「いくつになっても 男子は刀を振り回すのが好きだろう?」
概要
プロフィール
入れ墨を持つ脱獄囚の一人。新選組「鬼の副長」で知られた旧幕府の侍「土方歳三」。
三十数年前の函館戦争にて戦死したと噂されていたが、網走監獄に投獄され静かに囚人生活を送っていた。後にのっぺら坊の策略に乗り囚人たちを引き連れ脱獄。唯一のっぺら坊から金塊についての詳細を聞かされているリーダー的存在である。
史実に基づくなら年齢は70代前半と思われる。
人物
一言で言えばかっこいいジジイ。
長い白髪に、高齢とは思えぬ高い身体能力と精神的若さを持つ。新撰組の羽織は着けていない。
利害が一致するならどのような人物でも手を組む懐の深さがある一方、敵と判断した際は容赦のない血の雨を降らせる事となる。かつて新撰組の副長を勤めていた経験からか個性豊かな囚人たちをまとめ上げる高いカリスマを持ち合わせており、永倉新八や奥山夏太郎を始めとした信奉者は多い。
だがシリアス一辺倒の人物かと言われればそうでもなく、鰊漁師や豆菓子売りに扮した際はヨボヨボの老人姿を披露したり、白石救出の前にみんなでおはぎを食べたり(この際、永倉たち共々口元に餡子がついている)、チカパシを膝に乗せて愛刀でチタタプしたりと意外と他の登場人物の例に漏れず同様にノリは良い方である。
戦闘能力
記事冒頭の言葉通り、愛刀・和泉守兼定と共に一味のリーダーでありながら前線に立って戦う。犬童典獄曰く、「最後の侍」。
この他にもウィンチェスターM1892を持ち合わせており、カチコミの際にはこちらを主に使用している。
作中での活躍
脱獄後、他の囚人である「不敗の牛山」こと牛山辰馬や元新選組の永倉新八などに呼びかけ、第七師団と戦う為の戦力をかき集めている。北海道の独立(蝦夷共和国)を目論んでいるが、それがのっぺら坊との確約であるのか、自らの野望であるのかは不明(杉元は「大きな目的が一致するのか?」と分析)。
白石を通じて杉元達の動向を探りつつ、第七師団と刺青を巡って何度も衝突。成り行きから杉元達と一時的な協力関係となったが お互いに情報を隠して牽制し、いつ均衡が破られるとも分からぬ不安定な関係にある。
網走監獄では以前から土方の密偵として暗躍していた門倉看守部長を使って杉元と白石を偽のっぺら坊の元へ案内すると侵入者騒ぎを起こさせ、犬童典獄が本物ののっぺら坊の元へ駆けつけるという大胆なやり方でのっぺら坊の居場所を突き止める。
教誨堂で犬童典獄との決闘を制するものっぺら坊は決闘中に逃げ出し、狙撃され死亡。網走監獄が第七師団に占拠されたためほとぼりが冷めるまで地下の隠し部屋に潜伏。その間に犬童が集めた刺青囚人の情報を元に根室へと向かう。
そして札幌にて再び杉元達と合流するとアシㇼパの知識で偽刺青人皮の判別方法も判明し、遂に金塊が隠された場所を特定。そして自身に彫られた「神」の字に心当たりが…?
土方の蝦夷共和国復活構想
土方が金塊争奪戦に参加した最大の目的は「蝦夷共和国」の復活である。
アイヌの埋蔵金を元手に北海道独立を果たした後、北海道の経済基盤を森林資源の枯渇が予想される林業から炭鉱業に移す。その炭鉱開発を担うのは各国から募った「移民」である。この発想に至る理由として極東の少数民族やロシア人と共存してきたアイヌならば他民族との‘‘つなぎ‘‘になることが可能だと考えたからだ。
国力を増強させ、最終的に共和国はロシアの南下から本州を守る緩衝国となる。そもそも榎本武揚もロシアと日本の近さを脅威に感じたことから緩衝国として蝦夷共和国を設立させたのだ。日露戦争に勝ったとはいえ、賠償金どころか樺太半分しか日本は得られずロシアの南下政策は留まることをしらない。また明治政府の主導も限界に近い。ゆえに北方の守りを蝦夷共和国に委ねさせることで本州の国内発展に注力させる。
つまるところ土方が構想していたのは「ロシアによる南下を食い止める多民族国家」なのである。
余談ではあるが作中の黒幕と土方の思想が一致したことが物語の根幹に深く関わっているので、何気に重要な構想である。
関連タグ
PEACEMAKER鐵 こちらも中田氏が土方を演じた。