2004年5月11日に名古屋鉄道自動車事業本部から分社化されたバス会社。分社化前は名古屋鉄道の運行するバス路線の通称として使われていた。
愛知県の広範囲をカバーする他、名鉄とつながりの深いバス会社が愛知・岐阜・石川・宮城にある。
営業所
- 名古屋(長久手市。トヨタ博物館前にある):エリアは名古屋市名東区、尾張旭市、瀬戸市、長久手市
- 名古屋中央:都市間高速バスのほか、一般路線では名鉄バスセンター発着の基幹バスを担当
- 津島:名鉄バスセンター・栄〜津島市を結ぶ一般路線と、津島市コミュニティバスを担当
- 春日井:エリアは春日井市、北名古屋市と小牧市東部
- 一宮:エリアは一宮市、稲沢市、江南市と小牧市西部。名鉄バスで唯一、岐阜県(各務原市川島)に一般路線が乗り入れる
- 知立:エリアは名古屋市天白区・緑区、豊明市、刈谷市、知立市、安城市、愛知郡東郷町
- 岡崎:エリアは岡崎市の大部分と豊田市の一部
- 豊田:豊田市〜みよし市の一般路線と、コミュニティバス「とよたおいでんバス」を担当
- 蒲郡:蒲郡市の一般路線と、碧南駅〜吉良吉田駅間の「ふれんどバス」を担当
蒲郡のみ管理所。かつては名古屋市内に鳴海管理所、愛知県下に小牧管理所などがあったほか、岐阜県にも現在の山県市高富に岐阜営業所があった。
系統番号の導入はかなり遅く、同じ名鉄グループの豊鉄バスが1992年に導入しているのに対し、こちら名鉄バスでは分社化してしばらく経ってから岡崎管内で初めて採用した。2018〜2019年度にかけて全営業所に導入している。
都市間高速バス
新宿線、飯田線、箕輪線、松本線、新潟線、福井線、金沢線、富山線、高山線、河口湖線、奈良線
名神ハイウェイバス京都線、同・神戸線
青葉号(仙台)
オレンジライナーえひめ号(松山)
どんたく号(博多)
福島線、上高地線
このほか、県内高速バスが多数ある。
車両
三菱自動車名古屋製作所が名鉄バス本社のある名古屋市にある上、かつては名鉄グループに名古屋三菱ふそう自動車販売がいたために三菱ふそう製のバスが非常に多いが、愛知県自体がトヨタ自動車およびその主なグループ会社のお膝元であることから、トヨタ系列の日野自動車製の車両も多数導入され、さらに近年はいすゞ車も若干見られる。
はじめ日野車は豊田営業所に集中する傾向にあったが、現在その「縛り」はない。
大手事業者ということもあって殆どが自社発注車だが、愛知万博開催時には輸送力確保のために当時名鉄グループだった大鉄観光バス、おんたけ交通などから一時的に車両を借りていた他、2021年には新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場へのシャトルバス用として宮城交通と岐阜バスから車両を借り受けている。
車両置き換えのペースは12年程度まで縮んだこともあったが、近年は16年80万キロペースになっている。廃車は名鉄グループ内で移籍することもある他、中古屋を経由してグループ外の事業者へ売却されるケースもある。
三菱との資本関係があったために試作車を導入することが多いほか、他社製の車両にはまず装備されない独自の装備品を備えたいわゆる「名鉄仕様」の車両を多く運行していた。
以下はその一例
- 涼風バス(冷房車黎明期に導入された低出力クーラーと強制換気システムを組み合わせたもの)
- 車体屋根上広告
- リアの3連テールランプ(モノコック時代より初代エアロスターまで)
- 全席ハイバックシートと布ヘッドレストカバー
- 床の段上げ
- メトロ窓と横引きカーテン
ハイブリッド車の導入
2004年に試験的に電気式ハイブリッドバス(エアロスターHEV)を2台導入し、一宮営業所に配置したのが名鉄バスのハイブリッド車の始まりである(2016年現在廃車済)
2008年には一般路線用としては初となるエアロスターエコハイブリッドを4台導入し、名古屋営業所に配属。2009年には岡崎営業所にもエコハイが2台配属された。なおこのエコハイは故障が多く、名古屋営業所導入車は後年他営業所に導入されたエアロスターノンステップに押し出される形で郊外の営業所に転属したか廃車された。
2009年12月春日井営業所と豊田営業所に名鉄バスとしては初となる日野自動車ブルーリボンシティハイブリッドが導入され、2010年4月には知立営業所にも導入されたが、知立営業所導入車は全て豊田営業所に転属した。
カラーリングと名鉄グループ統一仕様
路線バス用の車両は赤と白を基調にしており、名鉄グループの鉄道・バス会社の路線バス車両の大多数がこの塗装に準じている(ただし豊鉄バスなどの例外もある)。
現在の名鉄バスには2004年以前の旧名鉄色、2005年だけ導入された新名鉄バス色、2006年以降に導入された車両は前面は岐阜バスと同じ塗り分けで側面が旧名鉄色の通称岐阜塗りの3パターンが存在する。
2005年後半の新車からは名鉄グループ全体で新車を一度に発注し、仕様を統一する名鉄グループ統一仕様の車両が導入されている。この統一仕様で導入された車両はカラーリングも名鉄バスに似る。
系列会社
名鉄東部交通
タクシー、ハイヤー、路線バスなどを運営している。路線バスに関してバスカード、トランパスなどのストアードフェアカードは利用できたが、ICカードは利用できなくなっている。
名鉄観光バス
貸切バスを担当する事業者。貸切バス事業者だが、一部の名鉄バスの高速バスの運行受託を行っている。
かつては名鉄バス中部・名鉄バス東部があったが、いずれも名鉄バス本体へ吸収合併されて消滅した。