CiNo.1000夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア
かおすいまじなりーなんばーずせんむげんきょこうしんぬめろにあすぬめろにあ
愚かな………まだわからぬようだな。自らがさらなる絶望の扉を開けたことを。
ヌメロニアスが破壊された時、墓地のこのカードをエクシーズ素材として、オーバーレイ!
「エクスターミネーション」!
カオスエクシーズ・チェンジ!
降臨せよ、CiNo.1000!
我が天は長し、地は久し。人のすがる夢は一場の幻に過ぎず。
虚無の大神よ、闇をもて、光に鉄槌を!
夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア!!
概要
バリアン世界を創造した神であり、「ヌメロン・コード」の力さえも取り込んだ全ての元凶ドン・サウザンドの真の切り札。
光属性・悪魔族のエクシーズモンスター。「ランク13」で攻守共に100000という、驚異のステータスを誇る。
この攻守と「ある効果」によって相手に窮極の選択を迫る、夢幻ならぬ悪夢のようなカードである。
「CNo.1000夢幻虚神ヌメロニアス」の正当進化形態であるが、カオスナンバーズの枠からも外れた新たなるナンバーズ、「カオスイマジナリーナンバーズ」に属する唯一無二のモンスター。
イマジナリーナンバー(imaginary number)は「虚数」の意を示し、「i」は虚数の単位を示している。総じて、カオスの世界にすら納まらない、存在自体が歪なナンバーズと言えよう。
進化前の面影がまるで無く、意味不明なオブジェのようなデザインをしている。
生物的とも無機的とも取れない、さながら記号のような姿はまさに異形としか形容しようがなく、どこまでも禍々しさと不気味さを放っている。
カードテキスト
アニメ版
エクシーズ・効果モンスター
ランク13/光属性/悪魔族/攻 100000/守 100000
レベル13モンスター×5
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。
自分フィールド上に存在する「CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス」が破壊された時、そのカードをこのカードの下に重ねて、このカードを自分のエクストラデッキからエクシーズ召喚する事ができる。
このカードはカードの効果では破壊されず、攻撃宣言をする事ができない。
このカードが自分フィールド上に存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択しなければならない。
選択しなかったターンのエンドフェイズ時に、相手はデュエルに敗北する。
このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、自分はその攻撃力分のライフポイントを回復する。
OCG版
エクシーズ・効果モンスター
ランク13/光属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
レベル13モンスター×5
(1):「CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス」の効果で特殊召喚したこのカードは、攻撃力・守備力が相手ターンの間100000アップし、特殊召喚された次のターンより以下を適用する。
●攻撃可能な相手モンスターはこのカードを攻撃しなければならない。
●このカードが戦闘を行っていない相手ターン終了時、自分はデュエルに勝利する。
(2):相手モンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その攻撃を無効にし、その攻撃力分だけ自分のLPを回復する。
解説
エクシーズ素材にレベル13のモンスター5体という前代未聞の指定を持つ。モンスターのレベルは通常12が最高であり、正規召喚はまず不可能(絶対に不可能というわけではない)。
なお、ランク13のエクシーズモンスターとしてはすでにエリファスの切り札「NO13エーテリック・アメン」がいる。しかし、「アメン」は召喚方法がランクアップに限定されている。
何より目を引くのが、元々の攻撃力・守備力ともに100000(10万)という類例のないステータス。
これは遊戯王シリーズ全体を通して見ても最上位の値であり、オベリスクの巨神兵や合神竜ティマイオスの最大攻撃値である「攻撃力∞」、そして141話(ZEXALⅡ68話)で希望皇ホープが達成した「攻撃力204000」ならびに直前の「攻撃力102000」に次ぐ歴代4位を誇る。
元々の攻撃力としては「攻撃力∞」の蛇神ゲーに次ぐ2位であり、ステータス欄に表記された数値の中では最も高い。
他のカードゲームと並べても優に上位に食い込めるであろうその数値は圧巻。
ナンバーズ共通の戦闘耐性のほか、以下の効果を持つ。
- 自分フィールド上の「CNo.1000夢幻虚神ヌメロニアス」が破壊された時、ヌメロニアスを素材としてエクシーズ召喚できる起動効果。
- カードの効果で破壊されず、自ら攻撃できない永続効果。
- 相手が攻撃を行う場合、このカードを攻撃対象に選ばなければならない永続効果。
- 攻撃対象に選択されなかった相手ターンのエンドフェイズ時に相手をデュエルに敗北させるルール効果。
- 素材を一つ消費して相手モンスター一体の攻撃を無効にし、その攻撃力分ライフを回復する誘発即時効果。
進化前と異なり「C」モンスターに対するメタ能力は持っていないが、「受け」寄りのステータスという方向性は共通する。
圧倒的な攻撃力を持ちながら、自ら攻撃することはできない。が、このカードの恐ろしさは攻撃性能ではない。
着目すべきは「このカードを攻撃対象に選択しなかった相手プレイヤーはデュエルに敗北する」という効果である。
すなわち、このカードを前にした相手は「攻撃力・守備力10万の怪物と戦闘を行うか、何もせずそのまま敗北するか」という理不尽すぎる二者択一を迫られるのである。
そして万が一10万を超える攻撃力のモンスターに攻撃された場合は、自らの効果によって攻撃自体をシャットアウトしつつ凄まじいライフゲインを行える。
そもそも攻守10万という数値自体がかなり非現実的であることを考えると、このカードが召喚された時点で「詰み」となってしまうケースもあるだろう。
ちなみに攻守が同じ上に効果を無効化しなければ攻撃できないと思われるので攻撃表示にする意味はあまりない。というか本編では攻撃表示にしてしまったので上から殴り倒されて敗北した。
現実的な対処方法としてはナンバーズ耐性と効果による破壊耐性は持つが対象に取れる上にその他の除去に関しては無力て魔法罠の効果は受けるという点を利用したものとなる。
除外、バウンス、吸収、墓地送り、リリースなど破壊以外の方法で除去する、効果を無効にするかオーバーレイユニットを枯渇させた状態でオネストなどのステータスアップの補助効果を受けて戦闘破壊したり、攻撃力ないし守備力を低下させて複数回No.で攻撃し戦闘破壊するといったところか。
極端な例だと、最上位の神以外のモンスターの効果を受け付けない邪神アバター(原作)、戦闘するモンスターの効果を無効にする眠れる巨人ズシン(原作)などには真正面から殴る形で対処されうる(前者の場合、戦闘破壊耐性のお陰で膠着状態には持ち込めるが)。
また上記のえげつない効果とステータスが逆利用されるリスクもあり、No.11ビッグ・アイなどによるコントロール奪取を受けた場合とんでもない存在が牙を剥くことになり、ミスフォーチュンを発動されれば50000のバーンダメージを受けることになる。
それどころかNo.105BK流星のセスタスは「このカードがこのカードの攻撃力よりも高い攻撃力を持つモンスターと戦闘を行う場合、戦闘を無効にされず、受けたダメージを代わりに相手に与える」というこいつをメタっている効果があり、よりにもよって自身で作り出したカードにオーバーキルをたたき込まれる結果になる。
とはいえこのカードの存在が実質ヌメロニアスに破壊耐性を与えているも同義であり、また相手の効果で破壊した時限定ではないので自分でヌメロニアスを破壊してエクシーズ召喚するということも可能。
仮にOCGのカードプールに混ぜて使えるとしたら一応当時でも今でも対処する事自体は難しくはないが、ヌメロニアスが立っているというだけでとんでもないプレッシャーを与えることができるのは間違いないだろう。
ちなみに、アニメでは攻撃を無効にされた場合「攻撃対象に選択しなかった」扱いとなるようで(OCGでは攻撃対象に選択はしたが攻撃を行えなかった扱いとなる)、上記の効果でホープの攻撃を無効化した際、ドン・サウザンドは勝利を確信していた。
なおドン・サウザンドの性格とデッキの構築を考慮すると、このカードの役割はゲート・オブ・ヌメロンとヌメロニアスで対抗策を切り尽くした相手の前に繰り出し、自爆で死ぬか何もせず死ぬかを「神の慈悲」として選ばせる役割と考えられる。
ヌメロニアスを処理する方法は基本的に相手のターンになるため、相手からすれば気息奄々になりながらヌメロニアスを破壊したところで、効果破壊耐性を持つこのカードが出てくることになるからである。
が、アニメではヌメロン・ドラゴンの効果でヌメロニアスが返り討ちにされたためにドン・サウザンドのターンでの出現を余儀なくされ、その結果ZEXALIIIとナッシュに必殺のドローをさせる「隙」を与えたことで攻略されている。
アニメでの活躍
「CNo.1000夢幻虚神ヌメロニアス」を破壊し、勢いを取り戻す遊馬達を嘲笑うかのようにドン・サウザンドが召喚した、さらなる絶望。
ヌメロニアスが自身の効果でカオスエクシーズ・チェンジして降臨し、遊馬達と視聴者に絶望を与えた。効果で次のターンでの勝利を確定させるが、遊馬とアストラルは究極体ZEXALⅢとなり、ナッシュと天城カイトと共に今までの思いを胸に立ち向かう。
遊馬は「ライジング・ホープ」(ホープを蘇生させ、自軍モンスターのエクシーズ素材を消費する効果を得る)によってホープを蘇生し、「No.73激瀧神アビス・スプラッシュ」と「No.100ヌメロン・ドラゴン」の効果を得てその攻撃力を102000まで引き上げる。その攻撃で決着するかと思われたが、隠されていた最後の効果でホープの攻撃を無効にし、さらにライフを回復する。しかし、それこそが遊馬の最後の一手の布石であった。
遊馬はホープの「攻撃を無効」にされたことで「ダブル・アップ・チャンス」を発動、ホープの攻撃力をさらに倍化し204000まで引き上げて追撃する。打つ手のなくなったドン・サウザンド及びヌメロニアス・ヌメロニアにホープ渾身の攻撃は防げず、必殺のファイナル・ホープ剣・スラッシュによってぶった切られ爆散。ドン・サウザンドは104000という凄まじい戦闘ダメージを受け敗北した。
これによって全てに決着がついたかと思われたが……?
OCG版
「No. COMPLETE FILE -PIECE OF MEMORIES-」にてCNo.1000夢幻虚神ヌメロニアスやヌメロン・カオス・リチューアルとともにOCG化。
テキストは上述の通りで、一部効果は削除されたり内容が変更されている効果もあるものの作中のイメージを比較的再現したものとなっている。
ヌメロニアスの効果による特殊召喚に成功すれば、劇中通りに攻撃力100000も可能となる。
ただし、その方法が「CNo.1000夢幻虚神ヌメロニアスが相手のカードの効果で破壊され墓地へ送られた場合」であるため、ヌメロニアスを意図的に破壊して貰わないと召喚条件が満たせないため、召喚を成立させるのに手間が必要となる。
アニメと同様に相手がバトルを行わずにターンを終了すれば勝利となるが、現行の環境でさっくりと除去されてしまうのがオチだろう。ナンバーズ・ウォールなどのナンバーズ専用のサポートカードで維持するのが重要となる。絡め手としては亜空間物質転送装置で一時的に除外することで、安全に条件を満たすこともできる。
OCGにおいて、マシニクルのように名前が略されなければ史上最長の音を持つ名前を持つカードとなる(かつてOCG最長だったのは「CNo.43魂魄傀儡鬼神カオス・マリオネッター」の34音。対してヌメロニアス・ヌメロニアは35音)。
ヌメロニアスと同様に、正規召喚は理論上では可能とされる。こちらはレベルとして存在しないレベル13が要求されているため、レベルを変動させる工程が追加される。RUMに至っては、対応するカードの組み合わせが存在しない。そして、ヌメロニアスと異なり、これらの召喚方法で得られるメリットは無いと言える。
一応、これらの召喚方法でも、相手モンスターの攻撃を無効にして、その攻撃力をライフ回復に変換する効果だけは使える。しかし、そのためだけに出すには召喚条件の重さと割に合わないと言える。
また、むしろミラーマッチとなった場合、正規召喚したヌメロニアス・ヌメロニアが墓地にあると相手のヌメロニアスの(2)の効果によってまるまる奪われてしまう(ヌメロニアスの効果による特殊召喚なのでフルスペック)。
ちなみに、永続魔法「ドン・サウザンドの玉座」を使う事でヌメロニアスへの逆進化も可能である。ドン・サウザンドの玉座がランクの変動に関係ないために出来る荒業である。
余談
そのぶっ飛んだ攻撃力と絶望的な効果、さらに長いうえになんとなく言いにくい独特の名前から登場後すぐにファンの間でネタが広まり、そしてすぐに「ヌメヌメ」などという不名誉な渾名を頂戴してしまった。
しかも、鳴り物入りで登場し圧倒的な存在感を放ったまま登場話が終了したにもかかわらず、いざ次話になるとわずか数分でごり押しで撃破されるという衝撃の展開を迎え、ファンは再び驚き腹を抱えることとなった。こうしてあまりにあっさりと退場したドン・サウザンドであったが、しかし彼がラスボス(笑)などとチャチな人物でなかったことはすぐに全員が理解させられ、さらなる驚きを呼ぶのであった。
また、公式イベントの「ボスバトル」にて「ドン・サウザンド」が参戦し、彼のデッキを再現したカードが登場した。進化前ともども悪くない原作再現であったため、ドン・サウザンドのデッキをOCGで期待する声が高まる要因にもなっていた。
ヌメロンがOCG化した現在は更に酷くなり【エルドリッチ】との混成構築、通称「ヌメヌメエッチ」。
11期は魔境となるだろう。
ちなみに名前の「神」の文字だが、進化前のヌメロニアス含め、正しい表記は「示」に「申」の方、即ち「神」である(メイン画像の通り)。