概要
ヴィッツのプラットフォームに2代目プリウスのシステム(THS-II)を搭載したハイブリッドカー。プリウスは2代目以降3ナンバー(普通乗用車)になったが、こちらは5ナンバー(小型乗用車。2017年に登場したクロスオーバーSUV志向の「クロスオーバー」を除く)。プリウスよりコンパクトで取り回しが良く、燃費も3代目までのプリウスより良い(ただし4代目プリウスや通算4代目ヤリスのハイブリッド仕様車には劣る)。
ハイブリッドシステムはプリウスと同じTHS-IIだが、3代目プリウスのパワートレーンそのままでは重すぎるため、2代目プリウスのTHS-IIをベースに新規開発している。
セレクトレバーはクラウンハイブリッドと同じく、一般的なAT車と同じセレクトパターンのフロアシフトとなっている。ハイブリッドシステムはトヨタ製ハイブリッド乗用車と同じくスプリット式ハイブリッドなのでNレンジでは変速用モーター/発電機が空回りする切り離し方となっている。そのため、Nレンジについては他のハイブリッド乗用車と多少異なる留意事項がある(アクアに限らずTHSを採用している他車にも同様の留意事項がある)。
アクア向けに開発されたパワートレーンはカローラアクシオハイブリッド・カローラフィールダーハイブリッドにも移植されている。
「東北復興の星」と位置付けられた本車は全て関東自動車工業(現・トヨタ自動車東日本)の岩手工場で生産されている(ちなみにアクアの為にラクティスの生産を移管してる)。
3代目プリウスが大型化したこともあって、日本国内ではちょうど良いサイズのHVとして評判となり、発売直後は予約だけで10万台越え、納期6ヶ月前後と驚異的な売れ行きであった。
もともとプリウスのコンパクトカーバージョンとして開発されたため、日本とヨーロッパ以外ではプリウスCという名前で売られている一方で、ヨーロッパ市場には投入されていないが、これはヴィッツ(ヤリス)のハイブリッドバージョンを投入しているためである。その後2017年1月からヴィッツのハイブリッド仕様車を日本市場にも投入している(通算4代目ヤリスのそれについてもまたしかり)。なおアメリカ市場では2019年12月限りで販売を止めてしまった。
CMのBGMに『千本桜』(ピアノVer.)を採用したことでも話題になった。
同車のCMは、その他にも『ドラゴンクエストIII』の『冒険の旅』、『モンスターハンター』の『英雄の証』なども採用している。
モータースポーツとは縁がなさそうに見えるが、トヨタ主催のラリーシリーズであるラリーチャレンジにはこれを使ったクラスが存在している。ラリー初心者でもこの車を使って手軽に参加していただこうというトヨタの意向が見て取れる。ちなみに、中期型にはスポーツチューニングモデルのG's、後期型にはGR SPORTが設定されており、スポーツカー気分を気軽に感じることもできる。
2021年7月19日、2代目に移行した。