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フフフ…私は『美獣』、黒の貴公子様にお仕えしている

演者一覧編集

CV:慶長佑香(『LoV3』)/南條愛乃(『TRIALS of MANA』)

舞台版演者:野本ほたる

解説編集

類まれなる美貌で男達を手玉に取り権勢を振るう悪女だが、その奥には真に愛する主君への報われない想いがあるという黄金パターン。


人物編集

魔界出身の魔物

元々の主であったと思われる魔王が光の城の王子(後の黒の貴公子)を後継者として見出した時から、彼の悲劇的な境遇を想い、彼の力になりたいと願う(※補足…王子は誕生時に“長じて国を滅ぼす”と予言されたため幽閉され、その絶望と憎悪から魔王に教唆され力も与えられて本当に国を滅ぼした)。

黒の貴公子が新たな魔王となってからは彼の野望――魔界による人間界制覇――に力を貸す。


本編中の活躍編集

全編共通編集

偽名イザベラを名乗り、ナバール盗賊団首領を洗脳して盗賊団を操り、怪しんだ団員ホークアイ親友を殺害。更には盗賊団を動員してローラント王国侵攻を行わせた。その際にローラント国王ジョスターは死亡し、王子エリオットは行方不明となる。

故にホークアイ、及びローラント王女リースにとって宿敵である。

ローラント城奪還の際は既に城に用がなくなったため戦うことなく撤退する。

ローラント城奪還後は、新しい力を授けたビルとベンを率いて、マナストーンのエネルギー解放のための生贄として必要なジェシカを連れて火炎の谷へと赴く。ジェシカを生贄に捧げることはホークアイ(彼が仲間にいる場合はニキータ)の妨害にあったため失敗するも、代わりにビルとベンの魂を捧げたため、マナストーンのエネルギー解放の目的は達成する。

聖域への扉が開けるために黒の貴公子は闇のマナストーンを召喚し、その代償で死亡。それも計画のうちで、マナの剣を使って黒の貴公子を復活させるため邪眼の伯爵と共にナバール盗賊を率いて聖域へと進行する(ちなみに移動手段は船に大量の風船をつけた飛行船もどきという、とてつもなくシュールな姿である)。


リース・ホークアイ以外が主人公の場合編集

別の敵対勢力に敗れ、黒の貴公子の遺体は消去されたうえに魂が闇の中に閉じ込められてしまう。こうなってはもう地上侵攻は意味をなさないと考えていたが、邪眼の伯爵は無理にでも野望を果たそうとしたため自らの手で抹殺した。そして自らも命を絶つ道を選び、殺害した邪眼の伯爵の死体と共に何処かへと姿を消して物語から退場する。

その主に殉じた散り際は、それまでの悪女ぶりを感じさせないであった。


リース・ホークアイが主人公の場合編集

自分達ではマナの剣が抜けなかったため、フェアリーに選ばれた主人公に剣を抜かせ、その隙に邪眼の伯爵と協力してフェアリーを誘拐し、マナの剣を持ってナバールへ来るように要求し姿を消す。フェアリーの命を交換条件に聖剣の譲渡を要求。マナの剣を聖剣から暗黒剣へ変貌させ、本拠地にしてラストダンジョンであるダークキャッスル(元・光の城)へ帰還。剣の力を使って黒の貴公子を復活させ、そのまま献上する。八神獣を倒してダークキャッスルへ乗り込んできた主人公たちから黒の貴公子を守るために決戦を挑むこととなる。

センシティブな作品センシティブな作品

その際に見せる真の姿はメスケモだが、設定上人間界出身の獣人(ケヴィンなど)とは異なる。

敗北後は、一人の女として一人の男の心を救いたかったことを告げ、消滅していった。しかし黒の貴公子自身は美獣に対してなんとも思っておらず捨て駒程度にしか認識していなかった。紅蓮の魔導師同様、彼女もまた敵でありながら哀れな存在だったと言える。


リメイク版でのやり取り編集

2020年に発売されたリメイク版では、主人公をホークアイかリースにしていると戦闘中に掛け合いが発生する。


ホークアイが主人公の場合編集

ホークアイ「美獣!…ナバールを…世界を巻き込んでまで、何がお前にそこまでさせる!?」

美獣「フフフ…あの方が望むものが、私のすべて あの方の心が満たされるのなら、命すらも惜しくない」

ホークアイ「そいつの心を満たすために 自らも犠牲になろうっていうのか!?」

美獣「オホホホ、ぼうやと…ナバールと何が違う? 盗んだものを与えて、弱い者を救った気になっている盗賊ふぜいが!」

ホークアイ「そうかもしれないな。所詮、オレは盗賊さ だがな、美獣!オレたちナバールは その人にとってはただの切っ掛けだ 本当に心を満たされないヤツは、自分で立ち上がるもんだぜ それこそ、誰かの心を、今度は自分が満たしてやるためにな」

美獣「戯言を! あの方の望む世界こそ、私の望み! あの方が世界を手に入れれば 私の心も同じように満たされるのさ!」

ホークアイ「救えねぇな。愛を知らぬ獣よ せめて、オレの手で決着をつけてやるよ!」


リースが主人公の場合編集

リース「今日こそ、決着をつけます! そして、エリオットを返してもらいます!」

美獣「アハハ! 泣かせるじゃないの! 姉の想いを知らずに、弟は泣き叫んでいたよ? 誰も助けに来てくれない、姉さまに見捨てられたってね!」

リース「ええ、あの日、守れなかったからこそ私は挫けずに立てたのです。父の無念と……母の想いが、私を支えてくれた」

リース「エリオットが、私たち家族の愛に守られていることを伝えるために……!」

美獣「フフフ……愛などと、青臭い言葉を! 愛なんてなんの役にも立たないのよ!」

美獣「力がなければ、何も守れないことを、その身体に刻んでやるわ!」

リース「身体の痛みなど、心の痛みに比べれば! 私の想い、見せてあげます!」


考察編集

黒の貴公子の復活が不可能になった敗北ルートでの美獣が邪眼の伯爵を殺害することに関して、邪眼の伯爵の立場で考えてみよう。

ダークキャッスル勢は人類の視点からは敵かつ悪党で、リーダーや幹部の思惑が一致していたかすら微妙だが、「魔界に押し込まれた魔族ないし住民の地上進出の悲願を達成せんと組織された集団」である。リーダーが再起不能なら善後策も無しに「じゃあ解散」などと言える筈もないことは想像に難くない。邪眼の伯爵が決起するのはむしろ当然の話で、魔界の魔物の1人で幹部たる美獣も本来なら協力なり別の善後策を提案なりすべきである。そもそも黒の貴公子を魔族に転生させた魔王はまだ生きている。

100歩譲って主人に殉じて美獣だけ自決するのは納得できるにしても、壇ノ浦で入水させられた安徳天皇ではあるまいし(彼は源氏に政治的に利用される可能性はありえた)、曲がりなりにも魔界の住民のため決起した邪眼の伯爵が心中に付き合わされる謂れは無い。「黒の貴公子様の死をけがすことは私が許さない!」という美獣なりの美学は良いが、他人と魔界の住民を巻き込まないで欲しいところである。

まぁそもそも心が壊れた人間界の王子を黒の貴公子としてサブリーダーに据えてる時点でダークキャッスル勢には瓦解の危険があったし、実際に黒の貴公子は復活した歴史で魔王を殺害しており、よく他の魔物達がついてきたものである。そんな黒の貴公子を哀れみ心底臣従する美獣には汲むべきところはある。しかし、完全に個人の感情が行動原理になっていて、魔界の住民や魔王とかがおざなりになっている点は組織幹部としては重大な欠陥だろう。

邪眼の伯爵カワイソス。


なお、このルートでリースがパーティーにいる場合は黒の貴公子を復活させられなくなったため、彼女の弟エリオットを「散り際は弁えてるつもりだ」と無傷でローラントへと送り返している。この行動も『美獣の手際良さ』と評され、ある意味ではネタにされている(例えるならこれのラスボスみたいな感じ)。良く考えればフェアリーでなくエリオットを人質に聖剣を奪う選択肢はある。この場合リースはエリオットの無事を信じて安堵するが、世界の危機を見過ごすことはできず引き続き主人公に同行する。ホークアイがパーティーにいる場合は、美獣が自ら消えたことでイーグルの仇を自らの手で取れなかったことに落胆するも、リースと同様の理由で引き続き主人公に同行する。


余談編集

美獣は敵対勢力と因縁があった主人公2人(ホークアイ、リース)から自身が途中退場したことへのリアクションが両方描かれる唯一の幹部キャラだったりする紅蓮の魔導師はデュラン、死を喰らう男はシャルロットのみしかリアクションが描かれず、アンジェラとケヴィンは因縁がある幹部が途中退場してもノーリアクションである)。


初代聖剣伝説のリメイク作品である新約聖剣伝説にもイザベラの名前で出演。リィ伯爵の友人で彼の館に滞在している。魔界出身者だが人間に偏見はなく、主人公達を助けてくれる事もあるなど、良心的な女性。ただ、魔力を燻らせたくないとシャドウナイト側に付くなど好戦的な一面もあるが、主人公達と本格的に敵対する事はなかった。

本作では黒の貴公子を連想させるシャドウナイト、邪眼の伯爵を連想させるリィ伯爵とは親友であるため、聖剣3本編より周囲の人間関係に恵まれている。

シャドウナイトの魂を奪った死を喰らう男に激昂する場面のみ変身した姿を披露する。


聖剣伝説HOM幻夢の主教の目の色が緑目で美獣イザベラに似ています。彼の妻が魔界出身者である可能性もある。偶然にもブラウニーブラウン製作の新約聖剣伝説でグランス公の妻がメデューサだった。彼らの息子はシャドウナイトとデビアス。


関連項目編集

聖剣伝説3 邪眼の伯爵 黒の貴公子 アークデーモン(聖剣伝説3)

新約聖剣伝説:本作にも出演。

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