概要
セレソンゲームの主催者。
12人の日本代表を選抜しセレソンと名付け、ノブレス携帯を与えた人物。
「義務を果たしたセレソンは自然に自分に会える」としている。
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正体(ネタバレ注意)
「かつて我々は、この国のために何かをなそうとがむしゃらにやってきた。だが今になってあれは過ちだったと歴史の汚点のように言われる。しかし我々とてあの時代には、右も左もわからぬ新人だった。我々の築き上げたものが誤りなら、正解はどこにあったのか?」
「日本人が愛してやまない坂本龍馬も白洲次郎も、実際には綺麗な立ち回り方を選んだが故に、その一張羅に土が付かなかったに過ぎん。だがこの国の本当の救世主は、日々をコツコツと生きた名も無き者たちであり、結果一敗地に塗れ、この世を去った歴史の敗者たちだ。」
その正体は、滝沢らセレソン達がその正体をつかむことができなかった「12人目のセレソン/No.12」にして大手総合商社「ATO商会」の会長兼相談役・亜東 才蔵(あとう さいぞう)。「OUTSIDE」は彼の名前に由来するダジャレである。
第二次世界大戦後の復興期に運輸業(個人タクシー。主に霞が関で官僚を乗せていたとされる。)からスタートし、ATO商会などを傘下に収める日本最大の企業連合「ATOグループ」と巨万の富を築いた大政商で、「昭和の亡霊」の異名を持つ「日本のフィクサー」の一人。
80年代以降は表舞台から姿を消しており、生きていれば100歳になるとされる一方、ゲームスタート時点で既に末期癌でありもう死んでいると思われていた。戦前のヨーロッパへの留学経験があり、自分が好みそうなヨーロッパの思想をセレソンゲームに取り入れている他、ブラジルサッカーに傾倒しており、セレソンゲームのネーミングにはそれが反映されている。
今の日本の礎を築いてきたという自負を持っているが、やがて「日本はこれでよかったのか、自分のやってきたことは正しかったのか」と考えるようになり、日本の行き詰まった現状に危機感を抱くようになった。
その打開策として、自ら個人タクシー「亜東タクシー」の運転手となり、乗客に「100億円やるからこの国をよくしろと言われたら、その金、どう使います?」と質問しその回答を聞き、自分が興味を持った人物をセレソンとして選抜。自分の有する絶大な権力をバックとした力を与えることによって、今一度日本が劇的に変化する瞬間を自分で演出しようとしていた。
また、あらかじめゲーム終了の際には、セレソン達をゲームから開放する名目で「プレゼント」と称し、彼らの記憶を消去することも仕組んでいた。
余談
その容姿や、1980年代初頭にトヨタ・ソアラを愛車としていたこと、戦前のヨーロッパに留学経験があることなどから、白洲次郎がモデルと思われる(なお、亜東は戦後復興期の個人タクシー時代、同じく戦前のヨーロッパに留学経験のある白洲次郎に気に入られて、重宝されていたという)。
また、劇中では100歳の末期癌患者であるとされているにも関わらず、素早い身のこなしを見せるが、これについて神山健治監督曰く「義体化している」とのこと。東のエデンは攻殻機動隊S.A.C.の前の時系列を描いた作品であることから考えれば、納得のいく説明である。