概要
2021年10月8日に発売された『メトロイドドレッド』に登場するロボットである。『EXELION STAR CORPORATION』によって開発されたものであり、銀河連邦が所有している。
正式名称は『Extraplanetary.Multiform.Mobile.Identifier(惑星外多形態機動調査機)』。
宇宙で最も硬質と言われる特殊素材で作られている他、両手両足が鉤爪状になっており、頭部には赤いコアがあり、モノアイの様に輝いている。二足歩行の他、四足歩行でどんな悪路でも素早く移動する。二足歩行時の全長はサムスより大きいことが確認できる。
元々は未知の生物を捕獲し、DNAを採取する事に特化したロボットである。
寄生生物Xの存在を仄めかす映像を送ってきた未踏の惑星『ZDR』を調査するべく、銀河連邦によって調査部隊として7体が送り込まれた。
しかし、ZDR到着後ほどなくして、原因不明のまま消息を断ってしまい、ZDRにやってきたサムス・アランを捕獲しようと襲いかかるようになっていた。ミイラ取りがミイラになるとはまさにこの事。
紹介映像を見ると、謎の鳥人族に操られている節があるが、真相は不明。
本作の題名にもある『DREAD(恐怖)』を象徴する敵の1つである。
性能
ステージ内に設けられた『E.M.M.I.ゾーン』と呼ばれる区域を巡回し、目から発するレーダーでターゲットを探す。
通常時は青いセンサーの『パトロールモード』でステージを徘徊しており、センサーの範囲内でサムスが発する音に反応して黄色いセンサーの『サーチモード』で、音がした場所に移動する。そして、サムスを視認すると目が赤くなった『チェイスモード』となり、こちらを完全にロックオンし、四足歩行で床や壁、天井を走り、物凄い速さでどこまでも追跡する。捕まったら最後、鉤爪で拘束されて頭部に内蔵されたDNAを採取する装置で喉元を貫かれ、ほぼ確実に即死となる(アダム曰く99%)。
E.M.M.I.のナビゲーションプログラムは他の敵キャラと異なり、サーチモードになると距離を離してもサムスがいそうな場所や通りそうな所を予測して急行する上に、チェイスモードにもなると後ろから追ってくるだけでなくサムスの位置によっては別ルートから先回りしてくる。また、巡回ルートも一定ではなく、隣の部屋に移動したと思いきや、すぐにUターンして戻ってくる事もある。
しかし、逆にパトロールモードの探知範囲内でも音を立てなければ見つからずに済み、サーチされてもエイオンアビリティーによる光学迷彩『ファントムクローク』でやり過ごす事もできる。ただし、ファントムクロークを使ってもE.M.M.I.に触れるとバレて捕まってしまう他、チェイスモードでロックオンされるとファントムクロークが意味を成さなくなる。そのため、ファントムクロークを使う場所と体勢が重要になる。
チェイスモードになっても、長距離まで引き離したり、シャッターなどでE.M.M.I.を遠回りさせたりする事で、サーチモードに戻す事ができる。そうなると、ファントムクロークでやり過ごす事ができる。
また、捕まってもコアが露出する一瞬の隙を攻撃することで脱出できるが、暗転した瞬間にカウンターであるためタイミングがシビアなので注意。
しかも、脱出できるタイミングが毎回ランダムであることに加え、チャンスはサムスを捕獲する時と即死攻撃を繰り出す時の2回限りなのでボタン連打で脱出できないため、要注意。
E.M.M.I.が同じ部屋にいる時や壁越しに近くにいる時は電子音が聞こえるため、姿が見えなくても近くにいるかどうかがわかる。また、BGMをよく聞けば、E.M.M.I.がこちらに気付いているかどうかも判別できる。
ビームゲートも開ける事ができ、攻撃で壊れるブロックも体当たりで破壊する事ができる。しかし、あくまでもパワービームで開く道を通れるだけであり、ミサイルゲートやチャージビームゲートなどはサムスが開けるまで通る事はない。
また、03MBからはゾーン内にダクトが設けられており、E.M.M.I.を撃破するまではシャッターで塞がれているため、実質E.M.M.I.専用の通り道である。
なお、E.M.M.I.は基本的にE.M.M.I.ゾーンにのみ徘徊しており、E.M.M.I.ゾーンへのゲートを通れるのはサムスのみである。しかし、E.M.M.I.に見つかってチェイスモードになっている間は出入り口となるゲートが閉鎖されるため、E.M.M.I.の追跡を振り切ってサーチモードに戻す必要がある。
だが、E.M.M.I.ゾーンに侵入するとゾーンのマップとゲートの位置、セントラルユニットの場所が登録されるため、開発チームより落ち着いて探索する事をオススメされている。
また、上述にもあるが銀河で最も硬質な特殊素材で作られているためサムスの通常武器では歯が立たず、ミサイルですら傷1つ付かないほどの頑丈さを見せつけている。
ロボット故に感情の起伏や躊躇いがなく、捕獲対象に向かって一直線に追いかけ、無慈悲にトドメを刺していく。
味方側から一転、逆に最大の障害となってしまった彼らの警戒網を掻い潜りながら、サムスはミッションを進めなければならないのである。
対抗手段
E.M.M.I.ゾーンのどこかにある管理用のマザーコンピュータ『セントラルユニット』からエネルギーを取り込む事で、特殊武器『オメガキャノン』を一時的に習得できる。ガトリングの如く連射するオメガストリームを頭部に当て続ける事で頭部のプロテクターを赤熱化させて破壊することができ、チャージして放つオメガブラスターをコアにぶつける事で撃破できる。
なお、オメガキャノンを構えている間は移動できない事と、オメガブラスターでE.M.M.I.を倒すとオメガキャノンが消滅するので注意。E.M.M.I.も攻撃されてる間もジリジリ迫ってくるため、近付かれたら構えを解いて距離を離す必要がある。その為、オメガストリームとオメガブラスターをワンセットでやろうとすると失敗しやすい。その為…
- E.M.M.I.の頭部をエイムできる距離を確保しつつオメガストリームでプロテクターを破壊。
- プロテクター破壊ができたらすぐさま移動して距離を取り、E.M.M.I.を待ち伏せする形でオメガブラスターのチャージを行う。
- E.M.M.I.のコアをなるだけ正確にエイムしてオメガブラスターを発射する。
…と、上手くいく。迫る恐怖(ドレッド)に負けない冷静さを味方につけるのが肝心である。
なお、プロテクターを壊すにはオメガストリームを当て続けなければならいが、攻撃を中断すると赤熱化した頭部が徐々に元に戻ってしまう。当たっている間はE.M.M.I.の動きが遅くなるので、当たっているかどうかはわかりやすい。
また、01Pのセントラルユニットは既に破壊されていたが、02SMからはセントラルユニットと戦って撃破しなければならない。しかもセントラルユニットを撃破するとオメガキャノンのエネルギーを察知したE.M.M.I.が常時チェイスモードとなり、通常の手段ではオメガキャノンをゾーンの外へ持ち出すことはできない。
種類
劇中には7体のE.M.M.I.が登場する。
現在判明しているのはダメージ、白、黄色、黄緑、紫、水色の6体(?)。この内ダメージは、何かと交戦したのか、ボロボロな姿で登場している。
更に、登場するE.M.M.I.にはそれぞれ異なる能力を持っており、PVでは黄色いE.M.M.I.が高速移動する様子や、水色のE.M.M.I.が敵を凍結させて粉砕する様子が描かれている。撃破する事で、新たなアビリティを入手できる。
E.M.M.I.-01P
サムスが最初に遭遇する、ボロボロ姿のE.M.M.I.。二足歩行でゆっくり歩くことしかできず、また片腕を欠損しているため壁を登ることもできない。
いわばE.M.M.I.との戦いにおけるチュートリアルの役割を担い、捕まった時の脱出方法と、袋小路に追い詰められた時の切り抜け方をここで学ぶ。片手が欠損しているので追跡されることはないが、プロテクターは無くオメガブラスターの一撃で撃破可能。
既にボロボロであるせいか、01Pからは何も入手できない。
E.M.M.I.-02SM
サムスが2番目に遭遇する白いE.M.M.I.。PVで真っ先に登場したのもこの個体である。
特殊能力はないものの、ここからがE.M.M.I.との恐怖のおいかけっこの本番である。幸い、狭い隙間には入れないので、スライディングで振り切ることができる。
倒す事でスパイダーマグネット(Spider Magnet)を入手できる。
E.M.M.I.-03MB
サムスが3番目に遭遇する黄緑色のE.M.M.I.。
体を折りたたむ事で狭い場所にも入り込むことができ、02SMと異なりスライディングでもやり過ごすことができないため、ファントムクロークの使い方が重要になる。
これ以降のE.M.M.I.は狭い場所やダクトに入り込んで来るようになる。
倒す事でモーフボール(Morphing Ball)を入手できる。
E.M.M.I.-04SB
サムスが4番目に遭遇する黄色のE.M.M.I.。
体を折りたたんで狭い場所に移動する他、チェイスモードの際、高速移動でこちらを追いかけてくる。オメガブラスターによる直接対決でも発揮し、オメガストリームをしっかり当てないとあっという間に距離を詰められる。
また、ここからはゾーン内に、床に隠れてサムスが近付くと飛び出して自爆する敵が現れるようになり、例えサーチ圏外でもこの敵の自爆にE.M.M.I.が反応して急行してくる。
倒す事でスピードブースター(Speed Booster)を入手できる。
E.M.M.I.-06WB
サムスが5番目に遭遇する紫色のE.M.M.I.。
壁を貫通する電磁砲を発射する事ができ、1度目の遭遇では壁画を見ていたサムスを壁画越しに奇襲して来た。
しかし、ある者によって機能が停止されたため本格的に対決する事になるのは6番目である。
再起動時は、E.M.M.I.ゾーン全域がパルスの範囲内であり、どんなに距離が離れていてもサムスの発する音を察知してくる。というよりゾーンに入っただけでもサーチモードになる。更にはセンサーが壁を通過するため、障害物を利用して隠れることが不可能になり、むしろ1ヶ所に留まると見つかるリスクが高い。
そのため、音を察知して追いかけてくるE.M.M.I.から逃げ回りながら探索しなければならないが、ルートの中には水中を進まなければならない所もあるため、苦戦を強いられる。おまけに06WBは水中でも普通に動ける。
更に、06WBが放つ電磁砲に当たるとしばらく動けなくなる。
倒す事でウェイブビーム(Wave Beam)を入手できる。
E.M.M.I.-05IM
サムスが6番目に遭遇する水色のE.M.M.I.。
機能停止されているため、交戦することなく素通りができる。
再起動後はセンサーの幅は狭いが、その代わり画面外から届くほど射程距離が長い。センサーに当たった物を瞬時に凍らせるため、冷気に弱いサムスにとっては恐るべき相手である。
遠距離でセンサーに触れた程度ではまだ発見されないが、凍らされるとしばらく動けない上に、冷気ダメージの際に鳴るアラートに05IMが反応して急行してくる。また、マグネットサーフィスに引っ付いても凍らされると落ちてしまう。
ファントムクロークを使えばセンサーに触れても凍らずに済む。
この05IMがいるゾーンは構造上、十分な距離を取りにくい・プロテクターを狙いにくい箇所が占めており、オメガストリームでプロテクターを破壊する間もなく返り討ちにされやすい…が、逃げ惑う中でルームの特徴をよく観察できていれば一見不可能に見えても確実に対抗できる活路があるはず。
また、チェイスモードではセンサーが無くなるため、氷漬けにされる心配はない。
倒す事でアイスミサイル(Ice Missile)を入手できる。
セントラルユニット
E.M.M.I.を管理するマザーコンピュータ。一つ目を持ち、青白い脳みそのようなものを黒い装甲で覆っている。サムスが部屋に入ってくると、宙に浮かんで戦闘態勢になる。
「連邦製の脳型有機コンピュータ」という点ではオーロラユニットに、一つ目玉の脳というビジュアルや壁からのレーザー砲やリング状の光線といった攻撃手段はマザーブレインにそれぞれ似ている。
撃破することでE.M.M.I.を倒す事ができるオメガブラスターを入手できる。
撃破後
E.M.M.I.が撃破され残骸が消滅すると、E.M.M.I.ゾーン内にクリーチャーが出現するようになる。もっともE.M.M.I.に比べたら即死の危険性がないため、安心して探索できる。
余談
メトロイドドレッド発売と同時に、本作のサムスと共に、E.M.M.I.(02SM)のamiiboが販売される予定。
E.M.M.I.が接近する時に発する無機質な電子音になんか思い出した人もいるだろう。メトロイドⅡでいつどこでメトロイドと遭遇するかわからないSR388の静寂な洞窟で度々聞こえた謎の音とそっくりなのである。プロデューサーの坂本賀勇氏曰く、音のモデルは幼い頃に聞いたヤマバトの声。「普段聞いても何ともないが、特殊な環境下なら怖いだろうな」とインスピレーションを受けたんだとか。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALでも「メトロイドドレッド」のイベントスピリッツとして登場。憑依先は「ファミリーコンピュータロボット」。スマブラだからとナメてかかるとあっという間に痛い目に遭うぞ。
関連タグ
きゅうきょくキマイラ:「MOTHER3」に登場するE.M.M.I.と異なる点として絶対に倒せない上に触れると問答無用で即死を食らう厄介な存在。その為遭遇を避ける必要がある繋がり。コイツに見つかると追い回される。
リッカー:バイオハザードシリーズでお馴染みのクリーチャー。天井を這うわ、突き刺しするわで色々とE.M.M.I.と似通っている。
メタルギアソリッドシリーズ:E.M.M.I.同様に敵兵が「通常(パトロール)」「警戒(侵入者探索)」「危険(侵入者排除)」の三パターンを持つ。状況次第ではE.M.M.I.よりもやりすごしたり排除しやすいが、こっちは複数いる事が多い為、単体のE.M.M.I.同様厄介かつ恐るべきな存在になる。最高難易度では見つかっただけでゲームオーバー。もしかしたらこれを思い出したプレイヤーもいるのでは?
青鬼:青鬼(フリーゲーム)の謎の存在。無論、コイツに捕まったらアウト。06WBが色からまるでそれっぽいのは気のせいだろうか…?
【警告】これより先、E.M.M.I.がサムスを狙う目的が記載されているため閲覧に注意されたし
E.M.M.I.の目的が、サムスの体内にあるメトロイドのDNAを欲していることを鳥人族の科学者「クワイエットローブ」の口から明かされる。
謎の鳥人族ことレイヴンビークは、銀河を支配するためにメトロイドを生物兵器として利用しようと考えていた。しかし、不運が重なってメトロイドをSR388から移送する計画を一時中断している間にサムスによってSR388のメトロイドが絶滅してしまう。
いろいろあってメトロイドが宇宙から根絶した事でレイヴンビークの計画が阻止されたと思われた。
……サムスの体内にメトロイドのDNAがワクチンとして移植されなければ。
サムスの体内にメトロイドのDNAがあることを知ったレイヴンビークは、Xの存在を示す映像を銀河連邦軍に送り、先行で派遣されてきた7体のE.M.M.I.をハッキングして鹵獲し、サムスをZDRに誘い込んだのであった。
ちなみにE.M.M.I.ゾーンゲートはサムスだけが通れると前述したが、クワイエットローブや鳥人兵士に擬態したX、鳥人族のロボットがゾーンの中に入っているのを見ると、正確には鳥人族、または鳥人族に縁のあるものだけが通れるのだと思われる。
一度はクワイエットローブによって全機機能停止するが、彼の亡骸に寄生した赤いXが彼の姿に擬態し、全機が再起動してしまう。
E.M.M.I.-07PB
最後に登場する赤いE.M.M.I.。
能力はパワーボム(Power Bomb)。壁越しに隣の部屋からサムスの気配を察知するや否やいきなりパワーボムを起爆し、サムスを追い詰める。
しかし、突如としてサムスの左腕に異常が起こり、07PBの即死攻撃を左手で受け止めた瞬間、07PBのすべてのエネルギーがサムスに吸収されて機能停止し、同時に07PBを管理していたセントラルユニットも同様に機能停止する。
直後に襲ってきた赤い鳥人兵士に擬態したXを倒した後、07PBからパワーボムを入手できる。
サムスの身に起こった現象の正体は、後のアダムとの会話で判明する事となる。
E.M.M.I.-01P
01Pのプロテクターと片手を破損させ、セントラルユニットを破壊したのはレイヴンビーク。
※それを踏まえると、レイヴンビーク並みの戦闘力を持つ者ならば、E.M.M.I.の装甲を破壊可能と思われる。