概要
1988年(昭和63年)11月、東京・綾瀬で少年グループが工場でのアルバイト帰りの女子高生(当時18歳)の自転車を少年の一人が蹴り、言いくるめて女子高生を誘拐し少年の一人の自宅に監禁した。その後、聞くに堪えない激しい暴行や虐待を加え41日後に死に至らしめた事件である。犯人の少年の主犯ら4人は逮捕され、それぞれ裁判で刑が確定したが、犯人には出所後も社会に出て更生はおろかこの犯行を引き合いに自慢げに語る者までおり、未成年による凶悪事件として現在でも語り継がれている事件である。この事件の主犯格である人物の詳細は、「桐生ココ」を参照。
事件名は当時、処分に困ったその遺体をコンクリート詰めにし、東京湾埋立地に一人の人間の遺体をゴミのごとく捨て去ったことに由来する。別件での警察の揺さぶりによる犯人側の自供による発覚のため、白日の下にさらされず暴かれない可能性も充分にあり得た。
11月も終わりに入り、娘が突如の行方不明となり、周囲が新年を祝う中で娘の安否もわからぬまま娘の無事を祈って不安な年越しを迎え、年が明けて冬の終わりとともに告げられたのが娘の訃報とは遺族の心境は察するに余りあるものであろう。
逮捕された犯人たちの一人は少年院でいじめられ、引きこもりになった、とニュース番組の取材で報じられている。
しかし、犯人の一人は、出所後、支援者と養子縁組をして名字を変えていたが、2004年に監禁事件を起こして逮捕。更に、もう一人も2018年に傷害事件を起こして逮捕され、犯罪者の更生の困難さを世に知らしめた。
その他
- 事件当時、余りに残忍な犯行から週刊誌はこぞって犯人たちの実名を掲載したことがきっかけで、今後の少年法のあり方について活発な議論がなされた。
- また、監禁場所となった一家の自宅は現在も活動中の某政党に政治献金を行っていた家庭であり、模範党員として赤旗の表彰を受けたことが当時の新聞に記載されている。中にはこの事件=某政党を連想する人も少なくなく。そのためいくら主義主張はもっともな事を言っていてもこの事件のインパクトがあまりに強すぎてどうしても某政党を支持する気になれない…と主張する国民はかなり多い。
- インターネット上でも、この実名報道に触発される形で、犯人たちの実名とその関係者をお暴きだそうとする動きが活発化したが、その過程で事件とは無関係の人物までも「犯人一味」としてやり玉に挙げられ、誹謗中傷の標的とされることもあった。お笑い芸人のスマイリーキクチも、同様のデマを流されたことから、長年ネット上で中傷・脅迫の被害を受け続け、一時は悪質な一部のユーザーが警察に摘発される事態にまで発展し、噂がデマであることが広く認識されるようになってからも、その影響で芸人としてのイメージが崩れ、長らく仕事のオファーが激減、その後も一部の中傷者による殺害予告が原因で仕事がキャンセルになるなど、事件とデマが与えた悪影響は現在まで及んでいる(スマイリーキクチネット中傷被害事件)。
モチーフとした作品
あまりの残虐さから、漫画やドラマに小説などのモチーフになることが多い。
- 「真・現代猟奇伝」
氏賀Y太による漫画作品。ただし被害者の容姿や名前は大幅に実際とかけ離れたものにしてある。
原作・天樹征丸、作画・さとうふみやによる漫画シリーズのうちの1エピソードであるが、本作の背景になっている事件は本事件をモチーフとしている。2014年の「金田一少年の事件簿R」にてアニメ化もされている。