のせいで運動性能が極端に落ちてしまうため、その状態では「火薬を抱えた空飛ぶクズ鉄」とも言える鈍重な機体にしかならなくなる。
更にシステム側が発揮する性能とマシンスペック自体にも差があり、そもそも機体構造的にも長時間の戦闘には耐えられない。
また、搭載しているセンサーには致命的な欠陥があり、複数の目標が急に一点に重なると照準システムと火器管制システムに問題があるのか誤作動を起こし、全ての火器が一時的に一切使用できなくなる。
このように実態は未完成の試作機らしく欠陥だらけである。
ちなみにゲイザムはこの機体のプロトタイプらしい。
劇中での活躍
グン・ジェム編
ドラグナーとの戦いでゴル大尉とガナン大尉を失い、復讐に燃えるグン・ジェム大佐が秘密工場で試作された機体に強引に乗り込み発進させる。しかし思考コントロールシステムの欠陥によって狂乱状態に陥ってしまい、味方であるはずのジンが駆るスタークダウツェンを斬り付け殺害してしまう。
その後、工場爆破に向かったドラグナーと再度交戦し、核爆発に巻き込まれて左腕を欠損(むしろその位で済んだ事実がヤバく、D-1は何とか脱出できたが直撃していた場合は間違いなく大破していた)。それでもシステムの限界に達するまではドラグナー3機を相手に互角の戦いを見せたが、機体そのものが長時間戦闘ができないことを見抜かれてしまい、システムの暴走によるグン・ジェムの操縦技術の低下と、散々振り回されたことによって遂に機体が限界に達し、本来の性能を発揮できないまま最期は青竜刀を見切ったドラグナー隊によって撃破される。
ハイデルネッケン編
その直後、増加生産された機体にハイデルネッケン少佐が搭乗し、ドラグナーに戦いを挑む。思考コントロールシステムの欠陥は、5分間の制御システムを組み込む事で解決しているが、上記の通りインターバルタイム中は性能が落ち、まともな戦闘さえも不可能になる。この間半ば強引に部下に引き入れたグン・ジェム隊の生き残りであるミン大尉に護衛をさせていたが、結局上記のセンサーの欠陥をドラグナー隊に突かれ、こちらもあえなく撃破される。
ちなみに武闘派のグン・ジェムとは違いハイデルネッケン本人にはパイロットとしての技量はなく、内臓火器に頼ってひたすら遠距離から攻撃を仕掛けていた(コンセプトとしてはこちらの方が正しいかもしれないが)。
ドルチェノフ編
ギガノス機動要塞での最終決戦ではドルチェノフが搭乗し、マイヨ達を追い詰める。この頃には思考コントロールシステムもかなり改良がされていたようだが、センサーの欠点は改修されておらず、人質となっていた母アオイ・ワカバの解放によってリベンジを果たしに来たケーンにその弱点を突かれ、ケーンとマイヨの合体攻撃によって撃破される。ドルチェノフはその場から逃げ出すも脱出装置が作動せず、機動要塞と運命を共にする顛末となった。
また量産型も少数が生産されたようだが、実戦投入される事態はなかった。
本機の量産体制が整っていれば、それこそギガノス帝国は地球連合を壊滅させていたであろうが、あまりに強力過ぎる本機は完成までに時間がかかる大器であり、実戦に投入させるレベルに達してはいなかったのである。
ゲーム媒体での扱い
スーパーロボット大戦シリーズ
『スーパーロボット大戦A』『スーパーロボット大戦MX』『スーパーロボット大戦GC』『スーパーロボット大戦XO』に登場。いずれの作品でもハイデルネッケンは登場せず、量産機は前線投入されてくる。
特に『MX』では終盤になんと三輪防人が乗り込んで、プレイヤー部隊に殴り込みをかけてくる(但し操縦は捕虜となったギガノス兵)。しかし、その頃には自軍部隊の戦力はフルに整っており、本作の難易度の低さも相まってただの雑魚でしかない。隣の雷のオムザックの方が明らかに強い。そして倒すとパイロットが死亡した事で三輪も脱出できずに爆死する。ざまぁ。
どの作品でも基本的に遠距離からの攻撃に弱いので、射程の長い武器で仕留めよう。射撃武器は誘導ミサイル系に偏っているので、ジャマーも有効。ただし原作通り運動性だけはそこそこ高いので、見た目に似合わず避けてくるのには注意。
サンライズ英雄譚シリーズ
2にて、グン・ジェム機と量産機の他に四天王機も登場(代わりに原作での四天王専用機は登場しない)。なお、ガナン機の色が緑である影響の為か量産機のカラーリングは白に変更されている(ただし、SWWでは原作通りに緑)。
A.C.E.シリーズ
A.C.E.2にてグン・ジェム機が使用可能。
青竜刀による格闘戦に加え、大量に詰め込まれたミサイル兵器により、遠近共に強い。
ただし、基本的にクリア後のオマケであり、そう簡単には扱えないのが難点。
尚、劇中の欠陥は(当然だが)ストーリーの演出に留められているので、恐れずにプレイング出来る。
ACE3ではネオ・ジオンと手を組んで再び連邦の敵となったギガノス軍で緑色の量産機が運用されている。
余談
想像がつくと思うが、ネーミングの由来は清酒「菊正宗」である。
また、『ドラグナー』の放映期間は、一大ブームを巻き起こしたNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』と被ってもいた。
関連タグ
ザンボット3:『スーパーロボット大戦A』で外見が似ているのをネタにされた。
グレイズ・アイン:後世に登場した、ギルガザムネ同様「人機融合により巨体にも拘らず俊敏な機動力を誇る」「搭乗者の精神に異常をきたす」機体。ただし、こちらはギルガザムネとは異なり、人間を「生体ユニット」として機体に直接組み込むと、非人道的なものである。
ジェットストリームアタック:弱点となる致命的な欠陥の性質上、かなり有効打であろうフォーメーション技。しかもサンライズ作品繋がりである。