それは25年前のことであった
1996年8月9日に発売されたセガサターン用ガンシューティングゲーム。
セガの『バーチャコップ』に続くガンコントローラー「バーチャガン」対応ソフト第2弾でもあった。
概要が来るぞぉ!気を付けろぉ!!
元々CADを業務としていたエコールソフトウェアが開発した2作目のゲームソフト。
開発スタッフの人数や経験などが不足していた中で無理に様々なアイデアを詰め込もうとした結果、多くの問題を抱えてしまい、雑誌やユーザーから酷評を浴びた。
しかし、独特の不条理さや不可解な台詞、ゲーム雑誌の読者評価ランキングで最下位の常連となったことなどがかえってゲームファンの注目を集め、インターネットを中心に口コミで話題を博してカルト的人気を博し、後に続編が発売されるなどエコールの看板ソフトとなっている。
なお、有名な「上から来るぞぉ!気をつけろぉ!」や「折角だから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!」はこのゲームが元ネタである。
何だぁ!?このゲームわぁ?
それは10年前のことであった。コンバット越前こと越前康介が戦友のダニー、グレッグと共に戦地で偶然見つけた遺跡に「トニカクハイッテミヨウズェ…」と中へ入り、「折角だから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!」と扉を開くと、そこで『クリムゾン』という銃を手に入れる。
その後、医師となった越前はヨーロッパを覆う謎の伝染病「KOT症候群」について、クリムゾンを携えて捜索を始める。しかし今、デスビスノスの放ったモンスターがクリムゾンを取り返すべく、越前に襲いかかる。
・・・というストーリーなのだが、社長自らが和歌山県の友ヶ島に撮影して収録したホームビデオのような映像に、声優せいじろうが1人多役で吹き込んだシュールなボイスとテロップだけでゲームのストーリーを把握するのは難しいだろう。
また、上記の「上から~」では『階段を下りながらのセリフ』『しかも来たのは横から』、「折角だから~」では『何が折角なのかわからない』『開いた扉は赤くない(むしろ茶色)』『そもそも扉は一つしかないから選びようがない』など、突っ込みどころ満載である。
で、肝心のゲーム内容はというと、レールシューティング形式でステージを進みながら画面内に現れた敵キャラクターにバーチャガン対応の照準カーソルを合わせて攻撃するというシンプルなゲームである。
だが、その難易度たるや実に 鬼 畜 かつ 理 不 尽 。
見難いステージの中で画面内に所狭しと現れる敵を素早く倒していく必要があるのだが、敵の攻撃モーションが分かりづらく、時には攻撃してこないダミー敵の存在や照準カーソルの妙な慣性のせいで狙いが合わせ難いことも相まっていつの間にかダメージを受けているなんてケースが非常に多い。
ステージによってはいきなり画面内に撃ってはいけない一般市民やムササビがわっと出現してくるためそれを誤射してしまい逆にダメージを受けてしまうことも少なくなく、加えて被ダメージ時の無敵時間もないことから敵の攻撃パターンによってはいきなり体力をゼロにされてミス、それが繰り返されればあっさりゲームオーバーに追い込まれることとなる。
取り分けステージ1とステージ5は敵の数の多さとその攻撃の激しさが凄まじく、クリアへの大きな壁となっており(特にステージ5ではゴールと思しき建物が目の前にあるにも関わらずなぜか回り道をして戦闘を長引かせている)、ステージ最後のボス戦に至っては唐突にルールが変わるため、初見では困惑必至である。
他にも
- どこかシュールで不気味な背景に表記されるメーカーロゴ、しかも飛ばせない(ちなみにこの時映る顔のようなものは北海道にある「月の光」という彫刻である)
- 凝ったOPムービーとは対照的にまるで素人が作ったかようなチープなタイトルおよびメニュー画面
- 音をステレオとモノラルにするしか選択の無い「充実したオプション」
- 一昔前のアーケードゲームを思わせる荒々しくて見難いグラフィック
- 意味不明なストーリーと唐突過ぎる場面転換
- 動きの乏しいデザインも設定もよくわからない敵キャラクター群
- ラスボスを倒した直後に始まる余韻もへったくれも無いエンディング
- スタッフロールのStaffの文字をStuffと間違えている
このようにこれでもかと言わんばかりの様々な失笑ものな要素が本作の伝説のクソゲーとしての地位を確たるものにしている。
ちなみに、発売当時の『ファミ通』のレビューがこちら
「レビューをやる中で、ゲームに点数を付けるという行為に限界を感じた1本。」
2021年8月12日、twitter上で突如としてトレンドにデスクリムゾンがトレンド入りする。その理由は、RTAイベントにおける部門でデスクリムゾンの最速クリアに挑戦していた人物がいたためなのだが、その挑戦者は1人だけだった。そのため、走者1人も話題となっている。
しかし今、エコールの放った関連タイトルが越前に襲いかかる...
ドリームキャスト用ソフトとして1999年11月25日に発売。
正式なジャンル名は「暗黒ギャルゲーシューティング」。
シューティングに加えてアドベンチャーの要素も取り入れるなど様々なアイデアが盛り込まれた。また、ゲーム起動時のメーカーロゴや「せっかくだから~」の台詞など前作のオマージュともとれるネタも含まれている。グラフィックスやプログラミングは前作から大きく進歩したものの、例に漏れずストーリー含めてあらゆる意味でツッコミどころが満載であり、一般からの評価は低い。
- デスクリムゾンOX( - オックス)
アーケード版が2000年に発売された後、ドリームキャスト版が2001年5月10日に発売。
『デスクリムゾンOX+』としてプレイステーション2版が2003年11月27日に発売された。
『2』のシューティングパートを元に純粋なガンシューティングとして再構成され、
『2』の反省を生かしてスピーディーな展開となり、ようやく「普通のゲーム」として評価された。話としては2と同じ時系列でifの話である。
- ムサピィのみらくるデス魔宮
『デスクリムゾン』のムササビをモチーフにした「ムサピィ」が主人公のアクションゲーム。 ワンダースワン向けに開発されていたが開発中止。
- デスクリムゾン3外伝 忌獣戦紀 ~スピアクロゥ編~
2009年末頃より開発を始動したという『デスクリムゾン』シリーズの最新作だが、ジャンルが「ガンシューかFPSかTPSかノベル」と定まっておらず、発売されるかどうかも分からないという。
これまでの雰囲気をガラっと変え、公式サイトには「鈴ちゃん」という美少女キャラクターの扉絵が載せられている。
- フリーズ!-デスクリムゾン・レゾナンス-
2008年9月13日に実施したファン感謝イベント「デスクルーズ2008」にて配布した書き下ろし小説。
現在ではネット上で公開されており、デスクリムゾン3のホームページにリンクが貼られている。
- ぱっぱらぱおーん
1995年11月22日発売のエコールの記念すべきセガサターン第一弾ソフト。ジャンルはパズルゲー。評価はデスクリムゾンよりはまだゲームになっているが(最下位なので比較すれば当然だが)、まぁお察しレベル。やる気が出そうに無い陰気で鬱になりそうな世界観や、パッケージ裏面の「宇宙初の、パズルなの。」という謎のキャッチコピーなど、後に大爆発するエコール節が各所に見られる。まいったか。
ゲーム自体は特にデスクリムゾンとの繋がりはなく、デスクリムゾン発売前は全く話題にもならなかったが、冒頭のOPで「主人公が謎の赤の扉に入る」というシーンがあり(こちらは間違いなく赤い)、デスクリムゾン発売以降(ごくごく一部で)話題になる。
もしかしたら、主人公がOPで赤の扉に入ることをエコールゲーの伝統にしたかった・・・かは定かではない。
- ポプテピピック(番外)
2018年放送のTVアニメ『ポプテピピック』の最終話「POP TEAM 8BIT」の中にデスクリムゾンのOPのパロディが含まれており、しかも制作元であるエコールソフトウェアがそれの協力していたことが判明し、大きな話題となった。
しかし、2020年10月にこのパロディが原因でYoutubeでデスクリムゾンのプレイ動画がポプテピの著作権を侵害したという理由で収益化出来ない事態に陥った。例(注:プレイ動画が削除されたり、投稿主がアカウント停止になったわけではない)
なので、このことを知ったポプテピの原作者の大川ぶくぶは行動を起こし、現在は収益化可能である。
なお原因ははっきりしておらず「YoutubuのAIが誤ってプレイ動画をポプテピの著作権を侵害したと見なした」とされている。
以上の経緯はポプテピ側の迅速な対応があったことなどから、ネットなどで炎上することなく事は収まったが、逆に「デス様とポプテピの伝説にまた1ページが追加された」と称賛(?)の声があったとか、なかったとか。
せっかくだから、俺はこの関連タグを選ぶぜ!!
コンバット越前 エコール クソゲー おーのー デスクリムゾン2