- 北欧神話に登場する狂戦士ことベルセルク(アイルランド語)のドイツ語読み。英語読みだとバーサーカー。
- 装甲騎兵ボトムズに登場するロボット(アーマードトルーパー =AT)の一種。
- メダロットシリーズに登場するロボット(メダロット)の一種。
ここでは2について解説する。3に関してはこちらを参照のこと。
概要
クエント星のゴモル市傭兵センターで開発されたATで、H級に属する。
クエント人傭兵のために開発されたATであり、巨躯のクエント人にあわせて一般的なATよりも大型(H級ATだが、クエント人傭兵には一般のギルガメス兵に於けるスコープドッグのそれに近いサイズ感覚となる)。
頭部に装備されたクエント素子を利用した金属探知センサー、左腕に装備したパイルバンカー内蔵のシールドが特徴的。
TVアニメ作中ではクメン編でル・シャッコがWPタイプに、クエント編でフィアナがDTタイプに搭乗した。
なお、基本的にクエントの職人によるオーダーメイドであるらしく、統一的な仕様というのは存在しない。
あえて言えば格闘用の巨大なパイルバンカーを装備したシールドを持つ事であるが、これはあくまでも「有名な機体」の共通点である。
その騎士然としたキャラクター性の強いデザインはある意味では『ATらしくない』が、それ故に人気も高く外伝「青の騎士ベルゼルガ物語」では主役に抜擢されている。
バリエーション
ベルゼルガWP
クメン編に登場した、視聴者にはメジャーなタイプ。
湿地戦用なので、ダイビングビートルやスタンディングタートルと同じくスワンピークラッグを持っている。
形状が似ているため、二次設定ではダイビングビートルの部品が流用されていると言われることもある(一方、製作者側は首を捻っていたりする)。但し、本放送時に販売されていた1/35スケールのプラモデルは脚部分のパーツが実際にダイビングビートルと同じ金型で成型されている。クメン編の本機は整備性の問題から脚廻りだけビートルのそれに換装していた、とも考えられる。そもそも、先述の「製作者側は首を捻っている」件は、質問内容自体が「誤解に基づく」物を製作者側にぶつけた結果である。
※「ベルゼルガの開発ベースはダイビングビートル?」と言う趣旨の質問。それでは製作者側も首を捻らざるを得ない―そんな設定は作っていないのだから(「装甲騎兵ボトムズ AT完全設定資料集」では設定制作を担当した井上幸一氏が「ビートルの部品を使っている話は何処からか?形は似ているが、部品のサイズが合わない」とコメントしており、製作者側は首を捻ったとの話はこれを指しているのかもしれない。つまり、件のスタッフは放映当時のプラモデルの開発事情を知らなかった事になる)―。マッスルシリンダーや各種電装品関連の整備上の流用は行われているだろう。
『幻影編』にも登場。搭乗者は変わらずル・シャッコ。
こちらはシールドやバックパック、脚部のデザインが変更されている。また、TV版ではいまいち不明だったパイルバンカーの作動方式だが、この機体のものは炸薬カートリッジ式になっている。
ベルゼルガDT
クエント編でフィアナが搭乗したタイプ。
砂漠戦用として、脚部にサンドトリッパーを装備している。
もともとはポンコツ同然の機体をシャッコが乗ることを想定してゴウトが整備したもの。
フィアナ機の本体はクメン編のシャッコ機よりも旧式だが、装甲強度のみ勝っている。
ところどころに赤色が入っている。
あまり立体化に恵まれないが、最近ではいくつか立体物が出てきている。
第3次スーパーロボット大戦Zでは、本来の想定通りにシャッコの乗機となっている。
ベルゼルガ・イミテイト
OVA・ビッグバトルでシャッコが搭乗したタイプ。
模倣・再現を意味するイミテイトの名の通り、スコープドッグがベースとなっている。ミッド級の機体なので、シャッコには相当窮屈な筈だが…。
ベルゼルガ・ブルーナイト
外伝小説・青の騎士ベルゼルガ物語の主役機。通称「ベルゼルガBTS」。殺されたクエント人シャ・バックが使用していたものを主人公ケイン・マクドガルが引き継いだ。
シャドウフレアとの戦いで大破するまでの改修前と、改修後の「スーパーエクスキューション」では外見や性能が異なっている。
劇中でオリジナル機のパイルバンカーを損失したため、他のベルゼルガ(通称グレーベルゼルガ)から杭を移植している。
また、スーパーエクスキューションはメルキア軍情報将校ミーマ・センクァターの協力により、FX-ATの部品を使用している。
ベルゼルガ・テスタロッサ
「究極の……機体なのか」
「違う。最強だ」
正式名称ATM-FX∞(アンフィニ) ベルゼルガSSS-Xテスタロッサ(この型番はFX系規準なのでM級とはいえ先述のスーパーエクスキュージョンとサイズに大差はない。但し、画像から判る通りコクピットは狭い)。
「ベルゼルガ物語」最後の主役機。いろんな意味でATの枠を逸脱したすごいやつ。
それもその筈、「ATでは倒せない相手」に対抗するために「ATを超える存在」として技術の粋を集めて製造された機体である(搭乗の為の降着機構等はあるが動力と駆動系は「ジェネレータ/アクチュエータ」方式、且つ機体各部がユニット化されている等、機構自体が「ATと別物」となっている。そもそも頭部自体、所謂「センサーヘッド」となっている。但し、駆動機構の補機としてMC(マッスルシリンダー)とPR(ポリマーリンゲル)液を用いたジェネレータも搭載されている。頭部センサーにシャドウフレア型ATの縦長センサーも採用されているのは、ミーマが「より精度が高い」と判断した事による)。
第一部終盤で大破したスーパーエクスキューションのパイルバンカー(特殊な単結晶素材製)を受け継いでおり、超古代文明(アストラギウス銀河とは別の銀河の物)の産物である「キューブ」の力を引き出す事ができるため、「キューブ」を搭載した後は正に常軌を逸した力を手に入れる。
性能は高いが、全力を出す際にはパイロットに殺人的な負荷を課す乗り手を選ぶ機体。
超古代兵器レグジオネータとATのレベルを遥かに超えた激闘を繰り広げた。
なお、(憶測に過ぎないが)どうもタイラント・ソードが(デザイン担当の藤田一己氏の「お遊び」で)『マシン・マキシマム』繋がりの「裏モチーフ」に採り入れられているフシが有る(特に顎周り)。
ATH-Q01ベルゼルガ
クエントで最初に誕生したへヴィ級AT。 ATH-06STスタンディングビートルを改造して生まれた初代ベルゼルガで、後に誕生するベルゼルガタイプのATに採用されている金属探知センサーと実体シールドが採用されているが杭打機は装備されていない。 胴体部に11mm機銃と腕部にアームパンチが採用されているのが特徴。
ATH-Q63ベルゼルガST
ベルゼルガタイプの標準型。WPとは、スワンピークラッグを始めとした湿地帯走破用装備が施されていないが性能に大きな差がない。
ATH-Q63ベルゼルガ ファイティングカスタム
正規軍に所属・活躍していた頃のシャ・バックが搭乗していたベルゼルガSTの改修機。電磁誘導式のアームパンチ機構を組み込み、杭打機を火薬射出式に改修されているのが特徴。
シャ・バック亡き後、ケイン・マクドガルに継承されバトリングで活躍する。
立体物
- タカラ(現:タカラトミー)より1/35スケールの模型としてラインアップ(仕様はWT)
- ユニオンモデルより、1/60スケールの模型としてラインナップ(仕様はDT)※これがDTの初マスプロ商品
- ガシャポン「SDボトムズフルカラー」にラインナップ(仕様はWT)※現在は、入手困難
- WAVEより1/35スケールの模型としてラインナップ(仕様はDT)
- スーパーミニプラシリーズにてラインナップ。(ブルーナイト、スーパーエクスキューション、ベルゼルガ・テスタロッサが各々ラインナップ)
- 他にもベルゼルガ・テスタロッサ等がボークス他から度々商品化されている(本記事の紹介機体はDTとイミテイト以外は過去にマックスファクトリーから1/24スケールのソフトビニール製組み立てキットとして商品化された事が有る)。
小話
生みの親の大河原邦男氏曰く『見ためのとおり【騎士】を主眼にデザインしました。 装飾も施されているので、【ライバル機】としてのポジションも考えていたのかもしれません。』とコメントしている。 また杭打機のアイディアは、監督の高橋良輔氏によるものだった。
はままさのり作【青の騎士ベルゼルガ物語】での、本機の名前は古代クエントで異能者を追い払った勇者に由来している。