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イリーティア・ルゥ・ネビュリス9世の編集履歴

2021-10-23 09:57:59 バージョン

イリーティア・ルゥ・ネビュリス9世

いりーてぃあるぅねびゅりすきゅうせい

『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』の登場人物。ローマ字表記:Elletear Lou Nebulis Ⅸ

「慣れっこですわ。それに、これも王女としての責ある仕事です」


「はい。このたびの遠征で、辺境が抱える不安をいっそう身近に感じましたわ。中央州は安全であっても、諸州はいつ帝国の襲撃に見舞われるのかと懸念しています」


概要

CV:沢城みゆき


星霊使い達の国・ネビュリス皇庁の第1王女。エメラルドの髪に緑色と金色のオッドアイを持つ神がかった美貌とプロポーションを誇る絶世の美女。アリスシスベルの姉。


人物像

王女の中では頭脳明晰かつ聡明で冷静沈着な上に社交的で教養も知識も深く、多才であるなど後述の能力から「星霊以外の全てを与えられた」と評される才女であり20代という若さでイスカをして八大使徒に匹敵する老獪さを身に着け、極めつけに「魔法」とまで称され、同姓ですら惑わす魔性の美貌を誇る。その裸体は目撃した女性を気絶させ、人間を研究対象としか見ない女科学者ですら欲情を抱かせるほど。その知性と大人の余裕でふたりの妹を翻弄し、イスカをも手玉にとる。

普段は女王補佐として外征や外遊に力を入れ、辺境の不安に耳を傾けるなど王女として慈悲深く国の行く末を憂いている。

王女としても次期女王としても完璧な彼女だが、しかし下記のように星霊の力が弱いというただ一点の欠点を持って、生まれた時から「女王にはなれぬ」と皇庁の人々から揶揄されている。

好きなものは「子供と遊び、動物を撫で、植物を愛でること」、嫌いなものは「星霊、ネビュリス皇庁」、趣味は「世界変革(の妄想)」


能力

上記の通り明晰な頭脳と知識に気高い品格を持つ完璧な淑女なのだが、それは努力の賜物であり、星霊使いとしては純血種の王女でありながら、星霊の持つエネルギーは微弱でその能力も『声』という一度聞いた声を再現するオウム返しのようなもので戦闘能力と自衛能力は愚か、シスベルのような証拠能力としても使い道がなく臣下も自身ですらも役に立たぬ星霊と評し、ゾア家当主グロウリィからはイリーティアが誕生した時に女王聖別儀礼の勝利を確信され、ヒュドラ家当主タリスマンからも「星には愛されなかった」と評され、母ミラベアでさえもこれでは女王の資質にそぐわないと断じられている。

このように自らが次期女王候補となりえない原因であるはずの弱い星霊だが、しかし本人はその弱さを認めつつ「この星霊で良かったと思っている」と語る。

一方、自身の努力で培った知識と教養は本物でありアリスやシスベルを凌ぐ知識や皇庁の文化の造詣はこの上もなく深く、絵画の腕前も神がかりであり、その画力は芸術に目が肥えたイスカをして写真と見まごうほど。おまけに王女でありながら料理の腕前もあるなど、シスベルからは「究極完全体パーフェクトお姉さま」とまで畏怖されている。


関連タグ

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦

アリスリーゼ・ルゥ・ネビュリス9世 シスベル・ルゥ・ネビュリス9世 ミラベア・ルゥ・ネビュリス8世















ネタバレ














ここから先は作品の重要なネタバレを含む為、閲覧注意。































『諸人よ、挙りて見上げよ』


『星の鎮魂歌(レクイエム)を聴かせてあげる』



実は、彼女こそシスベルが探していた皇庁を滅ぼそうとする裏切り者にして「灯」の星霊で見て以来室内に閉じこもる原因となった怪物である。


上記のように星霊の弱さを気にしていないように振る舞っているが、実際には誰よりも気にして誰よりも苦悩してきた。星霊の力が弱いために女王候補から外され、強大な星霊に恵まれた母や姉妹たちと比較され疎外感と劣等感を抱いており、それでも手が届く努力はなんでもし女王にふさわしい品格と知性を磨いてきたが、結局その努力は誰からも母からすら省みられず、彼女は生まれながらにして女王候補から外され、陰から嘲笑される原因となり、母と姉妹たちをはじめとした純血種たちの星霊が賞賛されるそばで、自身は悔しさから自室で密かに泣き暮らす生活を送っていた。


それ故、生まれ持った星霊だけで全てが決まる皇庁に対し憎悪を抱くようになり、帝国と内通していたヒュドラと共謀、現在(1巻開始時点)から2年前に帝国へと渡り、大星災を投与する実験に「被検体E」として自らの全てを捨て人外の『魔女』となる覚悟で志願した。


「被検体E」として


成功例である被検体Viに対して行われた投与が0.0002%の濃度であったにも関わらず、51%もの濃度を自ら望んだ結果、自我を失うほどの拒絶反応に苦しむことになるが、同時に大星災との適合率は被検体Viどころか、始祖や天帝をも凌ぐごとが判明。施術したケルヴィナ八大使徒も計算外の結果であり、自分たちの手に余る力と未知を備えはじめた彼女を警戒かつ危険視し抹殺を試みる。しかし意識を失っていたイリーティアに代わり投与された大星災がそれを聞いていたため、自我を取り戻した彼女は帝国から脱出する。


以降、皇庁に戻ってからは全てを隠し、外遊に力を入れいかにもな模範的な王女を演じるが、その裏では大星災の侵食により『魔女』化が進行、強烈な吐き気などの拒絶反応に苦しむが、結果、神星変異と呼ばれる異形への変身能力を獲得する。シスベルが『灯』で目撃した異形の怪物とは、この頃に神星変異を行ったイリーティアである。


そして現在、仮面卿にシスベルが帝国に内通しようとしていると嘯き、外遊先を密告するなど水面下で暗躍。さらに『声』の星霊により仮面卿の声を再現し、女王暗殺の手引きと合図、加えて疑惑をゾア家に向かわせ仮面卿を一時拘束に追い込むなど八面六臂の権謀でルゥ家とゾア家を翻弄。同時に帝国八大使徒へと情報を流し、使徒聖による皇城襲撃を誘導する。


さらに自身やヒュドラの暗躍を白日にし得る『灯』の星霊を持つ妹シスベルが中央州に帰還したのを見計らい先回りして妹や第907部隊を脅迫し、別荘のルゥ・エルツ宮へと報じ込める(この手練手管にイスカからは八大使徒を想起させ戦慄されている)。これによりアリスが姉を連れ戻すためにルゥ・エルツ宮に乗り込まざるを得ないようにし、彼女という切り札を女王から切り離すことにも成功。そして、自分だけが王宮に戻った際に母から上記の暗殺未遂のカラクリを看破されるも狡猾な演技で受け流し、帝国軍の襲撃の時間稼ぎを行う。


そうしてついに発生した帝国軍の襲撃では、混乱の最中、母ミラベアと使徒聖第一席のヨハイムとの戦いに割って入り、母とそして駆け付けた妹アリスの前で斬られ、大量の出血を伴う瀕死の重傷を負う。そのままヨハイムに盾代わりに連れ去られるが、しかしこれは裏切り者の容疑から自分を外し堂々と皇庁から脱出するためだった。彼女は既に剣で切られる程度では死なない程度に人間から遠ざかっていたのだ。


そして襲撃部隊の撤退の裏で、シスベルを連れ去るヴィソワーズの現場を押さえたゾア家当主グロウリィと相対する。艶やかな嬌笑を響かせながら現われたその姿は人のものではなく、カラスの濡れ羽色のような黒い星霊光を発し、黒いドレスを纏いながら全身の肌までもが真っ黒に染まり、双眸だけが星のように輝く異形であり、それこそが神星変異した姿であった。その姿で発する声は、美しい女声と底知れぬ怪物の声の二重音声であり、彼女はその理由を星霊が馴染みきっていないことから「声」が乱れ未だ不完全であるためと語る。しかし過去の自らが勝てるはずもなかった純血種であるグロウリィを、不意打ちの形とはいえその力で降し拘束した。(ただし『星の鎮魂歌を聴かせてあげる』と宣言した後、どういった戦闘であり、神星変異後の能力がどういったものだったかは未だ劇中では語られていない)


襲撃の翌朝、帝国へ帰還する部隊に捕虜として彼女はいた。重傷であったはずの傷は既に治りかけており、しかし水を飲んだところ最早水は不要だと身体から拒絶されるほど侵食は進行していた。近い将来呼吸すら不要となるであろう人外へ変化していくことを想うも、受けいれる。

その一方で母や妹たちへの情も確かに存在し、この離脱劇は自らが化け物へと変わりゆく過程を母親と姉妹に見せないようにする配慮でもあったことが語られた。


そして、再度八大使徒と面会。人を捨てることをも辞さない自らの覚悟を語りつつ、星霊の強弱によって全てが決まる皇庁の破壊を宣言し、ひとまずの協定を結ぶ。帝国内へ八大使徒により用意された館に監視を受けつつも滞在するも、そこでさらに『魔女』化は進行、拒絶反応による強烈な吐き気に苦しみつつも、同時にその侵食を身体が悦び、隅々まで身体が弄られていくことに心地良さすら感じるほどになる。


そして自らが人間でいられる最後の時間と悟った夜、最愛かつ唯一の味方に見守られながら、世界の要素ひとつずつを挙げ、それを破壊することを共に宣言する。


夜は更け、この世の物とは思えぬ苦悶の叫びが聞こえた後、歓喜の『歌声』が響き渡った。









『世界最後の魔女』として


「八大使徒(あなたたち)はもう邪魔(いらない)」


かつての最弱の星霊使いは、ついに星霊と大星災との完全な融合を果たし、究極で絶対で唯一の存在真の魔女となった。人であることを捨て去り、虚無のような黒染めのウェディングドレスに身を包んだ魔女は、それによって得たこの星で究極の力を遊びのように行使し、かつての気高き品格など微塵も感じさせない快楽に満ちた声で嗤う。


そして人を捨てた証のように鋼鉄の壁を幽霊のように擦り抜けて見せ、彼らが何より焦がれ何より恐れた力を誇示しながら、用済みとばかりに八大使徒へ――否、世界そのものへ破壊を宣言する。



「もちろん約束は守りますわ。天帝も始祖も帝国も皇庁も、みーんな私が壊してしまう。とても綺麗に創り直してあげますから」


「おやすみなさい、愚かな力の求道者たち」

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