十勝は北海道の地域名のひとつであり、旧国名である。一般に「十勝」といえば、北海道に14ある振興局(一般には「支庁」「管内」と呼ばれる)のうち最大の面積(岐阜県より広い)を誇る地域のことを指す。「十勝郡」もあるにはあるが、皆その存在を忘れている。
地形を大雑把に説明すると、日高山脈が西、大雪山が北側にあり、十勝川が真ん中を流れている。中心都市は帯広市。
名前は「水は枯れろっ 魚は死ねっ」というコロポックルののろいの言葉という説がある。また、北海道人松浦武四郎によれば、十勝の原語であるアイヌ語トカプチは「おっぱいの意」だそうであるが、北道邦彦は「太陽の意」と主張している。
地域文化
北海道の他の地方と違う地域意識を持ち、住民の愛郷心が強い。住民はできるだけ地元の企業と取引し、外部業者を入れないことで地域の独立を守る「十勝モンロー主義」という文化があり、リベラルな気風が強い北海道の他の地域と違い、保守派が強いと言われる。そのため意外と明治・大正の開拓時代から続く老舗が多い。
豆や小麦などの畑作と酪農が盛ん。また農産物を使った食品加工も盛んである。太平洋に面し、また土地も広いが、稲作や漁業はさほど盛んでなく、比較的大きな港は南の広尾港だけである。十勝の農家を描いた漫画『百姓貴族』(カバー取ったところ)では、「沖へ出て山菜をとってくる」漁師が描かれる。