ゲームソフト「電脳戦機バーチャロン」シリーズに登場する巨大人型兵器バーチャロイドの一種。
一般的には『フェイ・イェン』と表記される事が多い(pixivではたまたま『フェイイェン』が先に多く登録されていたため、現在もその傾向が残っている)。
概要
基本的に“ツインテール”の髪型を模した頭部を持ち、強力なハート形のビームを撃ち出して来る少女型ロボットである。
少女のような外見ではあるものの、パイロットが操縦可能なれっきとした機動兵器である。
どうしてこのような外見になったのかについては、開発に携わったスタッフの趣味及び、プラジナー博士(リリン・プラジナー総帥の父親)が娘の見た目を反映させた為という説がある。軍部からは見た目を改善せよとのお達しもあったようだが、完成直後に博士が失踪してしまったため、設計図の一部がブラックボックス化。モデルチェンジが不可能な状態となってしまったため、結局この見た目のままのレプリカをコピー量産し、前線投入することになったらしい。
当時の前線ではベテランの男性兵士が無理やり乗せられることも少なくなかったが、近年ではフェイ・イェン部隊に所属する女性パイロットが乗ることが多くなっている。更に女性パイロットのスタイルを反映させたオリジナル機を製造するなど、間違った方向で人気を博してきている。
他のバーチャロイド同様に登場作品毎にモデルチェンジと武装強化を繰り返しており、第一世代はセーラームーン、第二世代はアイドル、第三世代はメイドをモチーフとしている。一方で、一部のシステムは未だにブラックボッス化している為、ハイパーモードや、女性らしい仕草をしてしまう点についてはどうしようもないらしい。
なお第一世代は後のDNA、第二世代はRNA、第三世代は旧DNA側を母体とする独立プラント、と世代ごとにフェィ・イェンを使用する陣営が大きく変わっているのも特徴。
第1世代フェイ・イェンの始祖となった物として「オリジナルフェイ・イェン」または「ファイユーブ」と呼ばれる機体(?)が存在する。完成と同時にプラジナー博士と共に姿を消したため詳細は不明だが、リリン総帥の意識や感情がコピーされており、パイロットなしで自由な行動が可能といわれている。
アイディアその物はデザイナーのカトキハジメからセガ側に提案したものである。
ゲーム内での特徴
ゲームによっても若干異なるものの、全般的に機動性が高く、耐久性が低めな設定となっている。
また、体力が50%未満になると金色に輝き、機体の全性能が上昇する「ハイパーモード」の存在がある(作品によっては体力と引き替えに、任意に発動することが可能)。
第一世代
型式番号:SRV-14-A
シリーズ一作目電脳戦機バーチャロンに登場。
天才科学者プラジナー博士が生み出したオリジナルVR、オリジナルフェイ・イェンのレプリカという設定で登場。
後の第二、第三世代よりシンプルな外見だが、その分スラリとした体躯と長いツインテールが特徴。
PS2版「電脳戦機バーチャロン」では、特定の条件を満たすことで、プレイヤーが通常使う機体とは別仕様のフェイ・イェンが最終ボスとして登場、これを撃破してクリアすることで、シークレット設定が解放される。(ヤガランデが使用できる、ジグラットでVRを迎撃する、アサルトやチビキャラがすべてのモードで設定できるetc。ちなみに機体名称はUNOFFICIALとなっている)
第二世代
フェイ・イェン・ザ・ナイト
型式番号:RVR-14
シリーズ二作目電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラムに登場。
他の機体と同様に、よりポップでカラフルなデザインに一新、第一世代をやや幼くしたような、丸みを帯びたものとなっている。
第二世代型フェイ・イェンはRNA陣営の機体となっているが、他のRNA陣営の機体と異なり、頭部はバイザー状のカメラのみで双眼が無い。
これはRNAがVRを作る際、独自技術へ昇華する過渡期にあったことが理由とされる。
フェイ・イェン・ザ・ナイト "Judge Igniters"
とある魔術の電脳戦機に登場する上記のザ・ナイトがベースの改修機。
白井黒子の搭乗を前提にチューンされ、彼女の持つ空間移動能力を活用した強力なブースト・ウェポンを実用化しており、総合的に高い実力を獲得している。
第三世代
シリーズ三作目電脳戦機バーチャロン フォース、四作目電脳戦機バーチャロン マーズに登場。
ツインテールの髪型は継承されているが、前二作とは異なり、ウェイトレス風のデザインへと変貌した。
『フォース』においてはメイン武器を持ち替えたモデルを総称してフェイ・イェンシリーズとし、プレイヤー機体として使用可能となっている。
また、派生機はフォースに所属する特定のパイロットをモチーフとしている機体も多い。
指揮官機として扱われる「+」(プラス)型はヘッドドレスがカチューシャからティアラに変更されているのが特徴。ゲーム上では後述の「シンデレラ・ハート」のみ「+」型が無いがCG集「Cinderella(シンデレラ)」の内容から設定上は「シンデレラ・ハート+も在る」らしい。
なおこの世代に限り、腰部保護装甲「ヒップバンパー」が2種、胸部装甲「チェストシェル」のサイズを4段階から選択可能(その名も「ソーラクス換装機構」。ゲームでもきちんと再現されている)。
ファイユーブ本人を目測して制作したサイズから男性スタッフが妥協して提示したサイズが用意された他、製造中止となったもののフェイ・イェン部隊の女性パイロットを参考にした「ビッグバンX」と名付けられた規格外サイズも存在する。※ソーラクス換装機構はエンジェランにも採用されている。
フェイ・イェン with VH「ビビッド・ハート」
レイピア「愚者の慈愛」を持つタイプ。制式番号はTF―14 A。
RVR-14に近い性質をもつ基幹機種である。
PSO2にて衣装として実装されたのはこのモデルとその色違い。
武器も武器迷彩として実装されている。
また、ロビーアクション「バーチャロン01」では女性用ロビーアクションがこれの
ニュートラルモーションを再現したものになっている。
原作ゲームからモデルデータをそのまま引っ張ってきたハイクオリティの逸品なんだとか。
フェイ・イェン with BH「ブルー・ハート」
大剣「強者の妄信」を持つタイプ。制式番号はTF―14 B。
レミ・ファンソーラ中尉がガキバ・マシュー大佐の景清と交戦した際の機体(バトルダメージと鹵獲使用した大剣型武装デバイスのセット)をモデルにした近接型である。
※本来は完全再現となるとサイドモノテールになるが、ファンソーラ中尉の涙の抗議で「ピッグテール」と呼ばれる現行の仕様のツインテールになっている。
大剣のデザイン変更はファイユーブの仕業。
フェイ・イェン with PH「パニック・ハート」
ボーガン「亡者の懴悔」を持つタイプ。制式番号はTF―14 C。
SRV-014Aに先祖返りした武装をもつ射撃型。
※先述のファンソーラ中尉の本来の乗機はこちら。
これのバトルダメージ版とも呼ぶべき「レミ・ファンソーラモデル」が先述のブルー・ハートの原型である。
フェイ・イェン with CH「シンデレラ・ハート」
トレイ状の武器「ペイシェント・トレー」を持つタイプ。制式番号はTF―14 M。
フォース艦隊きっての人気シンデレラガール・折鶴蘭大尉をモデルにしたレア機体で、上記のソーラクス換装機構は、折鶴蘭大尉が搭乗するフェイ・イェンのために実用化された。
なお、イラストで同機と描かれているキャラが折鶴蘭大尉。マスターピース版公式サイトで公開されたキャラデザイン(デザイン担当:竹)に準拠する物となる。
ちなみにビビッド・ハートとシンデレラ・ハート以外は武装以外にも、頭部、ツインテール部分の形状が若干異なる。各人が放つハート(CW)の名前は、各機の名前に準じる。
フォース版のフェイ・イェンはテクスチャーが「ストライプ有り」と「〜無し」の二種類が奢られており、「〜無し」版のテクスチャーが採用された「リアルカラー」の「3P/4P」版の機体はその配色から「メイド服」として一部で絶大の人気を誇っていた(マーズ版は「〜有り」のみなので、お察し)。
その他
オリジナルフェイ・イェン(ファイユーブ)
裏設定上にのみ登場するバーチャロイド。
天才科学者プラジナー博士が密かに開発した、機動兵器としてのフェイ・イェンのベースとなった機体。
自我を有し、歌と踊りをこよなく愛する自由奔放で明るい性格の14歳の少女の人格を持つ等身大サイズのバーチャロイドで、電脳虚数空間(CIS)と実空間の自由な往来並びに人間形態への変身が可能という、前代未聞の存在。
博士が作り出した三柱のオリジナルバーチャロイドの1体であり、バーチャロイド開発・運営の負の副産物ともいえる「シャドウ現象」に対する切り札として開発された。
TF14/st & TH14/ft
第三世代VRで普及した空間転送技術である「定位リバースコンバート」実行直後に発生するバーチャロイドの一時機能停止現象を解消するために開発された実験機。
プラジナー博士の実娘であるリリン・プラジナーがファイユーブを説得して得られたCIS往来システムの技術が用いられている。
/ftは定位リバースコンバート実験を妨害するSM-06に対抗するために/stを元に
武装を施した機体であり、これを量産したのが第三世代フェイ・イェン(パニックハート)である。
なお量産化はファイユーブに無断で行われたものであり、報復としてファイユーブから第三世代フェイ・イェンに関するデータベースへの執拗な荒らし行為を受けることとなった。(公式サイト―アーケード版フォースの物―でのフェイ・イェン各機種の説明文はこの報復が理由でもある)
フェイ・イェンHD(ハート・オブ・ディーヴァ)
カトキハジメが「月刊ニュータイプ」誌に描き下ろした『初音ミク調のフェイ・イェン』。
後にバンダイより立体化されたが、なんと『初音ミク・フェイスパーツ』付属。
なお『初音ミク・projectDIVA』にも「フェイ・イェンスタイル」として登場。
電脳空間を闊歩していたファイユーブが初音ミクの魂と出会い、彼女に感化されてその姿を変化させたものという設定を持つ。
スーパーロボット大戦では
電脳暦の世界から物語の世界にやってきた、という形で参戦。
第3次α
チーフ(テムジンに搭乗しているフォースの主人公をモチーフにしたキャラクター、大人の事情で名乗らない)、ハッターと共に登場。声優はドラマCDでもファイユーブを演じた樋口智恵子女史。
敵が全く出てこない、会話にもあまり絡まないと所謂いるだけ参戦であるが、パイロット、機体共に優秀で大変扱いやすい。
なお、機体はスタッフの趣味で第二世代のフェイ・イェン・ザ・ナイトとなっている。
(言動などから、なぜかナイトの姿になってしまったファイユーブである可能性が示唆されている。チーフ、ハッターは共にMARZの第三世代の機体に搭乗している)
本作での彼女の戦闘テーマ曲は何故かオラタンでもフォースでもないOMG版の「the wind is blowing」。確かにフェイ・イェンのテーマ曲といえばこれだが。
K
チーフ、ハッタ-、クリアリアと共に登場。今回はいるだけ参戦ではなく、キチンとストーリーに絡んでくる。
装甲はやや薄めであるが、回避・命中が高く、武装の射程が長めなので当てて避けるリアル系に近い扱い方ができる。
気力が一定以上になるとハイパーモードにチェンジする。
搭乗機はフェイ・イェン with VH「ビビッド・ハート」で固定。
『α』同様、彼女の中身は謎とされていたが、後に「スパロボKの世界に救援でやってきたファイユーブ本人である」と公式に明言された。
UX
ハート・オブ・ディーヴァ、通称フェイミクだけが参戦。声優はモチーフ元に併せ、藤田咲が担当している。
いるだけ参戦のイロモノキャラだと思いきや、三度にわたる覚醒イベントや歌姫系キャラとの絡みなど見せ場も多く用意されており、挙句ストーリーの中核部分にまで絡んでいると言う始末。
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こちらもリアル系統ユニットであるが、状態異常で敵を弱体化させたり、Eウェーブで味方を強化するといった役割が得意である。