概要
ロン・ベルクがかつて作った武器の一つ。現在は大魔王バーンが所持しており、勇者ダイとの初戦時に召喚した。
バーンは「ロン・ベルクの最高傑作」と称するが、製作した当人にとっては納得のいかない代物らしい(理由は後述)。
性能
持ち主の魔法力を攻撃力に変換する機能があり、原理は理力の杖と同じである。
しかし理力の杖は決まった量の魔法力(MPにして3、ヒャド一発分程度)を攻撃力に変換する都合上、誰が使っても武器自体の強さは変わらない。
だが、対する光魔の杖には威力の上限がなく、使用者が注ぎ込む魔力が多ければ多いほど無限に攻撃力を上げていけるという、とんでもない代物なのである。
- 魔法力吸収
杖には触手のような飾りがついており、これが使用者に巻き付くことで魔法力を吸収する。
- 戦闘形態
先端が展開し、魔法力を光の刃に変えて噴出させる。槍のように使用できる他、カラミティウォールを発動させることができる。
- 破壊力
魔法力=破壊力のため、強力かつ膨大な魔法力を持つバーンが手にすれば、オリハルコン製のダイの剣でさえも容易く折ってしまう。
- 防御力
光の刃の出力を最大限まで上げれば、あらゆる呪文を防ぐことができる障壁を生み出すことができる。ドルオーラさえ防ぎ耐え凌いだが、連射され二発分となったドルオーラには耐えられず杖が砕け散った。
- 欠点
その特性上、使用者から吸い上げる魔力量にも上限が無いため、持っている間は常に大量の魔法力が消費され続け、大抵の者はあっという間にMPが枯渇して使い物にならなくなってしまう。
事実上、膨大な魔法力を有するバーンぐらいにしか扱えない上、そのバーンですら考えなしに使用を続けると消耗し、攻撃力も低下してゆく。
装備直後はダイの剣の刀身を簡単に折るほどの威力を見せたが、その後に現れた超魔生物ハドラーの覇者の剣は、受け止めるだけで精一杯だった。
バーン自身膨大な魔力量が仇となり、そんな事態に陥るまで戦いが長引いた事は無かったらしく、初めてリスクを実感した時は珍しく焦りを見せていた。
大魔王がこの杖を選んだのは何故か?
年老いた自身には護身の武器が必要と判断したバーンは、当時魔王軍に身を置いていたロンにいくつかの武器を要求。彼が持ってきたのは「鎧の魔剣」「光魔の杖」「鎧の魔槍」の三つだった。
魔剣は「あらゆる呪文から身を守る鎧」、魔槍は「多くの武器を備えた鎧」となる。
対して、光魔の杖は上記の通りの機能しかないため、武器としては単純だが、絶大な魔法力を持つバーンが持つことで恐ろしい武器となった。簡単に言えば、バーンの膨大な魔法力に耐えうる強度と、魔法力を効率よく攻撃力に変換する機能が評価されたのだ。
ロンが身を引いた理由は、自身が全力で扱っても常に耐えられる最強の武器を作るためであったが、適当に作った代物でしかない光魔の杖を、よりにもよってバーンに最高傑作と評されたことも大きい。彼は後に当時を回想して「上等な素材を潤沢に使えるものの、自身の力量が腐っていくのを感じた時期だった」とも語っている。
また、ロン自身は使用者の力量を抜きにした、武器への愛着やこだわりも評価しており、逆にバーンはそういった感情に対しては徹底的に無頓着だった。
莫大な魔法力に任せたごり押しで戦い、応用をしない姿勢に加え、自身を崩壊させてまでドルオーラからバーンの命を守った光魔の杖を「使えなくなった」と判断するや踏み潰したのがその証拠。魔王軍に貢献したハドラーですら使い捨てたバーンが、物を大事にしないのはある意味当然の成り行きともいえる。
ただし老バーンからすればこの杖こそが自分の魔法力を魔剣、魔槍以上に攻防一体に使え全力を出せる唯一の武器である事は間違いなく、ロン自身も全力で使える自分の為の武器を欲していたと言う点から似た部分はあり、のちにダイが全力で戦えない事に共感しダイの剣を作った事も考えるとバーンに最も適している武器は何なのか?を理解して作ったようにもとれる。
また、ロン・ベルクはブラックロッドという光魔の杖と似た性質でありながら、注がれた魔力を大幅に増幅させる効果を持った武器を後に開発しており、光魔の杖自体は試作品であった可能性が高い。武器として完成品の構想を抱きつつ、未完成の品を最高傑作と称されては職人として探求心や気力を削がれてしまうのは当然のことだろう。
星のドラゴンクエスト
悪魔系のモンスターに有効な能力を持っており、攻撃力が「+62」(Lv1)でここから「+97」(Lv2)「+132」(Lv3)と進化する。メインスキルとして【カラミティウォール】がセットされている。