概要
剣術に精通している人の事を指す。特にネット上では剣専門の戦士、兵士などを指す。
現実の剣士
武器の使用に関しては戦争ばかり注目され、そのような状況においてのみ活用されると思われがちである。その上で刀剣類は戦争では脇役で、あるいは刀剣・剣術は戦場では役に立たなかったといわれることがある。
確かに、戦争ではだいたい脇役であったが、よくイメージされる剣士・剣豪が現れ始めた時代・地域というのは大抵、人権もクソもない、命が羽毛のように軽い社会であることが多く、日常生活上であっても武器の使用は珍しくなかった。
そのなかでも刀剣類は、どこでも持ち込める携帯性の高さとそれなりに使える適度な長さ、例え使わなくとも武器を持っていることをアピールできるので、襲われにくくなるといった理由から重宝され、時に象徴化されることもあった。
(中世ヨーロッパでは剣を帯びてない人は裸同然と見なされたらしい。)
少なくとも現代から400~500年以上前の社会は、現代とは異なる価値観や掟が存在した。当時の人々の中にはことあるごとに他人を殴り付けたり、刃物で斬り付けたりといった暴力行為におよぶ者が少なくなかった。
これは当時の人々が「舐められた(と感じた)ら殺す」という価値観を持っていたためで、現代(日本)では考えられないが、命よりも名誉だとか面子・プライドを守ることの方が大事だと考えられていた。
そもそも慢性的な食料不足で飢え易いし、些細な病気や怪我であっても簡単に死ぬ。法も警察も当てにならないわ、最悪己の身ひとつでどうにかするしかない…という過酷で余裕のない環境で生き残っていれば高慢にもなるし、「舐められたら殺す」だなんてキチガイじみた価値観を持つのもしゃーないない。(舐められないことで生存性を上げるという面もある。)
そういった事情から多くの人々は、戦争の有無や身分に関係なく刀剣を護身用として携帯したし、時に喧嘩や強盗の道具としても使った。
(経済的な事情から刀剣を携帯できない者たちは、ナイフや鉈を長大化させたものを携帯することもあった。それすらできない人は武力のある者に仕えることと引き換えに守ってもらったり、集団化して弱さを補うという方法を用いた。)
戦争においては古今東西問わず飛び道具や長物をメインウェポンとする兵士…つまり弓使い・槍使いが主流を占めていた。
刀剣類は一部を除き、状況によってそれらと使い分けるサブウェポンであり、殆どの兵士が刀剣を携帯していたものの、脇役の域を出なかった。
しかし、そんな弓使い・槍使いも戦場外では剣士に早変わり。
槍をはじめとする長物は年がら年中持てるほど軽くはないし、建物や人里内のような閉所や山林のような障害物が多い場所では使えず、常にそばに置いておくのが難しかった。また飛び道具もそうであるが偶発的に発生する荒事に対応できる武器ではなかったからである。
マンガ・アニメ・ゲーム上の剣士
ファンタジー作品などでは似たような騎士 戦士との差別化として、食客や風来坊、旅人など、特定の組織や規律に属さないフリーな人物として描かれる場合が多い。
また装備としては剣を基本とするが、これも差別化として軽装であり、盾などを使用しない。
戦士や騎士と比べた場合のイメージとしては、攻撃力や素早さが高い代わりに防御面が貧弱、二刀流などさらに攻撃に特化した能力を保持している、魔法関連の能力も戦士系職業では高めなことが多い、などだろうか。
基本的には「やられる前にやる」ピーキーな職業である。前衛を張る職業としては防御が脆いという弱点があることが多い。
作品によっては戦士のような能力(重武装の脳筋型)だったり、全ての能力が平均的なオールラウンダーとして設定されることもある。