概要
pixivユーザーのムスビ氏によってpixivやX(旧Twitter)で投稿されている『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』の二次創作漫画。原作に近い緻密な作画で原作よりぶっ飛んだジョースター一家に翻弄されるディオの受難を描くギャグマンガである。
作風
原作の様に濃くシリアスな作画に反して、ジョースター一家をはじめとする自由過ぎる登場人物たちは勿論、19世紀には到底存在しないスマートフォンやUVクリームなどの現代テクノロジーが当たり前に登場するなど、非常に緩くフリーダムな作風。巨悪であるディオの野望によって引き起こされるはずの悲劇が悉く阻止されてしまうため結果的に原作と真逆の(ディオ以外にとって)平和な物語展開となっている。また、時折『鬼滅の刃』や『RRR』などの小ネタが差し込まれるのも特徴。
登場人物
ジョナサン・ジョースター
一応主人公。ディオの天敵その1。
原作同様純粋で心優しい性格の好青年なのだが、やることなすこと全てがディオのストレスになってしまう天然アホの子。
原作以上の親バカとなっているジョースター卿に育てられたためか食事などの作法はボロボロであり(ディオ曰く2歳児の食卓)、またそれをジョースター卿から叱責された際に「食事中に怒鳴るのもマナー違反」と逆ギレしたり、「カエルの足をひもで結んでひっぱり回す」「股の間からカラスに向かって石を投げる」等の悪趣味な遊びに興じたり、論文をChat GPTで書こうとしたりと、どうも紳士とは言い難い面も目立つ。
あまり人の話を聞かない悪癖があり、ディオに対しても心から友情を感じているもののディオの非難を無視して一方的に善意を押し付けたり見切り発車で行動を起こしたりしてディオに余計な迷惑をかけていることが多い。
ディオ・ブランドー
もう一人の、そして実質的な本作の主人公にして最大の被害者。
基本的には原作とあまり性格は変わらず、ジョナサンを蹴落としジョースター家とその財産の乗っ取りを狙う邪悪で自己中心的な野心家・・・なのだが、当のジョースター家やその他の人物が自由過ぎる天然バカばかりな為、マトモに悪事を働くことが出来ないどころか逆に振り回されてしまう苦労人にして本作きっての常識人。
少年期はジョナサンに対する嫌がらせを殆んど実行できないままダニーに深手を負わされ、7年後遂に財産を乗っ取る為に毒薬をジョースター卿に飲ませる計画を実行に移そうとするが、それもダニーに邪魔されてしまう。
計画が頓挫し途方に暮れたままジョナサンとのストレスフルな日々を過ごしていたが、ある日お茶目な写真を撮りたいジョースター卿に無理やり石仮面を被らされた際に鼻を負傷、鼻血を出してしまった結果、石仮面が作動し自らも気が付かない間に吸血鬼になってしまう。
その後ジョースター邸が全焼し財産が失われたことで野望が閉ざされ、さらに火傷の後遺症(実際は吸血鬼化の影響)で日に当たれない要介護な体質になってしまったために本来用済みのジョースター一家から離れることも出来ないというあんまりな状況の中で、ジョナサン達に振り回されながら日光を克服するための旅に出ることとなる。
因みにワンチェンによると「目の前にチャンスがぶら下がっていても周囲からの愛情にがんじがらめにされて身動きがとれず欲しいものが何一つ手に入らない人生」を送る運命にあるらしい。哀れ。
ジョースター卿
ジョースター家の当主にしてジョナサンの父。ディオの天敵その2。
極度の親バカで、趣味は息子たちの写真を撮ること。ジョナサンとディオの少年期にはスマホを片手に二人に張り付いては1日中写真を撮り続けていた為、ディオは隠れてジョナサンを虐めることが出来なくなってしまった。2人が成長した後も趣味は変わっておらず、美術商から買った不気味な石仮面を被ったお茶目な息子の写真を撮りたいと無理やりディオに被せようとした結果石仮面を起動させてしまう。
要するにディオがジョナサンを追い詰めることが出来なかったのも吸血鬼化し渇きと日光に苦しむ羽目になったのも全部ジョースター卿のせいなのだが、本人は全く気が付いていない。
その後は何故かツェペリに師事しジョナサンより先に波紋を学ぶことになる。
因みに花粉症持ち。
ダニー
ジョースター家で飼われている、ジョナサンの愛犬。ディオの天敵その3。
「命というものを知っているあっぱれな犬」との通称を持ち、自分でドアを閉めることが出来るお利口な犬だが、その実態は決して人にへーこらすることなく、強盗目的で侵入してきた大男5人を返り討ちにする「最強の番犬」。その強さたるやなんと熟練した波紋使いであるツェペリでさえ寄せ付けないほど。その為ディオは初日に彼を蹴り飛ばす(ボギャアする)こと等当然できなかった(因みにここが原作と本作で物語が分岐した最初のポイントである)。
その威圧感と実力はディオに対しても遺憾なく発揮され、少年期はジョナサンへの些細な嫌がらせも見逃さなかった他、ディオがエリナに無理やり口づけをしたときは彼女の指示でディオとその取り巻きを病院送りにした。それ以来ダニーの存在はディオにとってのトラウマとなっており、彼が7年間も計画を中止する原因となった。
その後もディオによるジョースター卿毒殺も阻止し計画を狂わせるなどディオにとって最大の障害であり続けたが、ディオが吸血鬼化した際には「ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーッ!!」との理由からジョースター邸に放火して屋敷と財産を全焼させるという大ポカもやらかすなど、そこはやはりジョースター家の一員である。
エリナ・ペンドルトン
一応ヒロイン。
基本的には原作同様心優しい少女で、「美しすぎます!」が口癖。ジョナサンとも相思相愛の仲。
しかし少女時代から卓越した鋼の精神を持ち合わせ同年代の男子の事を「思春期に苦しんでいる」として達観しているおませさんで、人形を取り上げ『あそこ』が本物と同じか確かめようとしたいじめっ子を「本物を見たこともないくせに」の一言で黙らせてみせた。
ジョナサンとの仲を知ったディオの嫌がらせの為に原作通り唇を奪われてしまった(因みにこれがジョースター卿とダニーに邪魔ばかりされていたディオが漸く実行出来た初めての悪事である)際にも、全く動揺することなく制裁として何故か使役していたダニーを指示してディオとシビあこを病院送りにしている。この一件で彼女もまたディオにとって頭が上がらない存在となってしまい、ディオがジョースター一家から逃げようとした際には傘でひっぱたかれている。要するにディオの天敵その4。
ウィル・A・ツェペリ
ジョナサンとディオの前に突如現れた謎の男。通称『空飛ぶおっさん』。
石仮面とそれを被ったものを滅ぼすべく旅をしている波紋使いで、吸血鬼化に気づいていないディオのことも当初は人を手にかける前に葬ってやろうとしていたが、そんなディオを体を張って守ろうとするジョナサンの気概に根負けし二人を見守るだけに留めることを決める。
基本的には原作とあまり変わらない善良な人物であり比較的常識人寄りだが、如何せん接する相手がジョースター一家やリアリストなディオであるため、話を真面目に聞いてもらえなかったり茶々を入れられたりダニーに持ち物を取られたりと不遇な扱いを受けてしまうディオに次ぐ苦労人。
また、オッサンであるという理由で自分から血を吸いたがらないディオをみて黄金の精神を持っていると誤解するなど、やはりどこか天然気味。
ロバート・E・O・スピードワゴン
ロンドンの貧民街「食屍鬼街(オウガーストリート)」に君臨するチンピラたちのボス。
原作同様通りかかった金持ちから金品を奪う強盗行為を働いていたゴロツキだが、「危なっかしい人間を放っておけないタチ」の根は善良な男で、命を狙われている状況下にも拘わらず天然をぶちかますジョナサン(とディオ)のことが色々心配になってしまい彼らに協力することとなる。
その後も何かとジョナサンの事をフォローしたり病気で心細い思いをしている(誤解)ディオを気にかけたりと二人をサポートした結果、ジョースター卿から家族として迎え入れられた(ディオ曰く『呪いの言葉』)。
また犬好きでもあり、愛用する刃入りの帽子を差し出すことであのダニーを唯一手懐けてみせた。
その後はダニーから取り返したツェペリの帽子を「ダニーとの友情の証」として勝手に自分のものにしている。
関連項目
うろジョジョ:ディオが被害者になってしまっている二次創作繫がり。ただしこちらはほぼ完全にジョジョとディオの善悪が逆転している。