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銀河帝国(銀河英雄伝説)の編集履歴

2020-10-06 21:25:45 バージョン

銀河帝国(銀河英雄伝説)

ぎんがていこく

田中芳樹原作「銀河英雄伝説」に登場する国家。

歴史

銀河連邦(USG)の軍人であったルドルフ・フォン・ゴールデンバウム(ゴールデンバウム王朝)により宇宙暦310年(帝国暦1年)、宇宙暦1年成立の銀河連邦(USG)を簒奪して建国、ヴァルハラ星系惑星オーディンを首都として成立。


帝国暦9年に「劣悪遺伝子排除法」を発布し、身体・精神障害者、労働意欲に劣ると「当局が主観的に判断したもの」、貧困層、反体制派へ圧倒的な弾圧を加え、議会は永久解散、憲法は停止し、完全なルドルフ個人の独裁国家となった。


一方、帝国に弾圧されていた共和主義者たちはアーレ・ハイネセン指揮のもと、無尽蔵にある唯一の資源・氷で宇宙船を建造、「長征1万光年」という苦難の旅を経て惑星・ハイネセンにたどりつき、自由惑星同盟を建国、帝国に廃されていた宇宙暦を復活させた。

自由惑星同盟はその後も、帝国から逃れてきた共和主義者を受け入れ、勢力を拡大させていく。

しかし、亡命者のなかには政争に敗れて帝国を追われた貴族や犯罪者も含まれており、量の上では問題なくとも、質の上では問題となった。

急速に台頭していく同盟に銀河は帝国と同盟、フェザーン自治領に分割され、帝国:5、同盟:4、フェザーン:1という勢力比がほぼ変わらずに続いていくこととなった。


約500年間のゴールデンバウム朝の歴史において、帝国の権力は皇帝と一握りの門閥貴族によってのみ継承されたが、もちろん彼らの末裔すべてが有能というわけではなく、閣僚や高級官僚、果ては最前線に立つ艦隊司令官に至るまで能力ではなく血脈で選ばれていくこととなった。

それらの人事によって生まれた弊害は自由惑星同盟との戦いによって顕著になっていくが、当初は清新だった同盟も膠着した戦いの末腐敗が進んだことによって、いずれにとっても致命的なものにはならなかった。


しかし、長く続いた膠着も「戦争の天才」と呼ばれるラインハルト・フォン・ローエングラムが帝国に登場したことによって変わっていくこととなる。

皇帝・フリードリヒ4世に取り立てられたラインハルトはもともと「寵姫の弟」であり、下級貴族の出でもあることから門閥貴族が上官を務める軍上層部の受けが悪く、ラインハルト自身も皇帝の威光によって物事が決められることを快く思ってはおらず、いつしかゴールデンバウム王朝を倒して銀河を統一する野望を持つに至った。

軍事的才能に恵まれたラインハルトは同盟軍の艦隊を幾度も破り頭角を現していく。それらの武勲を帝国軍上層部は苦々しく思いながらも、武勲は武勲として認めないわけにもいかず、ラインハルトは20歳の若さで帝国軍宇宙艦隊司令長官に就任した。

門閥貴族側もラインハルトの台頭に危惧を覚えるようになっていた。権限が大きくなるしたがってラインハルトの政治的野心が鮮明になっていたからであり、彼の部下たちも能力によって選ばれた平民や下級貴族の出身のものが多くなっていたからであった。


ことが起きたのは皇帝・フリードリヒ4世の崩御後であった。門閥貴族たちが帝政を壟断することを望まない国務尚書リヒテンラーデ公爵はラインハルトと手を組んで門閥貴族連合軍を殲滅、その直後、宇宙艦隊副司令長官ジークフリード・キルヒアイス上級大将がアンスバッハ准将に暗殺されたことを機に(オーベルシュタインの策略を基にして)ラインハルトは黒幕にリヒテンラーデ公がいるとして公爵を処刑、帝国の実権を握った。


その後、幼帝・エルウィン・ヨーゼフ2世の自由惑星同盟への亡命が皇帝の意思によるものではなく、門閥貴族の残党と同盟政府の策略によるものとして、宇宙暦799年にフェザーンと自由惑星同盟を実質的に制圧、ラインハルトはゴールデンバウム王朝最後の皇帝・カーザリン・ケートヘン1世からの譲位を受けて即位、新銀河帝国(ローエングラム王朝)を開き、新帝国暦を発布した。

更に宇宙暦799年(新帝国暦1年)銀河帝国領フェザーンへ首都が移された。


ラインハルトの基本的な政治姿勢としては、「新たな貴族階級」を作らない、徹底した「実力優先主義」であることから、新たに登用された閣僚・官僚は実務的な人材が中心となった。


宇宙歴800年(新帝国歴2年)、同盟の首都星ハイネセンに駐留していた高等弁務官・ヘルムート・レンネンカンプ上級大将が同盟軍・ヤン・ウェンリー元帥の逆襲にあって拉致されたのを機に帝国は同盟を併呑、ローエングラム朝銀河帝国は銀河をほぼ手中に収めた。その一方でヤン・ウェンリーは地球教のテロにあい死亡、ヤンの一党が籠るイゼルローン要塞は民主共和制最後の拠点となった。


宇宙暦801年(新帝国暦3年)、不治の病に倒れた皇帝・ラインハルトを前にイゼルローン軍の軍事指導者ユリアン・ミンツは帝国にも憲法と議会を作る必要があると力説、しかし、ラインハルトはそれらの政策を受け入れるとは確約せず、皇妃・ヒルダに提案を説明するよう話すにとどまった。その後、同様の政策を元自由惑星同盟最高評議会議長ヨブ・トリューニヒトが帝国側の政治家・官僚と進めており、それが実現間近であったことが発覚した。


皇帝・ラインハルトの崩御後、ローエングラム王朝に憲法が制定され、議会が創設されたかは描かれておらず、どのような政治形態になったかは明らかにされていない。


政治形態

主な政治形態は皇帝を頂点とする専制政治体制。

ゴールデンバウム王朝時代では立憲君主制からの独裁政治を辿り、後のローエングラム王朝では専制政治体制を敷いているがラインハルトに権限が集中していた為、軍事独裁性が強い。(読者からは勿論、作中においてさえラインハルトに戦争狂的な一面があることは批判の対象になっている)


専制政治体制ではあるものの、ラインハルトは民衆が為政者に何を求めているか(公平な裁判と公平な税制)を理解しており、かつ直近のゴールデンバウム王朝時代からすれば考えられないほど平民に対して充実した社会福祉政策を施行している為、国民からは絶大な支持を得ている。それをヤン・ウェンリーは「理想の専制君主(であるがゆえに民主主義にとっては最大の敵)」と評している。


名称

兵器…北欧神話からの引用が多い。

人名・都市名…ゲルマン風、特にドイツ系統に統一されている。

(同一部抜粋)

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ゴールデンバウム王朝の紋章

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ローエングラム王朝の紋章


関連項目

銀河英雄伝説 銀河帝国の登場人物(銀河英雄伝説)

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