概要
- バンダイ(現・バンダイナムコエンターテインメント)が制作したファミリーコンピュータ用アクションRPG作品『聖闘士星矢 黄金伝説』シリーズの総称
- トムス・エンタテインメントが制作した劇場用アニメ作品『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』の略称
- テレビ朝日が制作したバラエティ番組シリーズの総称
以下は、概要3.について記述するものである。
構成
主に若手・中堅層のお笑い芸人が、番組制作側から提示される達成困難な伝説(=指令)に挑戦するドキュメント型バラエティ番組。
お笑いコンビ『ココリコ』が東京進出して初めて獲得した冠番組『ココリコ黄金伝説』(1998年10月6日~1999年3月)が源流であり、一定の人気を得て深夜枠から昇格した『ココリコA級伝説』(1999年4月5日~2000年3月)を経由し、以後16年に及ぶ『いきなり!黄金伝説。』(2000年4月18日~2001年9月11日、2001年10月18日~2016年9月22日)でテレビ朝日ゴールデンタイム枠における長寿番組の地位に君臨し続けた。
放送開始当初は、総合司会と出演を兼任する遠藤章造・田中直樹の2名のみが「新たな伝説を歴史に刻む」という名目で無茶振りに等しい指令達成に挑戦する、いわゆる『進め!電波少年』的手法を取っていた。この期間中、後に番組の方向性を決定付ける『一週間シリーズ』の原型「一週間○○を食べ続ける男」(遠藤はガリ、田中はうなぎパイで共に伝説達成)が生まれた。
以降、番組改変を挟みながら名企画(代表:「本場の中華料理を極める男」「○○のメニューを全て食べきる男」)と迷企画(代表:「私生活の全てを見せきる男」「カラオケで100点取るまで歌い続ける」)が入り混じる中、遂に珠玉の企画「1ヶ月1万円節約生活」がスタート。各参加者独自の奮闘や奇行、数々のアイデアレシピで大きな反響を呼び、歴代最多出場記録保持者となる濱口優の参戦と活躍によって番組を象徴する一大企画「よゐこの無人島0円生活」が産声を上げた。
しかし、年月を重ねるに連れてメニュー食べ尽くしや大食いに傾倒するグルメ企画の乱発、定番企画の使い古しに伴うマンネリ化、裏番組とのチャンネル戦争、企画に参加する芸人・芸能人の健康や企画自体の安全面およびヤラセ疑惑に対する苦情に比例して緩やかに視聴率を落とし、 2016年9月22日にレギュラー放送を終了(ただし、同番組から生まれた名物企画でスペシャル番組を組んだ不定期放送ならびに派生映像作品は継続中)。
番組レギュラー
芸人枠
など
芸能人枠
など
なお、黄金伝説シリーズ終了の翌年に放送された紀行バラエティ番組『陸海空 地球征服するなんて』の1コーナー「部族アース」で、担当レポーターのU字工事を霞ませる圧倒的存在感で絶大な反響を呼んだ『ナスD』こと友寄隆英が番組制作に携わっていた(ディレクター→プロデューサー・演出→ゼネラルプロデューサー)。
濱口優と黄金伝説
黄金伝説を語る上で、濱口優は決して欠かせない人物である。
- 初参戦企画は「せんべい1000枚を1週間で食べ尽くす男」。惜しくも伝説達成は失敗に終わったが、2人掛かりとは言え程無くこれを達成したタカアンドトシに奮起し、再戦を申し出た「干物1000枚を1週間で食べ尽くす男」で汚名をすすいだ。
- 節約生活の発展形「1ヶ月1万円節約バトル」で食材調達のために素潜り漁に挑み、悪戦苦闘の末に獲物を捕獲した際の歓喜の勝鬨「獲ったどー!!」で児童・若年層を中心とする視聴者層を開拓した。
- 番組の金看板「よゐこの無人島0円生活」で有野と共に話題を集め、様々な企業との番組発コラボレーション商品を生み出した(なお、無人島シリーズで紹介された数多の野営技術、もっと言えば節約バトルで魅せた素潜り技術は、企画案が挙がる度に実地検証に赴いては実践の中で1つずつ習熟・体得した友寄から伝授されたものが大半を占め、従って友寄と濱口はサバイバル企画上の師弟関係にある)。
- 数々の伝説に身も心も体当たりで挑んた身として最も凄絶だった企画に『スケルトンハウス(私生活の全てを見せきる男)』を選び、本人曰く「水槽の金魚の気持ち」。これに同伴し、ノイローゼ寸前まで追い詰められた体験を持つふかわりょうも当時を振り返って「たとえバラエティでもやってはいけない一線を越えていた」と苦言を呈した。
チネリ米の発明者
「自身で選択して持ち込んだ備品、番組側が提供した支給品以外は全て現地調達で賄う」の規則により主食に乏しい無人島生活を送る中、どうしても白飯が欲しくなった際に支給品の小麦粉を練り、一粒ずつ丁寧にちぎっては米に見立てて成型する奇妙な代替食材『チネリ米』(小麦粉で作った団子を米粒大にちぎって指先で丸めながら練る→「ちぎって、練る」の工程を略して「チネる」なる創作動詞で表現→この作業を「チネリ」と定義・命名)を発明した。
料理学的に見れば、北アフリカおよびアラビア文化圏発祥の小麦加工品『クスクス』、またはイタリア発祥のショートパスタの1つ『リゾーニ』に分類されるが、そのような知識を全く持ち合わせていない濱口が独自の閃きと工夫で編み出した偶然の産物であり、番組を通じて様々なチネリ料理が発案された。
ただし、このチネリ米の製造効率は極めて悪く、一人分を準備するだけでも半日前後は専念しなければならず、これを1人で製造するとなれば他の作業に著しい影響を及ぼす。加えて、チネリ米を用いる料理には決定的な向き不向きがあり、特にチネリ米で初めて炒飯を作った時は「少量のスープを振って強火で煽ると風味が良くなる」という調理法が完全に裏目に出て『炒飯の味がする小麦団子』が出来上がってしまった(後に改良され、「炒飯風」にする事で問題を解消)。
同時期、1ヶ月バトルに参戦した三瓶は調理師免許を所持する料理人だけあって、このチネリ米の作業効率を追求してパスタマシンを持参、利用するアイデアを披露し、チネリ米製造の高効率化、さらにカサ増しを狙って作った混合炊飯『チネリ飯』として昇華し、チネリ米の新たな可能性を引き出した。
これらチネリ米が世間に与えた影響は大きく、番組スポンサーを務めた大手玩具メーカー『タカラトミーアーツ』とのタイアップでより完璧に、より簡便に、より楽しくチネリ米を作る調理玩具『高速チネリ米製造器 チネリータ』(おひさまイエロー・すもぐりブルー)が開発・販売され、かつて「小麦粉由来の人造米」を黎明期の主力業務としていた大手小麦加工品メーカー『日清製粉』もノウハウを駆使したレシピ公開に全面協力した。
よゐこの無人島0円生活
濱口単独、もしくは有野を同伴した2人で日本国内に点在する無人島に上陸し、番組側が提供する最低限の支給品(小麦粉と調味料、寝袋や防寒衣、濱口専用の素潜りセット)を除いて島で確保した物品のみを駆使し、衣食住を充実させながら2泊3日の0円生活に挑戦する企画。黄金伝説シリーズ後期の主軸を担い、「シュッとしたシュールなコンビ」でありたい望みを捨てきれなかった濱口を変貌させた。
- 『いきなり!黄金伝説。』の節約生活シリーズ「芸能人節約バトル 究極の節約企画No.1決定戦」内で放送されたのが始まりで、第4回までは節約バトル中の特別枠として編集・放送。これが予想外の好評を得た追い風を受けて第5回放送から単独企画として独立し、現在も特番枠で取り扱われている。
- 第7回は大晦日特番の大抜擢を受け、視聴率11.8%を獲得。大物芸能人やその年を彩った著名人を大量キャスティングする豪華な番組が鎬を削り、さらに一年を締め括る定番『NHK紅白歌合戦』が真裏で放送されている中、よゐこ・にしおかすみこ・ギャル曽根・スザンヌといった出演陣で11.8%の視聴率獲得は大健闘に等しい。
- 2008年4月3日、バンダイナムコゲームスのバンダイレーベルから無人島生活を題材にしたニンテンドーDS用ゲームソフト『とったど〜 よゐこの無人島生活。』が発売され、売上本数18万本のヒット作となった。さらに、発売7ヶ月で売上本数20万本を突破し、この功績を讃えたテレビ朝日から編成制作局長賞と事業局長賞を同時受賞。当時の有野の発言によると相当な名誉らしく、「これは凄い事みたい。どちらか一つの受賞はあるが、お二人からというダブル受賞は、ほとんどないらしい」。
- 第7回から約2年を跨いだ第8回も、テレビ朝日開局50周年記念番組『50時間テレビ』(2009年1月30日~2月8日)2月1日分の冠番組の1つに大抜擢され、『よゐこの無人島0円生活スペシャル』として放送。こちらも視聴率12.0%を叩き出す好評を得た。
誕生秘話
とある企画の最中、よゐことして出演する別番組収録の都合で抜けなければならない時、番組ディレクター当時の友寄からいきなり「行かないでください!」と無茶な引き留め要請を受けて口論に発展。必死に食い下がる友寄に対し、業界人らしからぬ非常識に立腹した濱口が「有野が待っとんねん!! 」と珍しく語気を荒げるも、移動を始めたロケバス車中でもなお行く、行かないの口論が平行線を辿った末、遂に「戻らなければ今すぐバスを降ります!」と宣言。
本当に走行中のバスから降りようとする友寄を見た濱口は、売り言葉に買い言葉で「やれるもんなら、やってみろ!!」とは返しつつも友寄の身を案じてバスの扉を閉め、やがてお互いに落ち着きを取り戻した頃に「じゃあ別の企画を考えてきます」とようやく折れた友寄の妥協で決着した。そして、友寄が持ち込んだ「別の企画」こそ途中下車(抜け出し)を認めない「無人島0円生活」だったという。
当初の企画案では2泊3日ではなく3泊4日で計画されており、自ら実地検証に足を運んだ友寄曰く「無人島のような別の環境に置かれると、その環境に慣れるまで3日かかる」。即ち、企画参加者が急に無人島へ放り出されて困惑し(1日目)、知恵を絞り体を動かして数限りない困難に1つ1つ向き合い(2~3日目)、生活に慣れ始めた頃にあっさり終了(4日目)という進行を目論んでいた。しかし、いざ収録を始めてみると友寄曰く「上陸早々にピークな精神状態で無人島生活をこなしており、そこだけは評価している」。つまり、通常なら3日目に訪れるはずの状態で上陸初日から動いたため、それならばと2泊3日に切り替えた。
ところが、最初で最後となる濱口との師弟対決を予想通りの圧勝で幕を下ろした頃から企画発案者の友寄の暴走が始まり、とうとう友寄自身が無人島生活の主演者となってしまった。
関連タグ
ナスD(友寄隆英)
しゃくれ(雌鶏)