概要
漫画版
鉄神帝国ネマトーダに追われる科学者、氷室遼三博士の養女。年齢は14歳。
最強のGクラス、ゼオライマーの鍵を握る秋津マサキを氷室邸に誘い、彼と共にネマトーダと戦う。
マサキと違いパイロットではなくゼオライマーのエネルギー源である超次元システムの根幹をなす生体パーツである。
ミステリアスな雰囲気を漂わせた美少女であり、自らをゼオライマーの「パーツ」として呼称するなどクールな言動も多いが、年相応の少女としての一面もあり、次元ジョイントの交換(18禁)で
鼻の下を伸ばしたマサキにビンタを食らわせたり(元は美久が言いだした事なのでマサキにとってはとばっちり)、敵襲撃時に仮病を使って授業を抜け出した時も、状況を理解せず馬鹿正直に保健室に行こうとしたマサキに「タコ」とつぶやいたりしてる。
また若槻魔沙樹の人格が現れ始めたマサキに突然唇を奪われた際は烈火の如く怒り、しばらくは口を利かなかった。
体内のある部分に次元ジョイントが埋め込まれており、これを核にする事でゼオライマーに無尽蔵のエネルギーを供給する。
が、肝心のジョイントが氷室博士のコピー品である為、定期的な交換が必要かつ戦闘が長く続いて負荷が掛かり過ぎると機能停止する欠陥を持つ。
義父である氷室博士の事を慕っているが、自らがかつて氷室を裏切った妻である事を知ってからはショックを受け、また若槻化したマサキに凌辱されるなど作中の扱いは総じてひどい。
マサキと違い前世の記憶は持っていない為、余計に苦しんでもいると思われる。
最後には融合を果たしたマサキと共に世界を救う為、ゼオライマーと共に消える。
ちなみに続編の『Ω』では養子先が変わった為名前が「渡瀬美久」になり再度ゼオライマーに関わって以降本作以上にヒドイ目に合っておりどこまでも報われないヒロインである。
敢えて言うなら超次元システムとは、女性が持つ『命を宿す力とその器官』を冒涜的な形で利用する機構とも言え、作中での美久の扱いはそれを象徴している。
彼女への養父としての情愛を封殺しながら復讐の道具として扱っていた遼三博士は、最終的に自らを蝕んでいた不治の病で亡くなるのだが、彼がこと切れる直前に思ったのは恨みの対象では無く、それへ与して自分を裏切った妻・美久の事だった。また、こと切れる瞬間に遼三博士が呟いた、「お前はどんな思いで、自分を道具としてしか見ない(=女性の尊厳すらも冒涜する)男に従って来たのだ?」との問いかけは、ゼオライマーの中枢パーツにされた者の悲惨な境遇を端的に示しているとも取れる。
OVA版
CV:本多知恵子
日本政府が秘密裏に開発した基地ラスト・ガーディアンに所属する謎の少女。
最強の八卦ロボ、天のゼオライマーを操れる唯一の少年、秋津マサトと共に鉄甲龍と戦う。
漫画版同様ミステリアスで無感情な雰囲気を漂わせており、自分の宿命に悩むマサトを一笑に付すなど初期は漫画版以上に冷たい印象が強いが、中盤では段々と人間らしい苦悩や感情を表す様になった。
また並の人間以上の身体能力を持っている。
その正体はゼオライマーの中核である次元連結システムそのものであり、第三話で真の姿を現した時は、水槽に佇む全裸の美少女が一瞬で鉄骨むき出しのグチャグチャな骸骨マシンに変形する(なおその姿はこいつそっくり)と言うトラウマ必須なシーンで、美久タン全裸ハァハァしていた当時の青少年に拭い切れない衝撃を与えた。
木原マサキ曰く「成長するガラクタ」。
恐らくは『ガイノイドに擬態させた中枢パーツ=命を生む器官』と言うアプローチで原作版の本質へ近付けた設定と思われる。しかし擬態形態の面影が全く無い正体や開発者の喩えからして、こちらの美久も女性としての尊厳を踏み躙られてしまったとも言える。
なお本作では一応八卦衆と同じ成長率での外観形成が行われる設定である為、こちらの美久は外見上は八卦衆と同じ20歳だったりする。
最終話ではマサキと融合したマサトと鉄甲龍要塞に突撃し、共に消滅する。
ちなみにラストシーンでもフルヌードを披露しているが中身は前述の通りなのであまりハァハァ出来ない。
ドラマCDでは見事にはっちゃけており、マサトをフルボッコしたり、給料を前借りして洋服を買いこむなど本編以上に生き生きしている。
時が経過してもあまり錆びた感じが出ない奇跡のキャラの1人だが、これは菊池通隆氏がアニス・ファームにコスプレ衣装を着させすぎた反動で、美久には実用ファッションばかり選んできたためである。
(角川書店COLORS SIDE-Kより.)
関連項目
サイレントメビウス:OVA版のキャラクターデザインを担当した菊池通隆こと、漫画家麻宮騎亜氏の代表作。当作の主要人物である戦う女性達は、“何も生み出さない戦いの先で、未来を託せる命を産める”と言う思想の元集められ、それを果たす為に自分と世界を守るべく戦い抜いた。