概要
2020年春、25年の時を経てTRIALS of MANA(以下、ToM と表記)としてフルリメイクされた聖剣伝説3。
前作と異なりオリジナル版のテイストを色濃く残しつつ追加要素や戦闘システムの変更などが行われ、その一環としてゲーム開始時のキャラクター選択の際にキャラクターのパラメータの優劣がどこぞの英霊よろしくA~Eの5段階評価で表示されるようになった。
そこで往年のファンが見たものは、バランス型に定評のあったリース様のステ欄にさっそうと輝く 「 知 性 D 」の3文字であった。
運がB、他がオールCなのでバランス型というのは少なくとも間違いではない。
しかし作中の数々の脳筋丸出しの言動も合わせ、20年以上に渡る二次創作界隈で蓄積され続けてきた清楚で可憐な凛々しい姫騎士のイメージを木っ端微塵に破壊するに十分なインパクトであった。
否、正そう。
言っちゃ悪いが「清楚なリース姫」は年季が入っているだけで所詮は二次創作であり、冷静に考えたら原作の時点でカッとなりやすい短気な脳筋、頭フェンリルナイトであった。
あとランサーなのに幸運Bとか言ったやつ、自害せよ。
リース王女殿下の華麗なる知性Dの数々
弟を放置して父の元へ急行
リースの最初にして最大の知性D案件。ニンジャ特有のヒレツ・ジツに完全にキレたリース様は敵を血祭りにあげながら父の元へと急ぐ。
弟を元凶のニンジャコンビの前に置き去りにして、である。ウカツ!
エリオットくんは直後きっちりとこのニンジャコンビことビル&ベンにさらわれ、奴隷市場に売られ果てはラスボスの依代にされと酷い目にあい続ける。
奴隷市場。
そう、リースが薄い本界隈に20年以上も君臨し続けたのはまさに自業自得以外の何物でもなかったのだ…!!
ToMでは美獣とのやり取りからエリオットが「姉に見捨てられた」と絶望していたことが判明する。
「しまった、これは眠りの花!」
地元も地元、いつも巡回していたはずの天かける道の眠りの花畑で昏倒するリース様。
しかもローラント陥落の原因だったのをすっかり忘れていた模様。
挙句、ToMでは花畑が王家ゆかりの地っぽい描写まで追加されますます言い訳不可に。
ホークアイに抜刀
ホークアイが仲間になった際に。
彼が元ナバールの一員と知り武器を抜き、もうひとりが必死に止めるハメに。
気持ちはわかるがもう少し抑えて王女様。
なお、ToMでは先に仲間になっていたのがでっちーだと体格差で面白いことに。
「おのれ、ナバール兵め…このままにはしておけません!」
またしてもカッとなり抜刀、仲間に必死に止められる。
兵たちが操り人形になっていなければここで多勢に無勢で薄い本直行であっただろう。
奪還された王城と港町を部下に任せて弟救出に再度旅立つ
主人公や仲間にした場合の行動。
この時点で動けるローラント王族はリースのみ。
「兵や国民の結束の象徴」としての彼女の価値は極めて高く、戦死でもされたらローラントには後が無い状況。
先の落城で生じた戦死者遺族への補償など、国王、若しくは摂政となり得る王族の権威や権限が必要な仕事も多々生じている。
更に言うと、この時点でエリオットは「敵に騙されて無為に家臣を戦死させた」という失点が付いているので、象徴や権威としての価値を大きく損なっている。
ToMでの知性D
「まっ殺なんて許せません!」
→通称「まっころ」。ローラント王女、「抹」の字が書けない分からない疑惑発生。
容量不足で「抹」の字が入れられなかったオリジナル版に忠実にしたがゆえの悲劇である。
他のキャラや新規の台詞は「抹殺」や「マッサツ」など自然なため、なおさら目立つ。
全員「まっ殺」で統一していたらこんなことにはならなかったろう…。
ちなみにリースのこの台詞は、アンジェラとリースを同じパーティーに入れているとマシンゴーレムR戦の前に言い放つ。リースもアルテナ兵も揃って「まっ殺」と言い出す。
「寒いけど、この格好の方が動きやすいのよ」
→王女3人でアルテナに上陸した、でっちーのツッコミに対する返答。
なんと薄着な自覚はあった模様。なおアンジェラはオシャレのために我慢しているとのこと。
「これは違うのでしょうか?」
→慈愛のオーブと言われ、母の形見のリボンを見せる王女様。
オーブつってんだろ。ローラント王女、オーブ(orb =球体、宝珠)が何か分からない疑惑。
「とりえあず敵を全滅させてから考えましょう」
「二度と復活できない様に叩きのめしましょう」
一部のボス戦でのセリフ。主人公なら誰でも同じようなことを言うのだが、前科が前科ゆえゆえ今のリースが言うとなんというか、その…
もう少しどうにかならなかったんでしょうか?
擁護しておくと…
「まっ殺」がいい例だが、可能な限りオリジナル版に忠実にしたのがこんな事になった原因である。
オリジナル版では主人公は多くの場合汎用台詞であり、仲間二人に至っては台詞すらないという場合も少なくなかった。その汎用セリフに攻撃的なものが多かったため、オリジナル版の「主人公の台詞」をキャラクター個々の口調で再現した結果がこの有様である。
その為、ToMでは主人公ではなく仲間キャラクターに選ぶともう少ししとやかになる。
また、全体的な傾向を見ると知性はアンジェラが突出して高いAで、次点はシャルロットとホークアイのC。残り2人は最下位のEである。
Dという数値は「6人中の中の下」という位置づけなのである。
また、「正攻法で敵が防備を固めているローラント城に攻撃をかけるのは無謀」と戦況をキチンと理解していたり正しい判断を下している描写も多々存在している。この点は知性Eのデュランやケヴィンも同様である。
結局は、エリート教育を受けた人物6人を比較した場合の差なので、一般人と比べると全員が知性の面では優等生なのである。(逆に言うと、「幼児時代から国家元首の大任を理解して母を気遣っていた」アンジェラの知性が突出しているとも言える)
特にローラント絡みについての考察
ここの部分はオリジナル版でもきっちり個別イベントなので擁護不可能と思う方も多いかもしれない。
エリオットの放置
この点に関しては本人も劇中で重々責任を感じている。
ただ、他により良い選択肢があったか?という視点で考えると難しい状況であったことも事実である。
当事者としては「弟の失態で防衛システムの要が停止」「城がナバール軍の奇襲を受けている」「失明して全盛期の戦闘力を失った父王を討ち取られたら敗北」だけしか情報が無く、その時点ではどれだけの被害を受け、どれだけの自軍戦力が当てになるか等は分からないのである。
①あの場でビルとベンを倒してから父王の下に向かう
城の防衛の要に侵入出来たと敵軍が理解している以上、強敵との交戦で疲労困憊したところを弟諸共敵の援軍に袋叩きにされて被害を更に拡大しただけに終わっていた可能性が極めて高い。
②エリオットを先に行かせて、自分は殿となってビルとベンを牽制する
城内で大乱戦が行われているであろう状況では論外。
③弟の守護と交戦の回避を最優先にして逃げに徹する
結果論で語れば、此れが最善。ただし、高位の軍人である彼女が総大将である父王や苦戦している部下達を見殺しにしたとなると、立場や職業倫理面で大問題となる。
何よりも、決断が少しでも遅れれば強敵2人相手に苦戦→味方と合流できないまま敵の増援に袋叩きという最悪の流れに陥る状況では思考している時間的余裕は無い。
それを考えると、「時間を割かれそうな強敵との交戦を避けて動ける味方が集結しているであろう父王の下に向かう」「エリオットについてくるように指示を出して自身が血路を開く為突撃する」という選択肢は本拠地が奇襲を受けたあの状況での戦術としては理に適っている。
エリオットが自身の突撃についてこれるだけの判断力と胆力、気合を有しているという前提ならば。
不審者にあっさり騙されて城の防御機能を停止させた元凶の判断力と胆力を信用した点は落ち度である。
結局は、非常時に最低限の自衛も出来ない未熟な王子に本拠地の防衛システムの要を渡したジョスター王を含めたローラント王国の上層部が甘過ぎたと言える。
眠りの花畑の件
地元民にとっては「立ち入り禁止が徹底されていた」ので眠りの花畑に近寄ろうとすらしないのが常識だった可能性も考えられる。
実際、眠り花は一回熟睡すると耐性が付くにも拘らず、王を守る近衛兵達は初撃で無力化、エリオットを誘拐したビルとベンの追撃に向かったアマゾネスの大部隊も眠りの花畑近くでほぼ全員が熟睡してしまったので、若い世代のアマゾネスには立ち入り禁止はかなり徹底されていた模様。
この件に関しては、眠りの花の存在と性質を知っていたにも拘らず、味方の若手世代に正確な知識も付けられる耐性も付けてこなかったジョスター王達ベテラン世代の責任が重いとも言える。
主人公時のローラント奪還後の行動
「王城を陥落させた敵を倒し、誘拐された王子を救出して国と軍の面子を回復させなければ将、王女としての責任を果たしたとは言えない」「フォルセナ王太子リチャードが竜帝を打ち倒した時と同様にフェアリーに取り憑かれているという好条件に周囲も期待した」との見方も出来るので、一概に行動を非難は出来ない
結論
か わ い い か ら い い ん だ よ !