物質の状態としての「ガラス」
「動きが凍結した液体」(アモルファスの固体)のことをガラス状態という。ガラス状態になるのは特定の物質のみであり、その存在は物性物理学上の大きな謎とされる。
素材としての「ガラス」
ガラスには多くの種類があるが、人間に利用されるガラス状態の物質の多くは可視光線に対して透明であり、硬くて薬品にも侵されにくく、表面が滑らかで汚れを落としやすい。このような特性を利用して、窓ガラスや鏡、レンズ、食器などにおいて広く利用されている。
「割れやすい」「もろい」というイメージがあるが、現在は技術の進歩で必ずしも割れやすい物ではなくなっている。
ちなみに、極微量のウランを混ぜると黄緑色の蛍光を発する美しいガラスになる。ただし、現在は民間でウランを扱うことが困難ゆえほとんど生産されていないので、大半がアンティーク品として出回っているのみである。
また、酸化鉛を混ぜたものは透明度と屈折率が高くなりクリスタルガラスと呼ばれる。食器用クリスタルガラスでは通常の使用条件下において問題になるような鉛の溶出はないが、鉛を含んでいるということで輸出入などでは管理がされることがある。また、鉛の含有量を高くしたものは放射線の防護用ガラスとして使われる。