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レグジオネータ

れぐじおねーた

レグジオネータとは、『装甲騎兵ボトムズ』の外伝作品『青の騎士ベルゼルガ物語』に登場した架空の兵器である。
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概要編集

一応アーマードトルーパーに分類されているが、作中年代の技術で造られた兵器ではない。

メルキア地下、地質年代にして約5000年前の地層から発掘された古代兵器である。アーマードトルーパーに似た人型の意匠を持つが、禍々しいまでに漆黒の機体には有機的な特徴を数多く備え、過去を含めアストラギウス銀河の技術体系から大きく外れた未知のテクノロジーで造られており、如何なる術を以てしてもそのほとんどが解析不能であった。また、使われている技術のレベルもアストラギウス銀河のものを遥かに凌ぐ高度なものであり、作中の設定ではアーマードトルーパーの原型となったMTは更にこの機体を基にしているとされる。



性能編集

ベルゼルガ・テスタロッサと並び称されるシリーズ最強の規格外の超性能を誇る。そのマッシブな外見通り並みの攻撃では歯が立たない重装甲と圧倒的なパワーを有しており、それにもかかわらず凄まじい機動性を発揮することが可能。むしろこの重装甲は機体を守るためというより、制御しきれないほどに凄まじい本機の圧倒的な機動性を制御するためのウェイトとして機能していると言われている。

武装らしき武装を搭載していないが、その超性能故に素手の状態でも高い戦闘力を発揮することが可能であり、腕を振って放電現象を引き起こすという超常的な攻撃方法を持っており、その威力は遠距離からFXタイプの装甲を意図も容易く切り裂き破壊してしまうほど高い。そこから発揮される戦力比は、通常状態でも800機のATを単機で殲滅出来るほどであり、当然ながら操縦者が機体の操縦に馴染めば発揮される戦闘力は更に向上する。しかし一方で、それ故に普通の人間にはとても乗りこなせない危険な機体となっている。


機械でありながら自我や意思のようなものを持っており、自身を扱えるだけの高い能力を持った人間のみで文明を作るという目的の下に行動している。そのため、自身を扱える人間をパイロットとして確保し逃がさないようにするため、コクピットには洗脳装置が搭載されている。



作中の活躍編集

本作のラスボス兼ラスボス機体として登場。起動後、目的達成のために様々に暗躍する。主人公ケインのクローンであるK'が乗り込み、ケインの駆るベルゼルガ・テスタロッサとアーマードトルーパーの枠を超えた超常バトルを繰り広げた。


実態編集

こいつの中身は「凶兵器ヴァン・ヴィール(本作との連動を前提としてリブートされた「ソノラマ文庫」版では「兇~」に表記が改められている。但し、ソノラマ版は続巻の刊行が成され無かった為、話をどう繋げるつもりだったのかは定かでは無い)」のタイトルロールにもなっている全高2、5メートルの人型兵器(「アーマ・フォルモ」と総称される「ロボットよりはマシーンに近いカテゴリー」の機械)。この全高が成立するのは、パイロットの着座姿勢がF1のレーシングカーのそれと同じ為である。

レトラ・トライブが増加装甲の下に見た「鉤形の組み合わさったような」エンブレムはヴァン・ヴィールの頭文字「twin『V』」を象った物である。

レグジオネータの謎の武器や防衛機能は、そもそもシステムとして組み込まれた物では無く、莫大なエネルギーが自然放電された結果、金属等の「電導体」との間で「プラズマ溶断機」と同等の現象が発生した「結果」である(つまり、ミーマ達はATの装甲を不導体コーティングする事で「飛び道具」は防げた。…しかし、最大出力の放電はそれだけで周辺大気を高温化させる…)。飛行/高速移動能力も、その電磁気学的特性を利用して惑星の地磁気に対しての反発/吸引を制御する形で行われている(そもそも、その特徴的なシルエットは大気圏内での先述の特性を利用しての高速機動戦を前提とした物である。…他にも理由は有るが、そちらは「ヴァン・ヴィール」本編に関わる事なので、ここでは省く)。それだけの出力を叩き出すジェネレーターだが、その実態は燃料に「特殊な触媒と反応させる事で爆発的に気化する化学薬品(ソノラマ版ではズバリ「液体爆薬」だったが)」を用いた「ロータリーエンジン」に過ぎない。

むしろ重要なのは、そのエンジンに「ブラックボックス」として組み込まれた「生体過給システム」である。「生体過給システム」とは「ある恒星間探査船が重大な危機に見舞われた際」に艦載コンピュータが脱出手段として導き出した技術で、平たく言うと「内燃機関等の出力を人体を介して増幅する」システムである。

実はレグジオネータ=ヴァン・ヴィールの洗脳機能、並びに「メルキア騎士団」計画、果ては「異能者/ワイズマン」の誕生に結び付いた同機の行動原理は、このシステムの技術を残そうとする技術者グループの妄執に基づく物なのである。

レトラ・トライブ等テストパイロットの疲労度が機体への装甲(=ウェイト)の追加、さらに本来の燃料が底を着いた事による「質の劣る代替燃料(作中では、これが「ポリマーリンゲル液」の元になったとされる)」への切り替えで「むしろ」増大したのは、同機が生体過給に出力の主軸を切り替えた事による。



余談編集

2020年9月にスーパーミニプラの発売が決定したが、残念ながら「中身がヴァン・ヴィール」である原作描写を反映した物では無い(この辺りのリサーチ不足は既発売の「ウォリアー・ワン」の配色にも見られるが・・・)。


『青の騎士ベルゼルガ物語』が『装甲騎兵ボトムズ』のファンから異端視されるのは、主にレグジオネータの設定とその存在が描かれた第四巻の内容の為である。少なくとも第三巻までの内容であれば外伝作品によくある「作中世界の一部で起きていた事件」で済まされていた。

だが第四巻の内容は

・ギルガメス・バララントの各陣営を問わずメルキア以外の可住惑星が住民諸共全て破壊される(原作でも戦争初期は惑星破壊ミサイルでの可住惑星破壊が行なわれていた描写がある)

・メルキア内にも特定の耐性を持つ人間以外は死滅する細菌化学兵器(バララント軍が用いた『血友弾』《血友病を人為発症させる化学薬品を仕込んだ弾》を広域拡散兵器に改良した物)がばら撒かれ、人類の大半が死滅する

・その結果、アストラギウス銀河系の人類がメルキアで生き残った千人に満たない人間までに減り、国家や軍など形成出来ない状態までに追い込まれる

・それら全てを画策主導していたのがレグジオネータ

・そもそもアストラギウス銀河系の生物を人類へと進化させ文明を築く契機を与えたのが、大破した自身を修復するだけの技術を持つように仕向けたレグジオネータによるもの

・上記の通りレグジオネータの出自は製作に関わった人物の手掛けた他作品の設定を流用した物

などのとんでも設定が(作者なりに伏線を仕込んでいたのであろうが)唐突に出てきており、原作における超常者であるワイズマンの存在との設定上の整合性なども取られていない(ワイズマンの正体である「異能者」との関連は『メルキア騎士団計画』に関するレトラ・トライブの台詞で触れられている為、ここは『誤解』)。この辺りが原作ファンから問題視されている。


だが、この対談で幡池裕行氏は本作『青の騎士ベルゼルガ物語』を『N字創作』と主張している為、原作との繋がりの整合性をとやかく言う事自体が間違い・・・と言うのが幡池サイドの意向らしい。


そもそも、デュアルマガジン版の時点から本作は伸童舎が展開していたAT開発史、特に『FX(フェックス:次期主力AT開発)計画』有りきで作劇が進められている。

ソノラマ文庫版でのリブートに際し、はままさのり氏の暴走が有ったとは言え、『ATの進化』を望む層のニーズには答えていた作品で有った事は考慮するべきだろう(作品の内容はともかく登場した各ATのデザインは高い人気を得ている)。



関連項目編集

装甲騎兵ボトムズ 青の騎士ベルゼルガ物語 アーマードトルーパー

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