概要
樺太のアレクサンドロフスクサハリンスキー(亜港)監獄に収監中の女囚。ロシア皇帝アレクサンドル2世暗殺事件の首謀者であり、ウイルク、キロランケ(本名:ユルバルス)の同志。
仲間達の活動資金のために犯罪を繰り返す義賊でもあり、帝政ロシア法廷で付けられた「金の手」という愛称で呼ばれている。
現在も監獄内で繰り返し尋問・拷問を受け続けているが、本人はまるで意に介さず、今なお極秘裏に外部と連絡を取りながら、監獄内の同志達と共に脱獄の機会を伺い続けている豪胆な女性。
恰幅の良い筋骨隆々な体格をしており、そのフィジカルは看守の鞭打ちを平然と耐え抜き、アムールトラを鎖一本で撃退し、刺青を持つ脱獄囚の一人である岩息舞治(※杉元や牛山とも互角以上に渡り合える作中最強クラスの肉体派)とも正面から殴り合えるほど。
元はロシア上流階級の裕福な家庭で育った令嬢であったが、やがて革命活動に身を投じ、ウイルク達と出会う。
活動当初は下記イラストのようなスリムな体型であったのだが、その後長い収監生活を経てメイン画像のような逞し過ぎる体型に変わった模様。
その加齢に伴う変貌ぶりは、某ジブリアニメに登場した女傑を彷彿とさせる。
(※もっとも、キロランケにしてみればどストライクの外見であったらしく、再会時に思わず「めちゃくちゃいい女になったな」と漏らしていた。)
劇中での活躍
かねてより外部のキロランケと連絡を取り合っており、アイヌの金塊を巡る争奪戦の趨勢、網走監獄におけるのっぺら坊奪還戦の一部始終、そしてアシㇼパについての情報をあらかじめ得ていた。
やがて樺太に到着した彼等の助けを借り、流氷がタタール海峡に流れ着き大陸と繋がる時期を見計らって脱獄を決行。ついにアシㇼパとの邂逅を果たす。
(※ちなみに監獄の同房には、杉元達一行が命を救われた灯台守の老夫婦の娘・スヴェトラーナも収監されており、共に脱獄を果たしている。)
道中、アシㇼパにウイルクの過去や彼の名前の由来を説くと、それをきっかけに彼女の脳裏に封印し続けていた「ある記憶」が復活。キロランケの思惑通り、アシㇼパに金塊の在り処を示す刺青人皮の暗号を解く重要な手掛かりを得させることに成功する。
しかしその直後、流氷原の真ん中で猛吹雪に遭い、一行は立ち往生。その隙を突いて尾形がアシㇼパを連れ去り、さらに追ってきた杉元達一行の襲撃も受けるなど、にわかに混乱が生ずる。
ソフィアも一行とはぐれてしまうが、やがてキロランケが乱戦の末に倒れ、アシㇼパも杉元・白石らと行動を共にする決意を固める様を遠間から目撃。彼等が去った後、キロランケの遺体を再度手厚く葬り、彼の遺志を継ぐべく脱獄した同志達と共に独自行動を開始した。
人間関係など
ウイルクに対しては恋心を抱いていたらしく、後に彼が網走監獄で命を落としたことをキロランケからの密書を通じて知らされた際には涙を流して悲しんでいた(またこの時、彼は「金塊の秘密を守るために自分がウイルクを始末した」事も正直に伝えていたらしく、彼との合流時、その経緯に理解を示しつつも怒りを抑えきれずその頬を思いきり張り飛ばしている)。
アシㇼパには亡きウイルクの面影をその青い瞳の中に見ており、彼女に対しては単なる「金塊の謎を解くカギ」以上の思いを抱いている模様。
キロランケとの死別後は、大陸で他の同志達、そして上述のスヴェトラーナや岩息舞治とも合流。
彼女達もまた、アシㇼパを追って北海道を目指すこととなる。
過去
※ここから先は18巻のネタバレを含みます
皇帝暗殺後、まだロシア国内でウイルク、キロランケと共に逃亡生活を送っていた頃、ウラジオストクに住むある日本人写真師の元を3人で訪ね、皆で(後に日本へ渡るための準備として)彼から日本語を教わっていた時期があった(ただ、ソフィアだけはあまり日本語に興味が持てず、他の二人ほどには身に付かなかった模様)。
しかし、後にそこでとある悲劇が発生、それが後の彼等の行く末に大きな影響を及ぼすこととなる……。