概要
尾鰭と尻鰭が極端に発達したひらひらとした姿を持ち、赤を主体にした種が多い。
歴史
原種は突然変異によって赤色(ヒブナ)になったギベリオブナと考えられている。古代中国で飼育が始まり、日本には戦国時代から江戸時代初期までの間に輸入が始まった。人の手による交配と偶然による変異を重ね、作り出された体型・体色の遺伝子パターンは膨大な数に及ぶ。
金魚の飼育ははじめ大名や富商などで行われたが、江戸時代後期の文化・文政時代ごろから庶民にも流通しはじめた。夏の風物詩として浮世絵などにも描かれ、金魚売りがひしゃくで掬わせる金魚すくいの原型や、ガラス容器に入れて室内に吊り下げる金魚玉などの文化があった。
日本国内の三大生産地といわれるのは大和郡山(奈良県)、弥富(愛知県)、江戸川(東京都)。武士が趣味や副業として品種改良に取り組んだといわれ、この時期各地で新種が作られた。
明治時代以降には中国からスイホウガンなど新たな品種が輸入され、水産技術の進歩もあって品種改良はさらに進んだ。さらに、大正時代ごろには針金の枠に紙を貼ったポイが考案されて金魚すくいが縁日の文化として定着、またガラス製の金魚鉢も使用され始めた。
現在では。
飼育方法・特徴
観賞魚として見た目を楽しむことを第一に品種改良されてきたため、「泳ぐ」という魚本来の機能が絶望的なほど脆弱な品種もある。概ね尾びれの形状により遊泳能力が決まり、原種に近いフナ尾では問題がないが、三つ尾などは水流によって衰弱死してしまうこともある。
金魚すくいやペットショップなどで入手された金魚は、病気やストレスなどで早死にするイメージがあるが、本来は丈夫な魚である。飼い始めるときは、0.5パーセントの食塩水または市販の魚病薬で塩浴・薬浴させるとよい。このとき、袋のまま水槽に30分程度浮かべて、水槽の水を少しずつ袋に入れ、温度と水質を合わせるとよい(袋の水は水槽にあまり入れないほうがよい)。
また、過密飼育すると、酸欠や水質悪化を起こしてしまう。大きさにもよるが、5〜10リットルに1匹を目安に飼うとよい。餌を与え過ぎたり、水換えの頻度が少ないと、同じように衰弱してしまうため気を付けること。
本来自然界には存在しない魚(外来種)であるため、飼いきれなくなっても決して川や池などに放してはならない。他の在来生物を駆逐したり、遺伝子汚染などの環境破壊を引き起こしてしまうし、自治体によっては条例で禁止されていることがある。どのような動物であれ、責任もって最後まで飼おう。
金魚って食べられるの?
「金魚は食べられるか否か」という疑問がちらほら見られるが、元々が食用魚であるフナの変種なので食べられない事はない。
が、あくまで観賞用として生み出された魚なので、大抵はゲテモノ料理に分類されており、味については保証できない。
ちなみに「笑点」で有名な林家木久扇は、木久蔵時代度々「食ってもうまくなかった」と回答していた(実際に食ったことがあったかどうかは不明)。
また創作内での話ではあるが、漫画『暗殺教室』の登場人物磯貝悠馬は貧乏故に金魚を食料として集めており、さらに単行本9巻にて料理レシピを公開している。
金魚に関係する言葉
金魚の糞:ある人の人物にぞろぞろ付いていくこと。うんこが長く切れずにつながっているため。ちなみに金魚はおしりの穴をしめる筋肉が発達していないため切りづらい。
金魚に孑孑(ぼうふら):好物をそばにおいて置いては気が許せないこと。「猫にかつお節」と同義。
主な品種
和金 最も一般的な品種。「小赤」の名前で金魚すくいやペットの生餌として販売される。
オランダ獅子頭(-シシガシラ) オランダ産というわけではない。
土佐錦魚(土佐金)
朱文金 (シュブンキン)
出目金(デメキン) 黒デメキンが有名だが、赤デメキンも存在する。
東錦(アズマニシキ)
蝶尾(チョウビ)
別名・表記ゆれ
関連タグ
関連作品・人物など固有名詞
題名
アクアリウム(須藤真澄) 崖の上のポニョ 金魚王国の崩壊 きんぎょ注意報! 渋谷金魚 瑠璃色金魚と花菖蒲
関連キャラクター
ぎょぴちゃん きんぎょ先生 金魚草 金魚に乗る仙女カガリ キンギョのラン 金鱼姬 骸金魚
オトヒメ(ONEPIECE) ダーウィン・ワタソン デメラン・ヤトミス ボトルミク 六平チヒロ
同名の人物
金魚わかな(実在の声優で本名。現在は改名し『美波わかな』の名で活動)
外部リンク
- 水中を舞う赤いドレス。金魚を描いたイラスト特集 - pixivision(2016年7月28日)
- 夏に泳ぐ美しいフォルム。金魚を描いたイラスト特集 - pixivision(2022年8月16日)
- しなやかな鰭。金魚のイラスト特集 - pixivision(2023年9月4日)
- 優雅に泳ぐ。金魚を描いたイラスト特集 - pixivision(2024年7月18日)