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剣の街の異邦人の編集履歴

2021-04-17 14:41:47 バージョン

剣の街の異邦人

つるぎのまちのいほうじん

株式会社エクスペリエンスが開発・発表したダンジョン探索型RPG。対応プラットフォームはXbox360、Windows PC、Playstation Vita、Xbox One。同社の「円卓の生徒」のシリーズ作であり、トリロジーの最後を飾る作品でもある。

剣の街の異邦人とは、株式会社エクスペリエンスが開発・発表したダンジョン探索型RPGである。


ゲーム概要

2014年、Xbox360WindowsPC用として「~白の王宮」が発売。翌2015年にはアナザーバージョンである「黒の宮殿」、2016年にはさらにそのアナザーバージョンである「新釈・剣の街の異邦人」がPlaystation Vita用として発売。「東京新世録」シリーズで知られる沖史慈宴による別バージョンのポートレートを収録した英語ローカライズ版「Stranger of Sword City」がXboxOne用として発売。


直接の続編ではないが「円卓の生徒」のシリーズ作品であり、「円卓の生徒」及び「デモンゲイズ」シリーズと同じ世界の物語となっている。ただし舞台はアルダ大陸でもミスリッドでもなく、作中時代も異なる(作中時代としては「円卓~」と「デモンゲイズ(1)」の間、「円卓~」の時間軸寄りとなる)。裏設定として知っていればより楽しめる、といった程度。

王道でヒロイックな「円卓の生徒」、明るくポップな「デモンゲイズ」と異なり、本作はメインイラストレーターである塚本陽子の画風、極夜の街というエスカリオの世界観も相まって雰囲気は重く荘厳であり、ダークファンタジーのカラーもやや強めに出ている内容となっている。


ストーリー

成田空港を出発した旅客機は、太平洋上である時忽然と姿を消した。

旅客機の行方は知れず、乗客乗員は絶望的であると言われていた。


乗客の一人であった主人公は、何故か古めかしい遺跡の奥で目を覚ます。

現れた謎の老人に導かれ、遺跡から這い出た先は、乗っていたはずの飛行機の残骸と、見たこともない極夜の街。


<<エスカリオ>>。街はそう呼ばれていた。


<<異邦人>>として街に招かれた主人公は、同じく異邦人の仲間たちと共に、元の世界に戻るための戦いを始める──


ゲームシステム

Wizardry」等に代表される、自由に冒険者をデザインしてダンジョンを探索するタイプのRPG。プレイヤーはエスカリオに流れ着いた「異邦人」の一人として、元の世界に帰還するための戦いの日々を送ることになる。


本作における「円卓の生徒」シリーズ、ひいてはエクスペリエンス制作の他作品との大きな違いは、キャラクターにおける「生命点」(L.Point)というパラメータの存在である。これは異邦人達の「魂の強さ」を示すパラメータであり、ある例外を除いて、死亡することで1ポイントを喪失する。そしてこれが0になった場合、その瞬間にそのキャラクターは「蝶になって消えて」しまう(所謂ロスト)。当然ながら、消えてしまったキャラクターはいかなる方法を用いても取り戻すことはできない。

生命点の最大値はキャラクターの年齢層によって異なるが、最も高くなる(代わりにキャラクターの初期性能が低くなる)10代の場合で「3」。キャラクター性能が高くなる60代以降では「1」に設定される(=死亡したら一発で消滅する)。

消滅しない限り喪失した生命点の回復は可能であるが、そのためには「療養」として長期離脱させるか、数十万単位で血晶(お金)を払うか、回復能力のあるレアなアイテムを使用する(レアリティが低めで比較的よく手に入るものもあるが、これは「1回復する代わりに最大値が1下がる」という恐るべき効果がある…設定上麻薬なので仕方がないのだが)必要がある。このためいかに犠牲者を出さないようにリスクマネジメントをするか、いかに死亡を避けるか、という部分で気を使う必要がある。


また、本作では新しい試みとして、従来存在した「呪文禁止ダンジョン」に加えて「スキル禁止ダンジョン」「常に毒状態になるダンジョン」が新設されている。


シリーズ恒例のトレジャーハンティングについては、本作ではダンジョン内の特定エリアで実行可能な「待ちぶせ」として導入されている。「待ちぶせ」を実行すると、装備が入った宝箱(どのカテゴリの装備かは戦闘前に確認可能)を持った「敵輸送隊」に遭遇する。相手の構成とレベル、報酬内容を確認した上で戦闘に入り、ボスが撤退する前に撃破することができれば、該当装備が手に入る、というシステムとなっている。


種族と職業について

多くのRPGでは、キャラクターの特性を「種族」及び「職業」として表現しており、本作でもこの概念が取り入れられている。異邦人は基本的に人間であるが「エスカリオに渡る際に魂が変質し、別な種族の肉体になることがある」という設定があり、キャラクターメイキングにおいて制約になることはない。

また、エクスペリエンスの多くの作品では、ある一定条件下において他の職業のスキルを使うことができるようになっているが、本作では「転職」によってそれを実現している。一度習得したスキルはそのキャラクターのものとなり、「転職」後も個数制限こそあるが自由に設定して使用することが出来るようになっているのである(「デモンゲイズ」の神器を想像して頂ければ分かりやすいだろう)。なお転職は最大5回までしか行うことが出来ないため、「キャリアパス」をどうするかは慎重に検討しなければならない(「新釈~」ではこの制限はないが、代わりに一度にセットできるスキルの数が減っている)。


種族

本作に登場する種族と、対応する才能(デフォルト設定であり実際に何をつけるかは自由)について、以下に簡単に述べる(概念は「円卓の生徒」「デモンゲイズ」と同じ)。


ヒューマン

所謂人間。平均的な能力を持ち、どのような職業でも卒なくこなす。一方で明確な方向性付けしないと器用貧乏になりがち。

対応する才能は「武運」(初期ステータスボーナスが+3され、一定確率で敵先制攻撃を回避して通常戦闘に戻す)。


エルフ

とがった長い耳と長身痩躯の容姿、長い寿命を持つ、ファンタジーではお馴染みの種族。高い知性を持ち、スペルキャスター系職業との相性が良い。一方でフィジカル面では他の種族に劣る。

対応する才能は「豊かな教養」(敵種類やアイテム等の認識成功率が+30%される)。


なお、所謂ダークエルフ等の派生種族が存在するのかどうかは不明。ただし、少なくともハーフエルフについては、この世界観には概念がない(エルフと同じになる)模様。


ドワーフ

小柄ながらも屈強な肉体を持つ、これもファンタジーではお馴染みの種族。体力に優れ、ファイター系職業との相性が良い。

対応する才能は「不屈の肉体」(一撃必殺及び麻痺攻撃を完全に防御する)。


ミグミィ

成人でもヒューマンの子供程度という小柄な肉体を持つ、犬のような耳を持った獣人の一種。信仰心と運が高く、ヒーラー系職業との相性が良い。

種族的な特徴として、所謂ファミリーネームを持たないというものがある(が、キャラクターメイキングについては気にしなくてよい)。

対応する才能は「宝探しの勘」(宝箱解錠における罠の絞込成功率が+30%される)。


ネイ

猫のような耳と尻尾を持つ獣人の一種。敏捷性に長け、回避能力が初期から高いため、スピードファイター系の職業との相性が良い。

他作に登場するネイのキャラクターが揃ってそうであるためおそらく種族的特徴と思われるが、興奮したりすると何故か所謂ネコ言葉(~ニャ、という語尾等)を話す。

対応する才能は「野生の瞳」(ダンジョン内の仕掛けに気づく確率が上がる)。


職業

Wizardry等においては職業についてパラメータ制限があることがあるが、本作ではキャラクターのパラメータに関わりなく選択が可能。

(ただしそれで充分な性能を発揮するかどうかは検討が必要)


ファイター

一般的な戦士。装備開放関係のスキルを最も多く覚える。また、敵1グループのランダム対象に、最大7回連続で攻撃するスキルや、攻撃に対して反撃を行うスキル等を覚える。

特筆すべきスキルとして、HPが0になる程のダメージを受けた際に一定確率でHP1で踏みとどまるスキルがあり、これがあるとないとでは生存率が大きく違う。


ナイト

防御特化型の騎士。パーティーの他キャラに対する攻撃を代わりに受けるスキルや、一撃必殺攻撃・麻痺攻撃を完全に防御するスキルを覚える。

また、本作においては種族特攻がついた上で後列に貫通する攻撃を放つスキルが増設されたため、攻撃面でも活躍が期待できる。


サムライ

いわゆる。敵複数グループに一斉に攻撃を行うスキルや、特殊条件で連続攻撃を行うスキルを覚える。異刃()の装備開放スキルを覚えるのはサムライとニンジャだけ。

多くのエクスペリエンス作品では連続攻撃スキルである「修羅」が猛威を振るっているが、デスペナルティが重く被弾のリスクが高い本作では特に修羅裏式(相手か自分のどちらかが死ぬか、上限回数に達するまで連続攻撃する)は敬遠されがちでもある。


ニンジャ

スピードファイターの代表格である実際忍者。相手の防御力を無視した攻撃を繰り出すスキルや、分身の術によって味方への攻撃を逸らすスキルを覚える。

Wizardryシリーズにおける伝統同様、武器無装備の素手状態では一撃必殺能力がある他、防具無装備だと回避能力がさらに上がる(ただし本作において防具無装備ははっきり言って無謀)。


レンジャー

弓特化型の戦士。弓による攻撃を強化するスキルを複数覚える他、敵の現在HPを(最大値に対する割合で)確認するスキルを覚える。

ダメージを受けない限り「集中」状態が維持されるスキルは、ファイターやダンサーの連続攻撃スキルとの相性が非常に良く、エクスペリエンス作品では定番の組み合わせの一つである。


クレリック

回復・支援魔法特化型の術士。いわゆる僧侶。クレリックスペルの他、一定条件でMPを回復するスキルや、バリアを張ってダメージをある程度無効化するスキルを覚える。

この他、アンデッドモンスターへの攻撃を有効化するスキルも覚えるため、アンデッドが多く出現するダンジョンに行く際は必須。


ウィザード

攻撃魔法特化型の術士。所謂魔法使い。ウィザードスペルの他、スペルの効力を強化するスキルや、スペルを連続で唱えるスキル、HPを消費して範囲攻撃を繰り出すスキルを覚える。

この他、精霊系のモンスターへの攻撃を有効化するスキルも覚えるため、精霊系モンスターが出現するダンジョンに行く際は必須。


ダンサー

一般的なRPGでは特殊効果があるダンス等でパーティーを支援する職業であることが多いが、本作では「歌」によって士気を回復するスキルや、最大5回の連続攻撃スキルを覚える支援よりの前衛職である。

装備品の関係上専門職にするには不向きであるが、多くのキャラクターで一度は経験しておくと便利な職業。


クロッカー

「新釈」での追加職業。時間の流れを操る魔法戦士。

任意の行動を最速で行ったり、逆に任意の敵の行動を最低速で行わせたりすることができる。

また、低レベルではあるがウィザード・クレリックスペルを使用することも可能。


人形使い

「新釈」での追加職業。敵の行動に影響する呪術を操る呪術師。

敵をいわゆる魅了状態にする他、隊列移動を誘発させることなどができる。


フリーマン

「新釈」での追加職業。ギルドに常駐する支援要員。連れ出すことはできない。

レベル上昇に伴い、ショップの売買価格や他の待機要員の育成速度・蘇生や療養の必要時間などに影響を与える。


主な登場キャラクター


主人公

名前、年齢、性別、職業は自由に設定可能(種族はヒューマンで固定)。本作の主人公。機上の人であったが旅客機消滅事件に巻き込まれ、異邦人として戦いの日々を送ることとなる。「純血晶」を取り出して「血統種」に止めを刺すことができる「選ばれし者」の才能の持ち主。また、生命力が湧きあふれる特殊な魂を持っており、このため死亡しても生命点が減少しない(上記生命点の説明における「ある例外」がまさにこれ)。

プレイヤーの写身であり、このため作中で彼(彼女)の発言は登場しない。時折出てくる会話選択肢が発言の代替である(なお、どれを選択してもストーリー展開に変化はない)。


月貞理羽(つきさだ りう)

通称リウ。異邦人。主人公が初めて出会った「異邦人ギルド」のメンバーであり、副団長を務める(団長は行方不明であり実質的なリーダー)。

純血晶の力を取り入れて神の力を発揮することができると言われる「器の者」の一人(彼女は中立の竜神ペイデに対応)であり、背中にはそのことを示す刻印がある。

年頃の少女の筈であるが身だしなみ等には無頓着である。当人いわく「着飾った所で道中襲撃されて戦闘すれば返り血を浴びるのだから同じこと」。


マリリス・クライバウム

エスカリオを統治する騎士団の神官。エスカリオ人。光の神フェニックスに対応する「器の者」。

リウとは立場を越えた友人関係で、作中では打ち解けた感じで会話をしたり、純結晶の力の使い方を教えたりする姿が見られる。


アルム・メデル

エスカリオのマーケットを掌握し、貧民街を事実上統治しているメデル商会の若き当主。エスカリオ人。闇の神オル・オーマに対応する「器の者」。

生まれつき身体が弱く、呼吸補助器が無いと満足に活動ができない。それ故異邦の技術に強い憧れを抱いている。


維光響(これみつ きょう)

通称キョウ。異邦人。異邦人ギルドのエースであるファイターの青年であり、同時に「選ばれし者」の才能を持つ。

文学などの素養もある真面目な青年であるが、元の世界ではどちらかと言えばアウトサイダーであったとのことで、実力主義であるエスカリオはむしろ居心地がいいとか。


来栖アンナ(くるす-)

通称アンナ。異邦人。「選ばれし者」の才能を持つ一人。

彼女自身もパーティーを抱えてはいるが、戦闘はあまり得意ではなく(ダンジョンの探索では煙玉を駆使しているらしい)、もっぱら後方支援が多い。


何故かユニークアイテムに彼女の下着がある(異邦人ギルドの物干しから盗まれたものらしい)が、取り返したからと言って何かがある訳でもない。


グルルバ夫人

エスカリオ人。異邦人ギルドの居住区を管理するミグミィ族の女性。

死亡時の蘇生措置や、生命点回復の措置は彼女にお願いすることになる。


何故かユニークアイテムにある彼女の下着の他、帽子などが装備品として入手可能だったりする(小遣い稼ぎに作ったものとのこと)。


ギリウス

本名不詳。エスカリオ人。異邦人ギルドで商店を経営するドワーフの男性。

気むずかしい性格に加えて厳つい顔貌という出で立ちだが、面倒見は良い。

鍛冶の素養を持っており、武器類にはいくつか彼の名前が冠されたものがある。


ヘルガ・ヒルブラス

エスカリオ人。王宮騎士団の騎士団長。

「女騎士」を絵に描いたような真面目な性格の女性。


レイネーリア・ディースリン

通称レイン。エスカリオ人。メデル商会でアルムの補佐を務めるエルフの女性。片腕が機械の義手になっている。

銀髪に浅黒い肌という所謂ダークエルフの容姿の持ち主であるが、本作世界観においてダークエルフが種族として独立しているのか、単なる個人差なのかは不明。


ノベライズ

2016年、ベニー松山による書き下ろし『墜ちて修羅、鋼刃舞うは極夜の空』がPlayStation Vita版『新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~』初回限定特典として同梱された。

現在は電子書籍として購読可能である。


別名・表記ゆれ

剣街 SoSC


関連タグ

円卓の生徒 デモンゲイズ

エクスペリエンス

Wizardry

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