「言ったはずだぜ 俺はお前らに賭けるってな‼」
概要
プロフィール
入れ墨を持つ脱獄囚の一人で、「明治の脱獄王」と呼ばれた脱走の天才。誕生日は3月3日。
生まれつき関節が柔らかく、自在に外して狭い隙間を出入りできる特異な体質に加え、脱獄に用いる小細工を用意しそれを体内に隠せる器用さ、自身の入獄した施設の特徴や死角を見抜く優れた観察眼を活かして数々の監獄からの脱獄を成功させている。
元々は南関東出身なのだが赤子の時点で寺に捨てられ、そこで育った天涯孤独の身で、少年の時から素行不良で幼年監獄に入れられては脱走を繰り返し、成人以降も収監先の監獄で看守達から警戒されるほどの札付きの罪人。
なお、脱獄した理由の一つとして「噂に聞いたシスター宮沢(CV:島本須美)に一目会いたくなった」というものがあり、熊岸長庵が描いたシスターの似顔絵(※画伯系)に「なんだコリャ」となるも、いつか出会える日を夢見て一人しこしこしていた強者でもある(なお、この件に関しては思いもよらぬ結末を迎えることになるので、そこは各々の目でご確認頂きたい)。
本人もどんな所からだろうと抜け出せる自負があるが、あまりにも脱獄を繰り返したせいで最初に逮捕・収監された罪よりも脱獄の罪による刑期のほうが重くなってしまっており、前述の履歴もあって全国の警察関係者に顔を覚えられてしまっている。
「オイお前白石だろッ」
頭髪は見ての通りの坊主頭。これを利用して軍人に変装したこともある。
毛色が大分白っぽく見えるが、とある作戦のために少し伸ばした際にも色は変わらなかった。つまりこの色は短髪故のデフォルメ表現等ではなく自毛が元々白(銀?)髪寄りであるためのようだ。
ちなみに髪質は軽い癖毛。
なお、実写版では「銀髪にしてしまうとコスプレ感が出てしまう」ために普通の坊主頭になっていたが、坊主頭にもみあげという髪型は「ヘアメイクの技術担当者の技量によって完成度の高い仕上がりになった」とのことである。
装備
常にブカブカの半纏を着ており、装備は飴ちゃんだけという冬の北海道をナメた出で立ちをしている。
が、不意に拘束されても抜け出せるように、歯茎の隙間、喉の奥、半纏の綿の中など至るところに道具を忍ばせている。劇中でも剃刀、銃弾、釘、マッチなどを取り出しており、文字通り一筋縄ではいかない用意周到な一面をうかがい知れる。全体的に軽装なのも、少しでも脱出の成功率を上げる意図があるのかもしれない。
人物
飲む(酒)、打つ(博打)、買う(女)の三拍子そろったザ・遊び人な性格。持ち前のドジやすぐ調子に乗る悪癖からピンチに陥ることも多い。
しかし意外と律儀で情に篤い一面を持ち合わせており、杉元たちと組むと決めて以降は一貫して杉元の味方として振舞っており、樺太編では「杉元が死んだのではないか」と精神的に追い詰められていたアシㇼパに寄り添い、戦いの中で散ったキロランケの死に際しては涙を流したりしている。
また、全国を津々浦々歩き回った経験からか対人能力は杉元一味の中でも随一であり、料理の際に近所の民家から調味料や酒をもらって来たり女郎屋(風俗店)で情報を集めてきたりと交渉や諜報に関する働きにおいてはかなり有能である。
そんなこんなで基本的には明るく前向きな性格で妙に安心感がある事から主にムードメーカー、精神的な支柱として活躍することも多く、彼が登場しない期間にはあまりのシリアスぶりに「シライシ早く来てくれー!!」の声が相次いだほど。
網走監獄の囚人と言えど罪状は強盗や野菜泥棒をした程度であり、他の凶悪な変態狂人や様々な武芸に秀でた囚人連中の中では一番無害な常識人。戦争帰りの復員兵に屈強な現役軍人、幕末の元剣豪や自然に生きるアイヌといった錚々たる顔ぶれの中では最弱と言っても過言ではない。
サバイバルや戦闘行為の際にはいつも足を引っ張ってしまうせいで、仲間からも度々役立たずだの脱糞王だのボロカスに言われる。
戦闘においては犬に苦戦するほどだが、木の塀を駆け上がったり家屋を猿のごとくよじ登ったりと、身体能力そのものは低くない。
それどころか脱獄王の名に恥じず「脱走」に関する実力はトップクラスであり、作中でも相手が気を取られてる隙に縛られた縄を解いて脱走したり、網走監獄への侵入路を探し当てたりと意外なところで活躍する。
女好きで女郎屋の常連であり、遊女とたびたび懇意にしているようだが、服役している期間が長かったため、実質素人童貞である。
作中での活躍
一度は杉元達に捕らえられたが、杉元と取引することによって見逃してもらった。
生死の苦境を一緒に乗り越えた事から、敵対関係ながら妙な連帯感があり、後に本格的に杉元達と行動を共にするようになる。
動物と相性が悪いのか、色んな動物に頭をかじられている。
杉元たちと行動を共にして初期の頃には、密かに土方歳三と通じている事を杉元に隠し、そのことを内心後ろ暗く思っていた。
しかし、実際には土方に渡した刺青人皮の情報は偽物や嘘ばかりであり、そのことから杉元から信頼を勝ち取る。
網走刑務所での決戦後、アシㇼパと共に尾形とキロランケに拉致され、杉元たちに先んじて樺太へと渡る。言動の不明確な尾形とキロランケを警戒しつつ、二人がアシㇼパに悪影響を及ぼさないよう身を案じて立ち回っている。
ただし無暗に女遊びに出かけないよう、キロランケから首から木の枝をぶら下げられている辺り、作者からの扱いそのものは安定している。
一方で、作中全体を通して、杉元とアシㇼパの二人からは強く信頼されるようになっており、アシㇼパがロシアから帰国した際には、ロシアで刺青人皮の暗号の解き方について分かったことを杉元以外では唯一教えられており、杉元からも「約束を守った男」として一目置かれている。
余談
ちょくちょくイラストが使い回されたり、顔のアイコンが陰部を隠すのに使われたりと、作中屈指のいじられキャラ・ネタキャラになっている。
モデル
ゴールデンカムイでは実在する人物がモデルとなったキャラクターが多く登場するが、彼のモデルとなったのは「昭和の脱獄王」と呼ばれた白鳥由栄(しらとりよしえ)と思われる。
ファンブックにて、作者曰く峰不二子と呼ばれており、その評価通り最終話ではある行動を取る。そのことが原因でTwitterでは、「お前白石」と「白石お前」がトレンド入りした。
関連イラスト
関連タグ
ゴールデントリオ:杉元・アシㇼパとのトリオタグ
トーマ・リヒャルト・シュバルツ…中の人つながり。女好きだが前向きな性格も似ている。
桓騎…同じ週刊ヤングジャンプに掲載されている作品の中の人繋がり。こちらも史実の人物をモデルにしており元野盗なので犯罪者だが、性格は残忍で数多くの人物を殺している。