概要
アニメ『ゾイド-ZOIDS-』のガーディアンフォース編序盤から登場したガイロス帝国軍、およびガーディアンフォースに所属する軍人。帝国での階級は中尉。
ガーディアンフォースでの階級は明言されていないが、おそらくガーディアンフォース編入前時と同じく中尉と思われる(主人公のバンはヘリック共和国軍人としては少尉、ガーディアンフォースとしては少佐)。
作中では明確に年齢について触れられていないが、某アニメ雑誌の監督インタビューにて19歳と記載されていた。バンの事を「ハナタレ小僧」呼ばわりしていたこともあるので、少なくとも彼よりは年上なのは間違いない。
カール・リヒテン・シュバルツ大佐の弟でもあり、任務先で顔を合わせた時には「兄さん」と呼んでしまい、大佐に「シュバルツ中尉」とたしなめられるのがお約束。
一人称は基本的に「俺」だが、41話にて兄に対して稀に「僕」になるのが確認されている。恐らく元々の、或いは幼い頃の一人称が「僕」だったのではないだろうかと思われる。
愛機
愛機は共和国より友好の証として譲渡されたディバイソンであり、HMM版の設定なども含めると、絶滅に近い状態にあったディバイソンを共和国が飼育下で復活させた実験個体の一体だとされる。
その後、作中で度重なる強化を図っていた様である。作中世界でも屈指の超兵器である「メガロマックス」は長時間のヒートアップに部位が耐えきれないだけで威力はジェノザウラーの荷電粒子砲にも劣らず、スピードに限っても、超高速ゾイドたちと共同作戦を行ったり、グラビティキャノンの余波から脱出したり、など、通常個体とは比べ物にならない。
- HMM版では「メガロマックス」の設定にアプローチするため、トーマのディバイソンは17連突撃砲をエネルギー砲に換装した特別機としている。
自らオーガノイドを参考に開発した戦闘AIの「ビーク」の性能に絶対の自信を持ち(本人いわく「人工オーガノイド」)信頼している。尚、彼とビークの会話シーンではビークの音声はただの電子音でしかない為、どうしてあれで会話が成り立っているのかは全くの不明。ビークのコントロールデバイスはUSBなどの多機能がある他、潜入捜査や白兵戦のためにマシンガンも兼ねている。
人物
帝国最大の技術機関である「ヴァシコヤード・アカデミー」を卒業した秀才であるが、基本的に真面目だが、自信過剰気味で少々お調子者。そして、いわゆるコメディリリーフとして描写されているため、かなり要領が悪い様にも思える。バン達が仲良くしていたという理由だけでルドルフ・ゲアハルト・ツェッペリンIII世を一般人と誤解し、あろうことか無礼な対応をしてしまい後で必死で謝罪している、など、名門出身の軍人としてかなり危うい描写もある。
そのせいで噛ませ役に転じる事も多々あり、レイヴンのジェノザウラーの荷電粒子砲で意識不明にまで陥ったり、まんまと敵の術中に嵌って負傷し入院する破目になったり、ヒルツに捕まった上にディバイソンを奪われたりした事も・・・なので入院沙汰、流血沙汰になった回数は登場キャラの中で恐らく一番多いのではなかろうか?
バンには「デスザウラーを倒した英雄」とは思えない風貌に期待外れな印象を抱いたからか、自分勝手な態度で接することが多く(それまで執拗に敵視したり煽る発言の意趣返しとして)、彼から「トンマ」と呼ばれた事もある。いわゆる愛すべき馬鹿だが、軍人として人々を守るという志は高く、初登場回である39話では、代々耕してきた農地を失っては生活が出来なくなるので避難したくても出来ないという村人達を救う為に、「援軍を待っていては村が戦場になる。それでは敵を倒しても村人達を救ったことにはならない」と強く主張するなど、熱く優しい心根の持ち主である一面も垣間見える。
初登場時は、諸事情によりバン達一行をヒルツ一味と勘違い(ジークが子供を助けたところで赤いペンキがかかってしまい巷で暴れている赤いオーガノイドに見えたことから)し、捕縛したうえにバンが「デスザウラーを倒した英雄」と分かっても認めずに逆上したので彼とはいがみ合っていたが、その際にフィーネに一目惚れ。バンと互いに打ち解け合うまではバンが相手の時とフィーネが相手の時とではがらりと態度が変わっていた。
- フィーネに一目惚れした件について、女好き、または女性に免疫が無いと記載される事が多く、確かに56話では看護婦に対し頬を染める描写もあったが、ムンベイに対しては全く無反応である事から察するに、清楚な女性がタイプなだけのようにも思える(また性格が良くも悪くも堅物なのがスケベな印象もあまりない)。
- 作中で唯一トーマに好意を見せた女性はオーガノイドのジーク(一応性別は雌らしい)である。
- 某ロボットゲームに参戦した際は先に参戦していた面々のグラフィックが少年編のまま(尤もこれは他ロボットアニメのキャラも該当)である為に、本作を知らない人々からは、「一方的に幼女に惚れ込み、いつも一緒にいる少年に嫉妬する」という危ない人だと誤解される事案が発生。ご愁傷様である。
兄との関係
名門軍人の家系「シュバルツ家」の生まれである事からプライドが高く、そのプライドの高さゆえ融通が利かず些細な事で感情的になったりする面もあるが、軍人としての誇りはしっかりしていて、兄であるシュバルツ大佐を『最も尊敬する軍人』と評している。
しかし、幼い頃は文武両道の秀才である兄と比べられた所為で周囲に出来が悪いとバカにされており、何をやっても兄に一度も勝てなかった所為で兄に対してコンプレックスを抱いているのも確かである。
彼が電子工学や機械工学に精通しているのも、兄にはない自分だけのスキルを身につけようと幼い頃からの趣味であった機械いじりを突き詰めていった結果である。
だが自身が開発したビークに頼り切りな面もあり、兄やバンから「機械に頼り過ぎ」と言われた事があった。特に兄からの言葉はビークを完成させた際、これでやっと一人前の軍人として認めてもらえると思っていた矢先に言い放たれており、その一言が彼にとって相当ショックだったようで「兄に突き放された」と、ずっと気にしてきた描写がある。
実力
この様に、性格に難があるような言動とコメディリリーフ的でかませ犬的な描写が多いが、幼い時から真面目で努力家であり、心根がまっすぐで正義感に厚い好漢であるのはほぼ間違いはない。
そして何より、シュバルツ家の名に恥じない超一流のゾイド乗りである事も事実であり、出自も無関係ではないだろうが、19歳の時点でガーディアンフォースに任命されて実験個体のディバイソンを与えられるなどの経歴だけでなく、ハンマーカイザーの撃墜任務に任命されるなどゾイド乗りとしての能力も上層部に認知されており、間違いなく世界を救った英雄の一人である。
彼自身のゾイド操縦技術も成長しており、第58話では宇宙空間で音速の20倍以上の速さでかっ飛ぶストームソーダーをビーク無しで操り、機体が分解しないよう紙一重の動作で敵の攻撃を避けながらアーバインと共に直接攻撃にて敵を撃墜するという驚異的な離れ業を見事にやってのけるまでの域に到達していた。
余談
- 二年前は登場しないが、当時は17歳だったはずなのでアカデミーを卒業していなかった可能性があり、年齢ゆえに実戦経歴も限られていたと思われる。そのために前線には登板していなかったと思わしい。
- ジークとビーク、英雄を家族に持つ、十代にして世界に貢献した英雄である、超高速の接近戦用の肉食獣型のブレードライガーに対して重量級で砲撃を得意とする草食獣型のディバイソン、フィーネとの恋模様、など、バンと共通したり対比させる様なキャラクター性になっている。
- とりあえず彼の活躍が見たいのなら、39話、41話、43話、56話、58話をお勧めする。
- 最終回のエンディング部分の有名な迷言(名言)である「二人の愛にメガロマックス!!」は伊藤健太郎氏のアドリブだったらしい。
- 次回作に登場するジャッジマンやベンジャミンやセバスチャンなどのアンドロイドはこの時代における最先端のAIである「ビーク」よりも大幅に進歩していることとトーマ自体が著名人であることから、「ビーク」のデータが後世に影響を与えた可能性もあるのかもしれない。
伊藤健太郎氏は後に、サンダース(ゾイド新世紀/ゼロ)・ツルギ(ゾイドフューザーズ)・ガルド(ゾイドVS、ゾイドインフィニティ)も演じるようになる。
関連タグ
リュック隊長:中の人はバンと同じであるが緑髪の帝国軍人であり、最初の印象は悪いが後に仲間になる、ディバイソンと似たコンセプトの牛ゾイドを操る、などトーマとの共通点が目立つキャラクターである。
ハリー・チャンプ、ガラガ:やる時はやる男だが、全体的にコメディリリーフだったり、ヒロインに一方的に好意を寄せている点が似ている。搭乗ゾイドが重武装で黒い草食動物型の大型ゾイドなのも似ている(ハリーに関してはアイアンコングも所有)。
ギョーザ…「基本的に自己中心的だが家族思い」、トラウマから特定の物(彼は金銭)に拘る姿勢を主人公に指摘される、相棒が重武装で角が特徴の草食動物型の大型ゾイドなのが似ている。