阿武隈急行
あぶくまきゅうこう
概要
宮城県南部と福島県北部を通る阿武隈急行線を運行する第三セクター鉄道会社。本社は福島県伊達市梁川町に存在。
1986年に国鉄丸森線の槻木-丸森間と日本鉄道建設公団が建設中の路線を継承し、「阿武隈急行線」を暫定開業した。その2年後に丸森-福島間の開通による全線開業・交流電化を経て現在の路線になった。JR東日本東北本線を直通して仙台駅に乗り入れる列車がある他、かつては逆に郡山駅からのJRの直通列車も存在した。なお国鉄・JRグループ以外の鉄道会社としては日本初の交流電化路線となる。
車両
暫定開業当初は国鉄からキハ22を借り入れ、自社オリジナル色に塗り替えて運用していた。
全線開業・交流電化に合わせ、自社発注の交流電車である8100系9編成18両を導入した。なお借り入れたキハ22は国鉄を継承したJR東日本へ返却されている。
これとは別に2008年10月よりJR東日本元417系1編成3両を導入し、A417系として朝夕ラッシュ時の富野~福島間の折り返し列車などに運用していたが、2016年3月の改正をもって運用を離脱した。
2019年よりE721系をベースとした車両であるAB900系が導入されている。形式名は見ての通り略称の「阿武急」の語呂合わせである。
こちらは編成ごとに車体色が違い、沿線市町村の特徴をイメージした青・緑・赤・黄・桃の5色×各2本が投入される予定である。
2020年2月時点で2本投入済み。
年1本のペースでの新製が予定されており、これに伴い車両基地内に留置されていたA417系が正式に廃車となったほか、8100系もこれに合わせ順次廃車されている。
路線
阿武隈急行線 (福島~槻木駅間 54.9km)
車両基地は本社所在地にほど近い伊達市梁川町にある。
東北本線白石〜福島間の急勾配を避けるためのバイパス路線として計画されたためか、凡そ阿武隈川沿いに敷設されている。
なお、令和元年台風第19号による被害に伴い、丸森~富野間で長期間運転を見合わせていた。一部駅のホームが損壊するなど被害が甚大であったが、2020年10月に暫定復旧した。ただし当該区間は以降も工事が続いており、徐行・減便が行われている。完全復旧は2021年3月の予定。