大山(神奈川県)
かながわけんのおおやま
神奈川県中西部、伊勢原市の北西方にある山。雨降山(あふりやま)とも呼ばれる。
山岳信仰
富士山にも思わせるピラミッド型の美しい山容である事から、古くから庶民の山岳信仰の対象とされた。
山頂付近は霧が発生しやすく雨にも変わりやすい。その水量が多いため、雨降山または阿夫利山(読みはともに“あふりやま”)とも呼ばれるようになったとされる。この事から古くから雨乞いの神、稲作の神、農業神、また一般産業神として崇められていた。とくに乾燥性の強い相模原をはじめ武蔵野、常総台地をもつ関東平野のほか、東海地方、東北地方南部の諸平野の地域からも深い信仰を得ていた。
大山川(鈴川)の渓流沿いには信仰登山者が利用する宿場町(御師町 / おしまち)が発達し、いまも旧道沿いには、古いおもかげを残す御師家の町並みが続いており、全国でも数少ない信仰登山集落の好例である。
観光地として
現在では、一般的な社寺参拝、軽登山、豆腐や猪肉料理などの目的で訪れる観光客が多く、土産物としてこま(独楽)などの工芸品が有名である。麓には旅館も数件営業している。
標高の割に急傾斜や長距離と難路の多い丹沢山地の中では山頂までの距離が短めな登山道がかなり整備されており、山腹までならケーブルカーを利用する事もできる。ただし長い石段や岩場もあり、毎年多くの遭難者が出ている事から決してTシャツ、短パン、サンダル、ハイヒール、普通のスニーカーで登るような山ではない。
外部リンク
- 丹沢大山国定公園ガイド
- 大山(神奈川県) … Wikipedia
- 大山阿夫利神社 … wikipedia