「帰る故郷が無いなら作ったらいい」
概要
海賊房太郎とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物であり、24人の刺青囚人の一人である。本編では単行本23巻から登場した。
金塊争奪戦の鍵を握る、本作終盤の重要人物。
プロフィール
人物
本名は大沢房太郎(オオサワ フサタロウ)。
杉元と並んだ時頭一つ分以上抜ける程の長身であり、ふくらはぎ程度まである長髪をしている(本誌掲載時はおよそ胸元までの長髪だった)。ゴールデンカムイでは珍しくない特徴的な眉毛と髭が目立つ美丈夫。
特筆すべきは常人離れした泳ぎの能力。足は36センチあり、手の指の間にある皮は水かきのようになっている。また肺活量も驚異的であり、無呼吸で水深200メートル、30分以上の潜水を可能とする。
子供の頃から木材を川で運搬する人夫として働いていたが、人を水中に引き込んでは溺死させ金品を奪い取るという強盗殺人に手を染めるようになる。確認できるだけで前科は55犯にも及び、看守からは犯行の手口にちなみ「監獄の海賊」「海賊房太郎」の異名で呼ばれるようになった。
幼いころに14人いた家族を全員疱瘡で亡くしており、また疱瘡をうつされる危険から村や集落の人々から迫害を受けて育った。子供時代に味わった孤独感から、自分や家族が二度と疎まれないため、自分と自分の家族を死後も語り継がせるために自分の国を作って王様になるという夢を持つ。理想達成のための資金として、脱獄後はアイヌの金塊を追っている。
カリスマ性があり、「家臣」と呼ぶ部下を何人も引き連れて行動している。部下想いであり、家臣が銃で撃たれた際は激昂していた。
必要とあらば殺人も平気で行い、物事を冷静に見極める大局的な視野と優れた知性を持った食えない人物だが、気さくで情に厚い一面も併せ持つ。白石いわく「寂しがり屋」とのこと。
また、目的のためなら手段を一切選ばないため、若山輝一郎が油断した瞬間を狙って殺そうと、色仕掛けをし男娼まがいのことをして近づく。261話ではエディーと親分とほぼ裸で3人で妙に近い距離で乗っていたところを見ると…実際に男娼をしていたように匂わせる描写がある。
作中の動向
脱獄囚となった後は、同じ刺青囚人である若山輝一郎と接触し、彼の刺青を狙う。しかし、若山から24人全員の刺青が完全な形で残っている可能性の低さを聞かされ、刺青人皮を集めることが無意味であると判断する。
そこで刺青集めをやめ、情報収集による独自の金塊探しへ作戦を変更。
砂金掘り師である刺青囚人・松田平太と行動を共にし、道中の川や湖で砂金のサンプルを集めていた。のっぺらぼうが金塊の輸送に失敗し、船ごと沈んだという噂がある支笏湖へ到達した房太郎は、湖底で砂金のサンプルと共に、刺青と似た模様が刻まれた金貨を拾い上げる。
その後、樺戸監獄に収監されていた家臣たちを解放し、仲間を補充。松田の割り出した北海道中の砂金の産地周辺を調査し、アイヌの集落で聞き込みを行っていたところ、かつてアイヌが隠した埋蔵金に関わっているという人物の弟に行き着く。彼の前に米俵を積み上げ、これと引き換えに金塊が集められた場所を聞き出すことに成功した。
だがアイヌから情報を引き出すために食料や金をばらまいていたため活動資金が枯渇しており、石狩川を渡る蒸気船に目を付け強盗を企てるが、同乗していた杉元一行と偶然はち合わせる。
杉元らと交戦し家臣を全て失うものの、独自の情報を持っていたことから、刺青人皮を失った状態で鶴見・土方勢力を出し抜くための方法を求めた杉元から手を組むことを提案される。刺青人皮を集めたら情報を教える事を条件に協力関係となった。