「お待ちください女王陛下」
「久方の血族協議を楽しみにしていましたが、大変なことになりました。とはいえ女王、まずはご自身のお身体を労わるべきです」
概要
CV:置鮎龍太郎
ネビュリス皇庁三王家の一角ヒュドラ家の当主。清潔にまとめた鈍い銀髪に彫りの深い目鼻立ちに形のいい眉目の美丈夫。常に優雅かつゆったりとした余裕を持った壮年の紳士。
現女王のルゥ家と過激派のゾア家が女王聖別儀礼(コンクラーヴェ)を争う中で、代々の当主がそうであったように中庸かつ中立的な立場を取っている。
通称は『波濤』のタリスマン
また明言されていないが、フルネームは恐らくほぼ間違いなくタリスマン・ヒュドラ・ネビュリスであると思われる。
人物像
優雅かつ穏やかな佇まいの紳士。上記のように二王家が次代の戴冠を争う中で中立的なスタンスを取り、女王暗殺未遂が起こりゾアに嫌疑がかけられた時も自らが事情聴取を買って出ており、犯人の捜索に当家の異端審問官であるヴィソワーズを派遣するなど柔軟かつ忠実に現政権に従っている。
能力
保有している『波』の星霊は不可視の力学エネルギーを波動として放出し、その力の波をぶつけることで物体を思うままに操作するというもので、いわば念力という超能力の概念に近い。クロスウェル曰く「敵の肩に見えない機械腕(ロボットアーム)が生えているようなもの」である。『波濤』の二つ名の由来ともいうべき能力である。
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ネタバレ
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「うそ偽りはない。私は荒事が嫌いだよ。もっとも『浄化(カタルシス)』ならば話は別だ。これは、この星の魂の清浄なのだよ」
「『暴虐』のタリスマン。私からしたら本意と遠い俗称なのだがね」
実は彼らヒュドラ家こそが女王暗殺未遂の実行犯にして帝国の内通者である。
真の人物像
上記の女王に忠実でゆったりとした紳士然とした姿は完全な偽装であり、その本質はまさに太陽(ヒュドラ)のごとき煮え滾る野心家にして強さを極めんとする獰猛な修羅である。
ルゥ家のイリーティアばかりか、帝国を事実上牛耳る八大使徒とも組み、ゾア家を追い込む形でルゥ家を追い込む面従腹背であり良くも悪くも老獪な人物でイリーティアと並んで作中随一の老獪な策士。
皇庁を古い国と評し、帝国との戦争で膠着をひたすらに守ろうとするだけのルゥ家、帝国への怨念をいまだに吠え続けるゾア家を飽いたと呆れた目で見ている。
星の中枢(コア)へと至るには帝国の力が必要だと嘯き、八大使徒との共謀し星霊と大星災を用いた『人と星霊の統合』を人工的に成し遂げる実験をしており、遠い親族に当たるヴィソワーズを被検体として送り込んでいる。
八大使徒が密かに進めていた「魔女化」の研究に目を付け、利害が一致したために手を組んだ。30年前のネビュリス七世を襲った真犯人である『被検体F』はその初期被検体(プロトタイプ)である。
これらの計画は実にタリスマンの三代前――半世紀近い年月をかけた壮大かつ巧妙なものである。
それは戦闘時において敵と対峙した際にも際立っており、ルゥ家の別荘を襲った際に帝国軍の仕業に見せるため星霊術を一切使わないと思わせて平然とそれを星霊術で攻撃し虚を突き、のらりくらりとした何気ない会話を戦闘時に続けながら確実に敵を葬る攻撃を不意打ちで繰り出すなどイスカをして詐欺師と評される。
真の能力
上記の通り『波』の星霊を宿しており、何十トンという質量のガラスの壁がドミノ倒しのごとく押し寄せるような威力の不可視の波動を撃ち出す大海嘯といった『波』の星霊術としてはセオリーな技も使うが、彼の真価はそこではない。
星霊使いの身でありながら百戦錬磨の体技を誇り、それに独自に編み出した『波』の不可視の力学エネルギーを物理的な加速度に転換する波動の物理的転換を加えており、それによって拳にかすめただけで肋骨と内臓がバラバラになるほどの破壊力を付与し、体技を波動の後押しで加速させることでイスカが視認できないほどの速度を誇り、その風圧は列車が通った後と見まごうほどな上、彼が機動力で振り払えないなど対星霊使い特化の天敵とも言える技量の持ち主。
なお、この術の設計に六年を要し、習得にそこから八年。この域に達するまでさらに十三年を要しており、ざっと三十年近く修練を積んできた努力家でもある。
この苛烈なまでの強さの希求と獰猛な体技ゆえに上記の二つ名とは別に『暴虐』のタリスマンという二つ名を持つ。もっとも本人は上記の台詞通り本意ではない俗称らしいが。